テラーノベル
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#ファンタジー
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その日そのまま、俺と天宮は三好、富田、田原の三人を連れて教室へと戻った。
三人は全てのプライドを捨てていた。
ただ天宮と高校生活最後の思い出を作りたい。
その一心だけで、学校へ戻ってきたのだ。
演劇の準備で、騒がしかった教室が一瞬で静まり返る。
全てのクラスメイトが、戸惑ったようなぎこちない視線を三好たちへと向けた。
帰宅部の三好たちに、たいした特技など何もない。
その凍りついた空気を、溶かしたのはやはり太陽だった。
天宮は演劇の設計図が、描かれたホワイトボードの前に立つと三好に向かって言った。
「三好。お前の力が必要だ」
「え?」
「俺、思い出したんだよ。中学の時の美術の授業で、お前が描いてた校舎の絵。すごく独創的で迫力があった。美術の時間、おまえは他にも多才な才能を発揮していた」
三好は、呆気に取られている。
そんな記憶は、彼自身にもないのだろう。
だが天宮は絶対的な確信を持って続ける。
「だから大道具のリーダーはお前に任せたい。この高校ハムレットの大道具を、お前のその美的センスで仕上げてくれ」
そのあまりにも純粋な期待。
その言葉が、三好の死んでいた心に新しい魂を吹き込んだ。
彼は涙を浮かべながら、力強く頷いた。
「やるよ!天宮くん」
奏:「見たかミラー。三好に美術の才能などない。スカウターの評価はE-だ」
ミラー:「ああ。だが王は嘘をついていない。彼はそう信じているんだ。自分の言葉で三好が奮闘して、現実を書き換える可能性にかけているんだ」
奏:「恐ろしい男だ」
俺はその光景をただ戦慄と共に観測していた。
三好を救ったのは俺じゃない。ほぼ天宮蓮司の力だ。
(格が違う)
悔しさはなかった。ただ圧倒されていた。
眩しすぎて、直視できない。
(俺までも、彼のカリスマ性に魅了されてきている)