テラーノベル
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(大晦日の夜・ルナの家のバルコニー)
遠くから除夜の鐘の音が聞こえてくる。
ルナは厚手の毛布にくるまって、隣に座るハルトと肩を並べていた。
ルナ:「あと数分で2025年も終わりだね……。今年はハルトと付き合えて、本当に最高の一年だったなぁ」
ルナの紫色の猫耳が、寒さで少し震えている。
ハルトは自分のマフラーを広げて、ルナの首にも一緒に巻きつけた。
ハルト:「……俺もだよ。お前に振り回されてばっかだったけど、退屈しなかった」
ハルトはそう言いながら、温かい魔法瓶からカップに飲み物を注いだ。
湯気と一緒に、甘い香りが広がる。
ルナ:「あ、これって……!」
ハルト:「年越しそばの代わり……じゃねーけど、『特製はちみつジンジャーティー』だ。冷えるから飲んどけ」
ルナ:「わぁ……! はちみつだぁ! いただきまーす!」
ルナが一口飲むと、生姜のピリッとした刺激とはちみつの優しい甘さが体中に染み渡る。
ルナ:「んむ……おいしい……。ねえハルト、2026年も、私にいっぱい美味しいはちみつを食べさせてくれる?」
ハルト(少し照れくさそうに、でも真剣に):「……ああ。お前が『食べたい!』って言う限り、いくらでも用意してやるよ」
ルナ:「約束だよ! 2026年も、その先も、ずっとずっと一緒だよ!」
5、4、3、2、1……「ハッピーニューイヤー!!」
遠くで上がるカウントダウンの花火が、ルナの紫色の髪とはちみつ色の瞳を明るく照らす。
二人はカップを置いて、どちらからともなく手を繋ぎ直した。
ここで「第一部・完」
つづく
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