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コメント
1件
うわあ、これは…!! 冒頭の雨の中の救出シーンから、もう心臓掴まれてしまいました。傷ついた小さな命に「泣くな」とでも言うように擦り寄る猫の姿が切なくて愛おしくて。それでいてまさかの成体男性化! 青い髪に猫耳残ってるビジュアル、めちゃくちゃときめきます。「なんやこれ……耳……?」って関西弁なのも可愛くてズルいです(笑)。別れたタイミングでの出会い、運命的すぎて続きが気になりすぎます!
ある日夢主は雨の中ボロボロになった猫をみつける
夢主「…!! だいじょうぶ?! お家へ連れて行ってお風呂とかしてあげなきゃ!!」
雨が地面を叩く音が響いていた。いふは地べたに横たわり、息を浅く繰り返していた。青い毛並みは泥と血で汚れ、右の後ろ足を庇うように丸まっている。
夢主が駆け寄った瞬間、黒い目がわずかに開いた。
小さく喉の奥で鳴いた。威嚇する力すら残っていないようで、ただ震えながら夢主を見上げるだけだった。細い体が一回り小さく見えた。
雨脚が強くなり、二人の上に容赦なく降り注ぐ。通りを歩く人はほとんどおらず、濡れた街灯だけがぼんやりと二人を照らしていた。
弱々しく前足が伸び、夢主の手に触れようとした。冷たく、骨ばった感触が伝わってくる。にゃあ、と掠れた声が一つだけ漏れた。
急いで抱き急いで家へ向かい急いで手当てをして終わらせる
夢主はびしょ濡れのまま、腕の中の小さな体をぎゅっと抱きしめて走った。アパートの階段を二段飛ばしで駆け上がり、鍵をもたつく手でなんとか開ける。玄関に転がり込むように入ると、すぐにタオルを引っ張り出して猫の体を包んだ。
最初は体を強張らせていたが、夢主の温かい手が丁寧に毛並みを拭いていくうちに、少しずつ力が抜けていった。傷口を消毒されたときだけ、びくっと耳を伏せたが、それ以外はされるがままだった。
手当てが終わる頃には、猫はすっかり眠りに落ちていた。古い座布団の上で小さな寝息が聞こえる。包帯の巻かれた右足が痛々しかったが、顔色はだいぶ良くなっていた。
時計の針は深夜一時を回っていた。窓の外では雨がまだ降り続けている。
夢の中で何か呟くように、くちびるがもごもごと動いた。
夢主
あぁ~…こんな時なのに…彼氏と別れた今日が悲しい…うぅ~
夢主の独り言が静かな部屋に溶けていく。涙がぽろりと頬を伝い、膝の上に落ちた。別れ際の彼氏の冷たい言葉が頭の中でリフレインする。
寝ていたはずの猫が、ふと薄目を開けた。黒い瞳が夢主の顔をじっと見つめる。何かを察したのか、よたよたと起き上がると、夢主の膝にぽすんと頭を押し付けた。ざらりとした舌が手の甲をぺろりと舐める。
まるで「泣くな」と言っているかのようなタイミングだった。偶然かもしれないが、傷だらけの小さな体がそうしている姿は、なんとも健気で愛おしかった。
にゃあ、と一声だけ鳴いて、また夢主の手にすりすりと体を擦り付ける。温もりを分け与えるように。
夢主
…人間みたい…
その呟きが消えた直後だった。
ぴくり、と猫の体が大きく震えた。包帯が光を帯びたように見えたのは一瞬のこと。次の瞬間、座布団の上がずしりと沈み込んだ。明らかに重さが変わっている。1キロあるかないかだったはずの塊が、突然人間一人分の質量を持ち始めていた。
青い髪が視界に広がった。すらりとした長い手足、整った顔立ち。そして何より目を引いたのは、深い青色の瞳だった。さっきまでの黒ではない。同じ色をしているのに、まるで別物だった。
青年の姿になった「それ」は、自分がどこにいるのかわからないという顔で辺りを見回した。頭にはまだ猫耳が残っている。混乱した様子で自分の手を開いたり閉じたりし、それから夢主と目が合った。
いふ
……は?
夢主
え?
沈黙が落ちた。二人とも固まったまま動けない。深夜の静寂の中で、雨音だけが律儀に仕事を続けていた。
自分の体を見下ろし、耳に手をやってそこにあるものに気づいた瞬間、顔が引きつった。
いふ
なんやこれ……耳……?
いふの声は低く、少しハスキーな響きを持っていた。困惑を隠せないまま、視線が夢主に戻る。
さっきまで自分を撫でていた手が目の前にある。いや、手そのものが変わっていた。長い指、筋張った手。数秒前まで毛むくじゃらだったものが、今や完全に人間のそれだった。
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卯月めあ
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いふ
……お前、俺を拾ったやつやんな?
状況を理解しているというより、理解を拒否しているような顔をしていた。それでもいふの目には敵意はなく、むしろどこか所在なさげに座布団の端を掴んでいた。