テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
……あぁ……アメリカさん。
貴方は何故そこまで美しいのでしょう。
泥の中に咲く蓮のように。
姿。匂い。声。温かさ。性格。
貴方の全てが愛おしいです。
時が止まったかのような珈琲店の中に2人。
カチ…カチ… と時計の音だけが響く。
深海の中かのような静かさで、
貴方の心臓の音まで聞こえてしまいそうだ。
珈琲の匂いとほんのり香り、
貴方の心地よい香りが 微かな安らぎです。
……とても、落ち着きます。
ずっと貴方とこのままでいたい。
いえ、これ以上の関係性が良いでしょうか。
つまり、
毎日アメリカさんに起こしてもらう……
……っ〜!!憧れちゃいます……!
いえ、起こす側も良いでしょうか。?
……そんな曖昧な妄想の中、
私の鞄の奥底にずっと前から入れている
純白のハンカチと 強度の睡眠薬が深く眠る。
……ダメですよね。思い切らないと。
冷めかけた、珈琲をすすりながら、
私は思った。
貴方は私の視線に気づく様子もなく、
スマホに意識を奪われている。
何を見ているのでしょうか。
きっと私以外の誰かと
メールをしているでしょう。
今この瞬間も貴方を私から引き割こうと
しているのでしょう。
そう思うだけで胸の奥にドロリとした、
黒い感情が広がっていくことが分かった。
これでは何も進めませんよね……
少し話しかけてみましょうか。
……何言いましょうか……?
日 「…ここの珈琲…
とっても、美味しいですね!」
私は震える声を精一杯整えて、
貴方に話しかけた。
…何聞いてるんでしょうか、
私は わざわざ多忙な貴方の予定を邪魔して、
遊びに誘ってこんなにも
しょうもないお話しかしていません。
現に、貴方は暇しています。
きっと今も私以外を意識しています。
嗚呼。自分が憎い。
米 「……あぁとっても美味しいな。
こんなにも美味しい珈琲久しぶりだ。
ジャパンと飲んでるからか?
なんちゃって……はは。」
脳裏にその言葉が大きく響く。
嗚呼。やはり貴方は私の天使だ。
私を狂わせる天才だ。
その笑顔が私の心を
飛び跳ねるように震わせる。
日 「……っ!!」
米 「まあ、半分本当だぜ?はは。
今日はわざわざありがとうな。
誘ってくれて。
こう見えて俺、結構暇なんだぜ?へへ」
……は、はは……本当に……
貴方には本当に。溜息しか出ません。
目の前には貴方を監禁しようとしている
悪魔 がいるんですよ?
なのに……貴方はそんなに健気に。
嗚呼、いい意味で馬鹿です。本当に。
全て、なぜ貴方は私の思い通りの行動しかしないのでしょうか。 でもそこが大好きです。
米 「……んだよ。黙り込んじゃって。
ほら…お前口にクリーム付いてるぞ? 」
そう言い、アメリカさんは僕に向かって
机を乗り出し、
ティシューで私の右唇を優しく拭く。
そうして、アメリカさんは私の心の葛藤など
露知らず、悪戯っぽく微笑んだ。
……え?
ふんわりと。 貴方の 爽やかで、
包み込まれるような匂いが
私の頭中を支配する。
私の心臓がドクドクと暴れ始める。
……馬鹿だ。本当に。
私を喜ばせるのが上手ですね。
今すぐ私の睡眠薬で眠りたいのでしょうか?
今、 その高いお鼻に
ハンカチを包む事だってできますよ?
そんなちゃっちいティシューと違って。
私は思わず。鞄に手を突っ込み、
冷たい睡眠薬を握る。
…………でも…。
この日常が終わるのでしょうか……?
……はあ…今日もダメそうだ。
睡眠薬の瓶をふらっと見る。
……もうすぐ消費期限が切れそうだ。
いつから鞄の底で眠っているのでしょうか。
健気そうな貴方とは真反対な存在ですね…
なんっつって……へへ。
米 「……っ〜!美味かった。それじゃあ、
ジャパン。こっからどっか行くか?」
貴方は珈琲を飲み干し、健気に言う。
元気そうで何よりです。
日 「…そうですね〜。
何処か、行きたい所でもありますか?」
……はあ…今日もダメでした。
…いえ、まだ遊ぶのですから。
米 「じゃー…俺ん家でも遊ぶか?
…なんも無いけどな。」
そう言い、貴方は少し照れくさいように
肩を揺らし苦笑いを浮かべた。
……アメリカさんの家……!
これまで何度か個人的に入ったことは
ありますが、貴方と2人きりで
入るのは初めてだ。
日 「是非!行きたいです…!」
私の声が少し上ずってしまったかも
しれません。それにしても。、
……何故貴方はこんな、私の思い通りに行動
するのでしょうか。まるで神が私に味方して
いるかのように。不思議です。
米 「分かった。
じゃ、ここから近いから行こうぜ。」
彼は席を立ち、私に背を向けた。
その広い背中を眺めながら 、
私は鞄を固く握りしめ、
彼の後を追った。
日 「_わ〜!とっても広いお家ですね!」
アメリカさんの家のリビングに
足を踏み入れた瞬間、
私は感嘆の声を上げた。
——何度も、何度も来ている家。
どの部屋に何があり、 どの引き出しに何が
入っているかまで知っている家。
けれど、私は今日、生まれて初めて
ここに来た「ただの友人」の振りを、
完璧に演じてみせた。
……あぁ、とてもいい匂いだ。
アメリカさんの匂い。
なんて言えばいいでしょうか。
……でも、主がいるだけで、
匂いが全然違いますね……
米 「……さ、ちょっちょと
靴脱いで上がっちゃってくれ。
そしたらリビングでも行こう。」
貴方は、自分の靴を雑に脱ぎ捨てると、
ズンズンと廊下を進んでいく。
私は、その靴を愛おしく思いながら、
丁寧に靴を揃え脱いだ。
……あぁ今、今がチャンスでしょうか。
私にその広い背中を見せて。無防備ですね。
こんなちっちゃい私が貴方に牙を剥くなんて
微塵も思っていないでしょう。
…でも…ですよね。
貴方は私に対し好意的に
接してくれていますし……
……でも。
…まあ、後ででも良いでしょう。
逃げ場は何処にもないですし。
そんな貴方は、私の思考を知る由もなく、
リビングの扉を開ける。
米 「じゃ、どっかソファーでもいいから
座っててくれ。」
私は綺麗に整頓された白いソファー の
端にちょこんと腰をかけた。
……ふぅ〜。
と、緊張と、興奮の入り交じった吐息が出る
貴方はキッチンに行き、
冷蔵庫を開け閉めしたり。
コップを出したりしている。
私のために何か作ろうと
しているのでしょうか。
米 「…紅茶。飲めるか?」
そんな優しい声が聞こえてきた。
……嗚呼、やはり貴方は優しいですね。
日 「全然!大好きですよ。」
そんな言葉を貴方に言えたら……なんて。
…馬鹿馬鹿しく感じてきました。
……ほんのり、優しいレモンっぽい匂いと、
アールグレイの匂いが香ってきた。
カランカラン。と混ぜる音も聞こえてくる。
……全然、アメリカさんが居るかいないかで
このの家の雰囲気が変わりますね。
米 「……ほら。できたぞ。
なんも無い家だけど、楽しんでくれ。」
貴方はそう優しく言い、
私の前に琥珀色のグラスをテーブルに置き、
貴方も向かいの椅子に腰をドガッと座った。
日 「わざわざありがとうございます…!
是非いただきます。」
ああ、紅茶に入れた砂糖のように
貴方に溶けてしまいそうだ。
……早速頂きましょう。
……おお…美味しい。
アールグレイの華やなな旨みはもちろん。
爽やかさもあって、とても飲みやすい。
…ちょっと、苦いですかね…?
言い例えるなら……うーん。
科学的な苦味が…しますね。
まあ、お茶ですから。苦いのは当然です。
むしろ、美味しいです。
日 「……美味しいです!本当、ただの友達
に、こんな至れり尽くせりなことを
して貰って……。」
米 「……全然。構わないぜ。ふふっ。」
貴方はソファーに深く背を向け、
満足気に微笑んだ。
……あぁ。紅茶に睡眠薬入れて、
眠らせるのも良いですね。
今日のカフェだって、そう出来ましたね。
毎度毎度チャンス逃していて……
勿体ないですね
自分の詰めの甘さを少し反省した。
……あぁなんだか落ち着いてきました。
ソファーに吸い込まれそうだ。
視界が少し、ゆらり、と揺れた気がした。
米 「……っと…… 」
貴方は私の座っているソファーのすぐ横に、
深く腰を下ろした。
米 「……お。全部飲んだか?早いな。
喉でも乾いていたか?」
貴方は空になったグラスを覗き込み、
満足そうに目を細めた。
日 「……美味しかったです。
…でも不思議ですね。
カフェで食べてから、
なんだか眠気に襲われてしまって……」
私の声が自分でも恐ろしい程に低く、
掠れていまっていた。
瞼が重い。
まるで鉛を流し込まれたかのような倦怠感。
それが足元からじわじわと這い上がってくる
感覚がする。
米 「ははっ。そうかそうか。
なら良かった。」
……なら良かったって…
私の話聞いてましたか……?
私の体調を案じるどころか、
どこか目的を達成したかのような響き。
…もしかしたら、満足して、 リラックス
しているのを、彼なりに
喜んでいるのでしょうか。
本当に貴方は能天気だ。
そんな私の思考を断ち切るように、
貴方は私の肩に太い腕を回し、
耳元で低く囁きました。
米 「……なぁ。 バックの中さ、見して 。」
心臓が、一瞬だけ跳ねてから、凍りついたように止まった。
……へ?
ば、鞄…………?
……なんでだ……?
日 「…どうして、急にそんなことを…?」
米 「どうした?そんなに困惑して。
見せてやましいモノでもあるのか〜?」
貴方はいたずらっ子のような表情だが、
その瞳の奥には獲物を追い詰める
猟師のような鋭い光を宿していた。
嘲笑うような冷ややかな声音。
……もしかして、眠らせようとしてたの、
バレていた……?
……ずっと貴方の後をつけ、
不在の家に忍び込んだこと。
あの睡眠薬で貴方を眠らせようとしたこと。
日 「……い、いえ。何故…… 急に……?」
米 「…まあ、そんな固まんな。
だから、早く見せろ。」
……貴方は高圧的に言う。
目が笑っていない。
逃げられない。ここで拒めば、
この脆い関係は砂の城のように
崩れてしまう。
……嗚呼、嫌だ。貴方との関係を
切りたくない。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
貴方を失うくらいなら……っ
私は震える手で大切に抱えていた鞄を
貴方に差し出した。
貴方はそれを奪い取るようにして、
鞄を逆さにして中身をテーブルにぶち撒けた
米 「……だよな…!やっぱりだ!
俺の予想通りだ!」
貴方は中身を見た瞬間。
ニコッと笑顔になった。
子供のように、曇りがない純粋な笑みを。
……え、?もしかして、私の勘違い…?
一瞬だけ、希望がよぎった。
けれど、貴方の大きな手で鞄の奥に
隠されていた、「それ」をつまみ上げた。
睡眠薬と、純白のハンカチだ。
日 「…………っぁ……」
喉の奥から乾いた音が漏れた。
絶対隠し通すと決めていたものが、
いとも簡単に見られてしまった。
しかも貴方に。
米 「なあ…別に、
これはどうでもいいんだが……」
貴方は嬉しそうな足取りで、
キッチンに戻ると、戸棚から
「とある瓶」を持ってきた。
そして、「それ」を私の睡眠薬の
隣に、カチリと並べた。
米 「……これ!オソロだな!!
……いやぁ。これは意識していなかった
が、やっぱり、俺ら気が合うな!」
それは、私と全く同じの睡眠薬だった。
メーカーも同じ。
成分も。容量も。全て。
……それが、二つ。
まるで、最初からこうなることが
決まっていた、
運命のペアリングみたいに。
な、何故……?
何故貴方はそんなに元気なのでしょうか。
貴方は私の殺意を見抜いたのに、何故
そんなに楽しく笑っているのか。
薬のせいで、現実なのか。夢なのか。
境目が分からない。
米 「なあ…?お前 も 、俺の事監禁しようと
してたんだろ。だよな?」
………はぁ…バレていた。
…ん?……お前…も?今……なんて。?
米 「お前も。」
米 「…まあまあ、
そうやって気を落とすな。
大丈夫だ…俺はそんなんで怒らない。
なんせ、」
彼は、私の頬を、
大きな掌でゆっくりとなぞりました。
俺もお前のこと監禁 しようとしてるからな」
日 「……っへ?」
思わずそんな声が出た。
監禁……?冗談でしょう。?
米 「…そろそろ寝る頃だと思っていた
が……紅茶と合わせたのが悪かったか。?
…………っしゃあない。」
なんだか怖い。あんなに天使に見えた貴方も
悪魔に見えてきた。怖い。来ないで。
貴方は私の純白のハンカチに、
私の睡眠薬を湿らせた。それも全て。
米 「……滑稽だな。お前が俺を
監禁させようとした物で、 お前が監禁される
ために使われるなんて……ははっ」
貴方は私にジリジリと近づき、
ハンカチを近づけてくる。
日 「……ッひっ!来ないでください!!」
何故?!悪い夢だ。悪い夢。
覚めろ、覚めろ覚めろ覚めろ。
あんなに美しく見えたアメリカさんが、
どす黒く、恐ろしい人に見える。
米 「…反抗しても無駄だ。俺に叶うと
思ってんのか?そもそも。
それはお前が1番わかってることだろ?」
アメリカは、私の手を握り、
もうひとつの手で、眠らせようとする。
日 「っ嫌だ!!離して!!!!
アメリカさんっ!!ねぇ!!!っぁ……」
米 「……お前は、俺の事をちゃーんと
理解していなかったな。惜しかったな。 」
アメリカは子供をあやす様に言った。
だが、口を覆う力はに逃げることなんて許さないほどに強引で、暴力的だ。
日 「んぁああ!いあ!!」
上手く話せない。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
アメリカは、不気味な笑みを浮かべながら、
強く私の口を覆う。
日 「…ぅ…ぃあ……!」
視界がぐにゃりと歪む。
アメリカさんの笑顔が、
暗闇の中に溶けていく。
……あんなに爽やかだったレモンの香りが、
今は吐き気がするほど不快な薬の匂いに
上書きされていく。
指先が冷たくなって、
自分の体じゃないみたいに
感覚が
消えていく。
米 「……おやすみ。俺のお姫様。」
貴方は私の唇に優しくチュッと。
口付けをした。
おかえりなさい。
不穏な感じしか書けないですね。
私はそれが癖ですからいいですけどね。
いやぁ。アメ日以外も書きたく
なってきました。
アメ日以外だと、カナアメとか、独波とかも
好きですね〜。いつか書けたら、
チャレンジしてみます。
それではまた。
コメント
2件
初コメ失礼します!こういう系大好物で良い栄養でした!