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──ガレージへ車を停めて邸内に入るなり、勢いよく玄関のドアを開け放って華さんが走り出て来た。
「まぁ朝帰りなんてされて、お二人で! 本当にもう、陽介様と来たら、何てことで……!」
間髪を入れずまくしたてるのに、
「いや、華さん。朝帰りと言っても、夕食に付き合ってもらっただけだから」
蓮水さんが、そう口を挟んでなだめた。
「お夕食に? だったらどうして、朝にだなんて。この私に隠しごとをされるんですか?」
華さんから怪訝な眼差しが向けられ、二人揃って問い詰められる。
「……。……どうやら私が、酔っ払ってしまったらしいんだ……」
昨夜の状況をどう説明すれば華さんにわかってもらえるんだろうと思い悩んでいると、蓮水さんが頭を掻いて困ったようにも口にした。
「なんて不甲斐ない……!」
華さんから一言が飛んで、
「いや、その……アルコールにはあまり強くはないものだからな」
蓮水さんがますます困っているのを見かねて、
「本当に、酔って寝ていただけですから」
横から助け舟を出したつもりが、「寝て……って、まぁ!」と、華さんが口に手をあてがって、かえって場をこじらせるようなことにもなってしまった……。