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なんかもういろいろ最高すぎてなんで伸びないのか謎です🥲💗
「 小柳君。俺と海に行きませんか?」
急な質問だった。
任務が終わった帰り道。
急にこんな質問をされた。
「 …海 」
「 はい!海です! 」
海、海なんて行ったことあったか…?
あぁ、あるか。
あの時は急に海の家の手伝いさせられて…
「 それとも、俺と行くのは嫌ですか? 」
「 べつに、お前と行くのが不満な訳じゃないが。 」
なんか今日こいつすごく面倒臭い。
面倒臭い彼女って感じがする。
「 お前、失恋でもしたのか? 」
「 …… 」
星導はとてつもなく驚いた顔をしてた。
目を見開いて、驚いてた。
「 なんでですか? 」
「 いや、急に海に行くとか言い出したから。 」
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hsrb Sid
「 お前、失恋でもしたのか? 」
「 ……… 」
全部、見透かされてた。
失恋、まだ確定した訳じゃないから失恋と呼べるかはわからないけど。
失恋、まぁ失恋…?
曖昧だった。
でも、驚いた。
やっぱり小柳君は俺の心が読めるみたいだった。
「 なんでですか? 」
「 いや、急に海に行くとか言い出したから。 」
へぇ〜、人間は失恋した時は海に行くんだ、俺も人間だけど。
「 なんで、失恋したら海に行くんですか? 」
「 なんか、失恋したら人間は母親の腹の中に戻りたいって思うらしい。」
「 で、腹の中を思い出すために、母親の腹の中に似てる海に行くんだって。 」
へぇ〜、人間じゃないのに、よく知ってるなぁ、小柳君は。
「 でも、俺は記憶がないから母親のお腹の中なんて、思い出せそうにもないです。 」
「 確かにそうだったな。」
「 あ、もう気づいたら家の前ですよ!夕日が降りてて空が赤い、丁度いい時間です。」
「 一緒に海、行きましょうよ 」
「 …あぁ、」
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kyng Sid
「 わぁ、綺麗! 」
「 ……、」
ずっと、星導が嘘っぽく見える。
いや、いつも虚言癖であんま信用してないけど。
さっき失恋したか聞いた時不自然に驚いてたし、
「 小柳君? 」
「 ……、お前、何もないのか? 」
「 今日、小柳君なんか親切ですね。新鮮〜 」
「 一言余計 」
「 なんでこんなところで抜刀するんですかやめて 」
「 何でもないって言ったら、正直嘘になりますね。 」
「 なんだ。やっぱりそうだったのかよ 」
「 でも、別に俺の思い込みだったし。 」
星導は近くの階段に座って、内股になり足の間で手を弄り始めた。
「 …、きっと俺、失恋したんだなって 」
「 ……、なんだよ、失恋してたのかよ 」
星導らしくないな、と思ってたら、星導は少し涙目になって、話し始めた。
「 俺、小柳君が好きなんですよ、好きだって、言ってくれますか…? 」
あーあ、面倒臭いやつ。
「 なんで振られると思ってたんだよ。」
E N D .
『 失 恋 な ん て 思 い 込 み 』