一覧ページ
教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第55話 - 第55話 王の光を最強の武器にせよ!引きこもりの元いじめっ子を救済する神台本
22
1,312文字
2026年05月18日
一覧ページ
22
1,312文字
2026年05月18日
テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
翌日、水曜日の朝。
役者チームの桜井恵麻が嬉しそうに言った。
「やっぱり屋上で練習できてよかったね!天気もよかったし、すごく気持ちいい!」
その言葉にバスケ部の松川が力強く頷く。
「だよな!昨日の天宮のファインプレーにはマジで痺れたぜ。俺たちじゃ轟木先輩に絶対あんなこと言えねえ」
「ああ。本当にいい思い出になりそうだ。マジで俺たちの王様だよ」
中河もそれに同調する。
彼らのその会話を聞きながら、俺は改めて天宮蓮司という男の影響力の大きさを再認識していた。
それからその日の昼休み。
天宮が、俺の元へとやってきた。
「音無くん。行こうか」
三好を救済するための時間だ。
俺は静かに頷き、彼と共に教室を抜け出した。
天宮は、俺たちが今日彼の家へ会いに行くことをすでにLINEで三好へ連絡を入れてくれている。
俺たちは並んで自転車を漕いだ。
太陽王と元観客席の男。
ミラー:「王と二人でサイクリングか。お前の脚本もとんでもない展開になったな」
奏:「ああ。俺自身が一番、驚いている」
三好の家は、高級マンションの一室だった。
中に入ると、三好と彼の取り巻きだった富田茂輝と田原優作がいた。
三人はこの一ヶ月間、ずっと学校を休んでいる。
その目は、虚ろで生気がない。
ドアを開けた三好は、俺たちの姿を認めると複雑な表情を浮かべた。
天宮への憧れ。それから俺への憎悪と恐怖。
「天宮くん。わざわざごめん。で音無。てめえまで何の用だよ」
富田と田原も彼の後ろから、警戒した目で俺を睨んでいる。
俺は部屋の中を見渡す。
積み上げられたゲームソフト。
床に転がるスナック菓子の袋。
まるで時が止まったかのようだ。
俺はゆっくりと口を開いた。
「三好。お前に頼みがある。演劇の大道具責任者になってほしい」
「はあ!?なんで俺が今さら、てめえの」
「なあ、三好」
「なんだよ」
「俺も別に。今更お前らと仲良くするつもりはないさ」
「俺はお前が嫌いだった。だがお前がいなくなってから分かったことがひとつある」
その俺の言葉に三好たちが戸惑う。
俺は続ける。
「お前らのようなわかりやすいライバルがいないと、学園生活に刺激が足りないんだよ」
三好は俺のその言葉の意味が分からず、ただ呆然と俺を見ていた。
だが彼も感じ取ったはずだ。
俺の言葉に敵意がないことを。
その空気を溶かしたのは、天宮の太陽のような声だった。
彼は三好の肩に、そっと手を置く。
その瞳は、どこまでも優しかった。
「頼むよ、三好。俺はお前たちと『高校生活の最高の思い出』を作りたいんだ」
その一言。
太陽王のそのあまりにも純粋な善意。
それが三好の心の最後の壁を溶かした。
彼の瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
その隣で富田と田原も、また顔をくしゃくしゃにして頷いていた。
彼らもまた王のその言葉に、救われたのだ。
こうして三好とその仲間たちは、学校に復帰することになった。
これで俺は何とか天宮との約束を果たした形になる。
ミラー:「見事な手際だな。王の光を利用して道化を救済しそれから自らの奴隷にした」
奏:「ああ。だが」
ミラー:「何がだ?」
奏:「天宮を連れてこなければ、この脚本は成立しなかった。俺一人では無理だったな」
ミラー:「そうだな。太陽の光は、時に最高の武器になるらしい」
1
139
#ファンタジー