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いろいろといろいろすぎてむりやだなくよすぎる
ん?ん?ん?いや儚すぎやろ
犯人出てこーい
俺の日課は、毎日病気の恋人を
ぎゅっと抱きしめて寝ることだ。
これだけ体を密着させておかないと
物理的にも、精神的にも
すっと消えてしまいそうで…
一瞬でも目を離すのが怖くて
俺の顎の下に恋人の頭を位置し、
手も、足も、体も、心も。
全部全部絡ませて寝るのが大好きだ。
「涼ちゃん、好きだよ。」
「んへへ、僕もしゅき…」
「うん…..」
「好きなのはわかるけど
こんなに密着するひつよーあるのぉ?」
「だって、ほっとくと霞に紛れて
居なくなりそうなんだもん…、」
「大丈夫だよぉ、居なくならないし
辛い時は沢山元貴に助け求めるからぁ。」
「絶対だからね。」
「ん〜..やくしょくぅ….」
こくっ、こくっと眠気を我慢して
俺とお話する。
「涼ちゃん、眠いでしょ?寝な。」
「んん…..もぉき..おやしゅみ….」
俺の腹部に顔を埋めているのと
眠たいので滑舌が緩くなる恋人。
「ふふっ、おやすみ。愛してるよ。」
恋人の頭を撫でながら眠りにつく。
遠くから咳が聞こえた。
「..ぉ..き….元貴ぃっ….」
これは夢なのか?
遠くの方で泣いている恋人の声がする。
そしてじんわりと涙が俺の服を
染めている気がする。
そんな感覚がする。
寂しいのかな、悲しいのかな。
「なかないれぇ…」
そう呟き、いつも以上にぎゅ〜っと
身体を抱きしめる。
そうすると、段々と静かになっていく。
よかった。
カーテンの隙間から出る光に照らされ、
段々と意識が戻ってくる。
いつもと同じ朝のはず。
なのに、何かがおかしい。
べっとりとしたなにかが
自分の首元や胸元を冷たく濡らしている。
「んん..、?りょ..ちゃ….、?」
目をパチッと開けると
衝撃的なものが目に飛び込んでくる。
そのべっとりついていたのは
全て血だった。
「えっ?!ちょ..俺刺された、?」
でも体はピンピンしている。
「..あれ、?涼ちゃん….?」
いつもは俺より早起きしているはずなのに
いつもは「おはよう。」って
出迎えてくれるはずなのに。
妙に冷たい涼ちゃんの顔を見ると
涼ちゃんの口からは
赤い死のインクが垂れ下がっていた。
腕の中の涼ちゃんは
夜のうちに、ただ独りで苦しみ、
ただ静かに血とともに死んでいたのだ。
「涼ちゃん…、?起きて…起きてよ….」
いくら揺さぶっても起きない。
屍はこういう事を言うのか。
「..あれ、?あれれぇ…、?」
自分はおかしくなったのか、
涙を零しながらも口角は上がる。
もしかして、こっちが夢?
「涼ちゃん、?ねぇ…起きてよ…?」
違うじゃん。約束と違うじゃん。
鉄のような血腥い匂いとともに
海のような死臭が鼻を突き刺す。
涼ちゃんのあのお花のいい匂いは
何処にもない。
..あれ、?まって….、?
昨日の..昨日の『夢』って….
丁度、苦しんでた時間…、?
あの「元貴」は
助けを求めていた声…、?
ぎゅっと抱きしめた後、静かになったのは
俺の服に顔を密着させたせいで
呼吸がままならなくなったから…、?
じゃあ..死んだのは…..
「抱きしめてても、離していても…
どっちにしろダメじゃん….
居なくならないって言ったじゃん..」
殺してくれ。
この殺人鬼を殺してくれ。
最近短編集の身軽さと楽しさに気が付きました。
儚い系にもハマり、書きまくって スッキリです。
多分これからこのような投稿多くなります。
いや、多分飽き性なので続かないかも…
呼んでくれてありがとうございました🙇♂️