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「きたみん〜、明日遊ばない?収録とか無いでしょ?」
「明日?わりぃ、明日はちょっと予定あって無理だわ。」
「「えっ」」
友人を遊びに誘ったら断られた。
しかも、予定の内容を教えてくれないとまである。
「分かった、じゃあ魁星と2人で遊ぶわ。」
「遊征、また別日に遊び行こな。」
「…うん!」
…約束をしただけで、見えるはずのない犬の耳がぴょんぴょんした気がする。
とまあ、そんなことは置いておいて、翌日。
「ネス〜待った?」
「魁星、そんな待ってない。」
「良かった〜、ほな行こか。」
「うん。あっちのショッピングモールで良かったんだよな?」
「そそ、服とか色々買いとうて…」
「?」
「…ネス、あっち。」
急に声を潜めた魁星が指を向けた先には、見知った茶色の髪がいた。
「…きたみん?何してんだ?待ち合わせ?」
「…いや、誰かと話しとらん?」
「…確かに、オレらに背中向けてるからわからんけど、誰かと話してる…?」
「…め…って!………た…ら、………!」
「でも!…………た……………よね!」
「…女の人…?きたみんに隠れて見えないけど髪長そうだし。」
「逆ナン…?それとも…」
「…デート?」
「いやいやまさか遊征に限って」
「あっ歩き出した。」
「…あれって…」
「…栞葉さんに似てない?」
「せやな…」
「…そっか、きたみん…」
「…ま、お邪魔するのもあれやし、わしらはあっち行こうや。」
「…だな。」
「…で?
おれと、栞葉さんが、付き合ってる?」
「ちょっと!そんな訳無いでしょうが!」
「あっはっはっはっは!!」
「す、すませ…」
「いやでも悪いのは思わせぶりなこと言ったきたみ」
「ネス?」
「アッハイ」
「…まったく、いいですか?私は、兄の誕生日プレゼントを買うのに、アドバイスをもらおうと思っただけなんです!なのにデートだなんて…」
「そうだぞ!おれと栞葉さんが付き合うとか一切ねえから!」
「…まぁ、この間北見さんが収録の時に馬鹿やった尻拭いのお礼とも言うんですが。」
「あっちょっ、それは言わないって…!」
「ま、クレープもご馳走になりましたし、これくらいで許してあげますよ。では、私はこれで失礼しますね。」
「また今度〜」
「さいなら〜」
「えっあっバイバーイ!」
「…栞葉さんのお兄さんって、葛葉さんだっけ。」
「そういえばそんなのあったな」
「いや、違うからね!?…多分。」
「ま、オレ達も帰るか〜」
「せやね。」
「…!なあ、この後ラーメン食い行かん!?」
「しゃあなしやなぁ」
「きたみんの奢りね」
「えぇっ!?」
きたるりはいいぞ