注:プロローグの続き
ゴゴゴゴ…
揺れている中、足音が聞こえる。
月星
「お姉ちゃんッ!」
音
「月星!」
奏
「月星…」
少しホッとしながら、月星をハグする。
月星
「ど、どうするの⁉︎」
奏
「…この位置なら、外に出る方が安全やね」
音
「けど、こっからドアは遠くない…?」
奏
「おん、遠い。」
「多分物落ちてるし大分危ないわ」
そう言うと二人が眉を寄せる。
月星
「じゃあどう…?」
奏
「もーちろん」
笑って見せながら、地面を指差す。
奏
「降りんだよ、こっから下に」
音・月星
「…え⁉︎」
愕然とする二人を横目に見ながら、
下を見下ろす。
こんぐらいならいけんな…
音
「こ、ここ二階だよ⁉︎」
奏
「大丈夫大丈夫」
そう流しながら月星を抱き抱える。
ヒョイッ
月星
「わ」
奏
「音、あそこの木つたって降りんぞ」
音
「えッ」
奏
「“勇者”の時はしてたろ〜?」
軽く笑ってそう言うと、
音は諦めを混ぜた溜め息をつく。
音
「…分かった」
奏
「じゃ、初め」
ラベンダから跳び、木の太めの枝を掴んで
その少し低い部分に飛び乗る。
スタッ
丁度前にあった蔓をつかみ、地面へ降りる。
ストンッ
後ろを見ると、
音も同じようにして降りていた。
音
「久しぶりにこんな
アクロバットな動きした…」
奏
「そこは同じよ〜」
月星
「…勇者…?」
不思議そうに月星が呟く。
そいや言ってないか…
トタトタ…
??
「…奏。」
急に名前を呼ばれ、後ろを振り向く。
奏
「お、朧月やん!」
手をひら、と振って呼び寄せる。
朧月
「無事だったか…」
安心した様子で駆け寄る朧月。
音
「…どうかした?」
朧月
「何か目が変でな…」
奏
「変?」
朧月
「何故か、一部の人に色が見えるんだ。」
奏
「…色?」
朧月
「今ほとんど蒼色と、偶に赤色だな…」
「…奏は緑色だが。」
奏
「…ア”〜…」
思わず唸り声を出しながら、
考え込む。
色が見える…なぁ…
…多分、蒼色は悲しみやろ。
赤は…怒りか?あとは焦りとか…
緑…かっくじつに楽しみやな。
今楽しんでるもん。
まあ、肝心なのは、その力は…
奏
「…“能力”か…?」
だが、そしたら…
今私らがいるのは、“あの異世界”て事に…?
奏
「…ぁ…」
ふと、上を見やる。そこには…
二つの月が浮かんでいる。
奏
「…ほぼ確やんけ…」
そう零す。
一応の確認…
奏
「…」
「…三人、一旦離れてや」
音
「?うん」
三人が数歩引いたのを見て、手を出す。
奏
「…」スーッ
「【召喚:聖剣】」
ズズ、と虚空が割れて二つの柄が現れる。
奏
「…」
「…あーたりやん…」
呆れ八割驚き二割の溜息を吐き、
驚いている三人の元に歩み寄る。
音
「…奏、今のって…」
奏
「…ここで皆に新情報だ」
「この世界…」
「異世界と繋がったらしい」
内容が短い☆
終わりです〜
次回は異世界組出します!
では、バイ詩乃〜
コメント
5件
まじで楽しみ…そして最高