テラーノベル
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雪村 麻耶🦇🩷 。🦅🖤
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#SixTONES
その日の仕事は、朝から忙しかった。
予定していた作業がなかなかうまく進まず、奈海は何度も資料を確認していた。
「……あれ?」
奈海が小さく呟く。
「どうした?」
ジェシーが隣から覗き込む。
「ここ、私が数字間違えてる……」
「ほんと?」
「うん……」
奈海は少し落ち込んだ。
「みんなに迷惑かけちゃったな……」
「奈海」
ジェシーが声をかける。
「そんな顔しないで!」
「でも……」
「大丈夫! 誰でも間違えるって!」
ジェシーは笑いながら言った。
「俺なんて、この前もっとすごい間違いしたから!」
「え、なにそれ(笑)」
「聞きたい?」
「聞きたい(笑)」
ジェシーは少し大げさに、自分の失敗談を話し始めた。
「それで俺、スタッフさんに――」
「ふふっ」
奈海が笑う。
「ほら! 笑った!」
「ジェシー、ほんと面白い(笑)」
「でしょ?」
「うん。ちょっと元気出た」
「ならよかった!」
ジェシーは嬉しそうに笑った。
でも。
奈海の笑顔を見た瞬間。
胸の奥が、ふわっと温かくなった。
――この笑顔。
もっと見たい。
そう思った。
***
仕事が終わったあと。
7人で帰る準備をしていた。
「奈海、もう大丈夫?」
ジェシーが聞く。
「うん! もう大丈夫」
「よかった!」
「ジェシーのおかげかも」
「俺?」
「うん。笑わせてくれたから」
奈海が笑う。
「ジェシーって、昔から私が落ち込んでると笑わせてくれるよね」
「……そうだっけ?」
「そうだよ」
「まあ……」
ジェシーは少し照れながら笑った。
「だって、奈海が笑ってるの好きだから」
「……え?」
奈海が目を丸くする。
「……」
ジェシー自身も固まった。
「……今の、なし!」
「え、なんで?(笑)」
「なんでもない!」
ジェシーは慌ててその場を離れた。
***
一人になったジェシーは、廊下で立ち止まった。
「……俺、何言ってんだよ」
自分でも驚いていた。
ただ、昔から大切な幼馴染だった。
奈海が笑えば嬉しかった。
落ち込んでいれば笑わせたかった。
でも。
それだけじゃない。
「……俺、奈海の笑顔、ずっと見てたいのかも」
ジェシーは小さく笑った。
そして、少しだけ恥ずかしそうに呟く。
「……俺も、奈海のこと好きなんだ」
――7人の中で。
また一人。
新しい気持ちに気づいた。
コメント
1件
第17話、読み終えました! 「奈海が笑ってるの好きだから」——ジェシーがあの一言を口にした瞬間、思わずにっこりしてしまいました。自分でも驚いて慌てて離れるところとか、一人になって「ずっと見てたい」と気づく流れ、すごく好みです。幼い頃から変わらない奈海への想いが、自然に「恋」だと自覚する瞬間の描き方がとても繊細で素敵でした🌷