僕にはちょっとした能力がある、それは「夢で見たことと似たことが起きる」というものだ。

だからといって、そんな能力があったとてモテモテになったり、悪い人をやっつけれるわけじゃないんだ。例えば「体育で活躍できる」夢を見ると授業の内容がわかったりだとか、そーいったことが現実で起きる。

ある日、ベッドに入って眠りにつく時一瞬の頭痛が走った。一瞬のことだったので気にせず眠りについた。

眠りについたあと、僕は、ある空間にいた。周りには何も見えないけれど、２つ明瞭に見えるものがあった。一つは母。しゃがみこんでうずくまっている。もう一つは父親だ。父は母の直ぐ側でピクリとも動かず倒れている。

僕には状況が飲み込めず見ていると、お母さんがゆっくりこっちを向いて、こういった。

「次はゆうとの番だ、、、よ？」と不気味な笑みをしていた。

そんな夢を見た、３日後父が通り魔に襲われ、死んではいないものの、重体みたいで病院で寝たきりだそう。

そう聞いた時、特に何も感じなかった。確かに心配ではあるけど、お父さんがいないから寂しいだとか、お母さんが可哀想とは思わなかった。

次の週の火曜日また夢を見た。

今度は父を刺した通り魔がお母さんを刺す夢を見た。通り魔は呆然とお母さんを見下ろしていて、フードを被っていた。

通り魔は前の母と同じようにこちら向き、

「お前のせいだ。」と真っ黒なバグみたいな顔をして言う。その声はまるで僕を嘲笑うかのような声だった。

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テレビのニュース速報が流れる。

「７月３０日水曜日に〇〇県で１８歳の桐谷尤人容疑者による殺人事件が置きました。被害者は尤人君の父親である桐谷裕翔さんと母親の桐谷美玲さんが腹部を包丁で刺され、裕翔さんは意識不明の重体。美玲さんは死亡とのことで。警視庁は桐谷尤人容疑者の殺害の動機について伺っており、一部の関係者は二重人格ではないかとの話が上がっていて・・・・・」

というニュースが流れており、ふと考えた、少年の家庭になにかあったのか。それとも違う原因なのか、、、、、。