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今朝、大阪市内某所。
いつもと違う手段で職場に向かう。電車を降りて、改札を間違えて、駅員に謝って出場証を発券してもろて、無事駅を出る。
歩道を歩いていると、そこで生活をしているらしきおっちゃんが、唐揚げ弁当をもりもり食べ始めた。さっきまで小雨が降っとったっちゅうのに、屋根のない所で。
家がないのに、わたしよりええもん食べとる。「住」より「食」を取ったらしい。しかし、万博開催までには引っ越さざるをえんやろう。
おっちゃんには、「103万の壁」は関係ないのやろう。わたしにも関係ないが。
おっちゃんの住まいには壁はないが、わたしのには一応壁がある。薄い。薄いが一応ある。
隣のネェちゃんが、いつも深夜に帰ってきて扉を乱暴に閉めるので、少し振動がする程度には薄い。薄いが、一応壁はある。
仕事上の人間関係で壁を感じる。あえて、壁をつくってしまうこともある。
唐揚げ弁当を頬張るおっちゃんには、その壁もなさそうである。恐らく壁ができるような仕事も人間関係もないであろうから。
安部公房に『壁』っちゅう作品があるのを思い出した。あるのを思い出したが、内容が思い出せない。前衛的過ぎて、自分には理解できひんかっただけかもしれん。安部が、ピンク・フロイドの大ファンと知って納得した。
路上で唐揚げ弁当を頬張るおっちゃんには、安部公にも、ピンク・フロイドにも縁がないかもしれんけど、存在自体が前衛的な気がしてきた。
幼少の頃、貧しさのあまり草を食べていたと話していた風間何某という俳優の方が、困窮具合が正統派のような気がしてきた。