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13 最後の花火大会
「あ、さもくんやっぱりここで待っててくれたんだ。」
公園に着いたとき、私・ななっしーはさもくんに声をかけた。
さもくんは触っていたスマホから手を離してこっちをみた。
「あぁ、ななっしーか。」
「お待たせ、行こっか。」
私がいうとさもくんは静かに頷いた。
「わぁ___美味しそう!」
私がリンゴあめをみているとさもくんが「いる?」と小さくいってりんご飴を手渡してきた。
「え、いいの!」
「もちろん。」
さもくんはいつも気遣いがきく。
そんなところが私は大好きだ。
___それから私なんかと友達になってくれて。
私に何かあったら、1番に飛んできてくれて。
そんなところが私は大好きだった。
さもくんの事。きっとこの世で1番、誰よりも私が1番。
「大好きだ。」
私の生前に言えなかった言葉は祭りの音にかき消された。