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🎼📢🌸 お泊まり。〜後日談〜
翌日。
「らん起きろー」
「ん”ー…」
身体をゆさゆさ揺すられる感覚。
いるまのとこに泊まりにきている身としては、いつまでも寝ているわけにはいかないってことはわかっている。
けど、眠いものは眠いわけで、なかなか目を覚ませないでいた。
「もう起きないと遅刻だって」
全然起きない私に痺れを切らしたのか、焦った声が耳元で響いた。
…え、遅刻っ!?
もうそんな時間だっけ、それはやばい!
「…ぇ、うそっ?」
「嘘。はい、おはよ」
「…はいっ?」
焦って身体を起こすと、いるまは当たり前のように涼しい顔で笑っている。
「…え、嘘?」
「嘘だよ。全然起きてくんないから焦らせてやろうと思って」
……最悪の目覚めだ。
自分で起きなかった私が悪いのはわかってるけど、せめてもの抗議として軽く一発パンチを食らわせておく。
それでもノーリアクションのいるまが、ふいにベッドに手をついてぐっとこちらに近づいた。
「まぁほんとは…キスで起こしてやろうかと思ってたんだけど」
耳元で囁かれ、彼の吐息が耳を掠めた。
そのせいで、一瞬にして昨日の記憶が蘇ってくる。
_____明日、約束ってことで?
そういえば宣言されてたんだった。
思わず頬が熱くなってしまう。
「もうっ!冗談やめてっ!」
今朝の目覚めはさいあくだ。
……ほんとに、、
「ぅすー」
「おはよ〜」
ふたりで並んで教室に入り、隣り合った席に荷物を置く。
「お、今日はふたりで来たんですか〜っ??」
にこにこ…というよりニヤニヤとした顔で出迎えてくれるいつメンたち。
まあね、と曖昧に誤魔化すと、いるまはけろっとした顔で悪びれもなく口を開く。
「らんが泊まってたから。家から一緒」
「え、ちょ、なんで言っちゃ!」
「家にひとりが怖かったんだもんなぁ?笑」
「あーも!余計なことまで言わんでいい!!」
ふっといじわるく笑う彼がぽんぽんと頭を撫でてくる。
いやここ、みんなの前だっつーの!!
普通に恥ずかしいし。なっちゃんなんて、カメラ構えてるし。
ほんとにやめてほしい。
やめろと言わんばかりにいるまの手をちょいちょいと手で払いのける。
すると、逆にぎゅっと手を掴まれてしまった。
「え、」
思わぬ行動につい顔をあげると、そのままぐっと引き寄せられる。
______え、キスっ?ここでっ!?
まさかとは思いながらも、軽くパニックになって、とっさに目をつむってしまう。
「…ん、よし」
「…はいっ?」
口に伝わる感覚はなくて、代わりに触れられたのはひとつに結んだ髪だった。
「リボン曲がってた」
「……そりゃどうも」
いや紛らわしいんだよっ!!
「あーやっと終わったぁっ」
4限目が終わり、ようやくお昼の時間だっ!
いつも通り、私といるまのまわりに6人で集まる。
「らんらんって美味しそうにたべるよなぁ」
「んふふっ」
みこちゃんがのんびりと笑ってくれる。
ふんわりした雰囲気につられて、私まで笑顔になっちゃう。
「…らん」
ふいに名前をよばれてぱっといるまに目を移す。
なんかすごいじっと見られてて居心地が悪い。
「な、なに?」
聞き返すと、無言で距離を縮めてくる。
そっと口元に触れてきて……
え、まって、そういうこと、!?
絶対今じゃない!と思った瞬間。
「…………米、笑」
「あぁ…お米ね」
すごい拍子抜けなんですけど。
じとっといるまを見つめると、いじわるっぽく笑ってる。
絶対、私が”約束”気にしてるのわかっててやってるじゃん!!
もうこれは確信犯ですよねっ!?
あれからもいるまにちょくちょく遊ばれた。
遊ばれるだけでほんとにされることは無かったから、冗談だったんだろうなと思ってはいるけど。
ほんのちょっとだけ…期待してたのにな、なんて。
「あ、そうだ。泊まり用に持ってきたやつ回収するだろ?」
「あ、うん!」
複雑な気持ちを抱えながらも、いっしょに帰るついでにいるまの家に寄っていくことにした。
「ただいま〜」
「…っ、/」
たまに遊びには来ていたいるまの部屋も、一晩ですっかり自分家みたいになった気がする。
なんかあったらまた泊めてもらお、なんて呑気なこと考えながらリビングに入ると。
「…っ、らん」
「ん?…んわっ!?」
いきなりぐいっと手首を引っ張られて、気づいたら壁に囲い込まれていた。
「ぇっ…?」
驚いて顔をあげると、いつになくまっすぐに見つめてくる彼と目が合う。
頬が赤らんで、瞳は熱っぽく揺れていて。
いるまがこんな顔するなんて、知らなかった。
「…っおまえ、かわいすぎんだよッ…!冗談で済まそうと思ってたのに、耐えらんねぇッ…」
そっと頬に触れられて、いるまの息遣いが近づく。
「…”約束”、いい…?」
かすかに震えた声。
この状況で緊張してるのは私だけじゃないらしい。
いつもと雰囲気の違ういるまにどきどきしながらも、こくっと頷いた。
いるまは小さく微笑むと、ちょっとだけ目を逸らしてから再び目を合わせてくる。
それから、ゆっくりと近づいて____
唇が重なった。
触れたところから、じわじわと熱が広がっていく。
きっといま、顔真っ赤になるの、抑えられてない。
「っ//」
今日一日ずっと焦らされてきたキスを、ついに交わしちゃった。
恥ずかしくて、ありえないくらい心臓が騒いでいて。
まともに顔、見られない。
「やべぇ、止めらんねぇ」
もう一度唇が触れ合った。
積極的ないるまなんて珍しくて、こんな一面があったんだ、ってびっくりだけど。
そんなの嬉しくないわけない。
だって好きな人だもん。
ずっとずっと好きだったから。
「……かわいいっ…//」
離れたあと、ぎゅっと強く抱きしめられる。
ちらっと見えたいるまも、私の熱さと同じくらい赤かった。
「なぁ」
私の肩に顔を埋めたまま、話しかけてくる。
「今日も泊まっていかね…?」
「ん…?な、なんで…?」
ちゅ、と首筋にぬくもりが落とされた。
「このまま、ずっとらんとキスしてたい……」
そんなの、ずるいじゃん。
甘えたような声で言われたら断れるわけないし。
うれしくなっちゃうに決まってるじゃん…!
「ん…いいよ」
するっといるまの首に腕を回す。
いるまは驚いたように目を大きくして、ふわっと笑った。
「…すきだよ」
「わたしもっ…!」
にこっと笑ってみせると、ちゅっと軽いリップ音をたてて口付けが落とされる。
何度も何度も重なって。
そこには、幸せだけが満ちていた。
コメント
1件
ちょっと補足です! 家帰ってきてから📢くんが我慢できなくなっちゃったのは、 自分家みたいに入っていくのがいっしょに住んでるかんじがしたから っていうイメージです (わかりにくすぎる)