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─プロローグ─
何時からだろうか、両親が僕に八つ当たりするようになったのは…、
『ごめんなさい』と…何度も、何度も何度も謝っても、親は許してくれなかった。何時しか“死んでしまったら”って思うこともあった。でも、…死ぬことすらその選択肢になかったんだ。それに何故習い事を全て辞めたのかもわからない…そんな僕を拾ってくれたのは、ずっとそばにいてくれたのは
「猿ちゃんは特別だからね…?」
「いお…?」
「ん〜ん、何でもないよ、ふふっ」
「…変なやつ…」
第一章
─初夜─
僕の家庭は散々なものでした。あれしろこれしろと、僕に押し付けてくるんです。何時しか僕は、自分で何をしたら良いかわからなくなっていたんだ。それを親が知るとものを見るような目で僕を見つめ雑用係としてされてきた。だがそれは次第にエスカレートし始め、僕に理不尽な暴力を与えて来たんだ…
「ごめ、…なさ、ごめんなさ、い…もう、やめて…」
「やめるだぁ…?やめるわけねぇだろ…っ!」
「ぁ゙ッ、…!もう、……いや、…」
───
バサッ)「ッ、…!」
「……、ッ、…ごめん…なさい、…僕は、…何のために、…?」
ガチャッ
「おい、いお。」
その時幼馴染の猿ちゃんこと猿川慧が来た。
「猿ちゃん、…なんでここに…?」
「お前の事呼んでも来ねぇからなんかあったんじゃないかって、」
「そう、…」
猿ちゃん…絶対気づいてるよな、…
ピーピーピー
「あ、」
洗濯物、…
「いお…?」
「………行かなきゃ、…」
────
駄目だ何もかも集中できない、なんで…?それに加えて天気も最悪だし、イライラするし、…
「依央利さん…?どうかしたんですか?」
「理解、くん…」
ヤバ、理解くんに気づかれたかな…この生真面目くんに気づかれたら終わりだ、ちゃんとした事話したら、絶対
『我々のことは良いのでちゃんと休んでください!貴方のためでもあるんです。』
て、なるからやなんだよ…
「僕のため…ね、…」
「依央利さん…?」
「言っておくけど理解くん…僕を止めようたって無駄だからね?」
タタッタ
「…はい…?」
「あ、理解いたの」
「テラさん、…」
「言っておくけど…今の依央利くん、多分止まらないよ」
「それってどういう…?」
「あのね…」
────
「………」
誰かに見られてる、集中できない、…
ジー、…
「………!」
あー、もう!
「そこにいるの天彦さんでしょ!?」
「依央利さん!?バレてたんですね…僕としたことが、…」
「あの、悪いんですけどやめてくれません?集中できない。」
「依央利さん…」
駄目駄目、怒るな本橋依央利! 無我無我無我無我無我!!
「これ以上やったら…どうなるか…わかってますよね…?」
「ゑ?」
その日天彦さんを見た人は誰一人としていなかった
───
「全く、天彦さんと言う変態は…ん…?確かこの部屋大瀬さんの…」
「あの…」
でも、大瀬さんの部屋の中やっぱり暗いな…
「い、いおくん…そこ」
ちょっと覗こうかな
「あ、あの…いおくん。そこ、自分の部屋なんですが…」
そのついでに、洗濯物を、…
「い、いおくん!」
「うわぁぁ…!」
「わぁぁぁ…!」
なんだ、…大瀬さんかよ。
「いおくん、あの…自分の部屋見ます…?」
「え…?なんで、…」
「見たそうにしてるから…」
「べっ、…べべ、べべへ、別に…?た、ただ洗濯物取り来ただけだし…?」
「童謡しすぎ、…」
でも、でも…強いて言えば─
見てみたいな。
「見せてくれません…?大瀬さんの、部屋。」
「いおくん…ふふっ良いですよ。汚いけどね…」
──
「そんなことが…?」
「シーッ、依央利くん本人とか猿川くんには言わないでね、約束。」
「…そんな事、気軽に言えませんよ…」
「うん、君ならそう言うと思った。」
──
大瀬さんの部屋はどこかしこも綺麗な物で溢れていた。
「大瀬さん、…これ、」
「あ、…えっと、それは…」
「…トカゲの絵、だよね…?すごぉ〜い!」
「まだまだですよ…」
「ねぇ、ここの背景、…この色使えば…?」
「水色…ですか?」
「うん、そうだよ。薄暗くしたいのなら水色で色付けしてその上から紫とか青とか塗ったら良いと思うよ、僕昔こういう事してたことあるから少しは─」
「いおくん?」
「……ごめんね…今の忘れて、僕はもう、…じゃね」
僕はもう、…水彩とかどうでもいいんだ。
「いおくん洗濯物、…忘れてる…」
───
「依央利…?」
「…!ふみやさん…」
「お前…何かあったのか…?」
「ッ…!」
まずい、ふみやさんまで僕の事を…?
「あ、あのふみやさ─」
「依央利、こっち来て。話したいことあるから」
そう言ってふみやさんの部屋に連れてこられた。
───
「依央利、なんで俺の部屋に連れてきたか分かる…?」
「わかりません…」
「それはな…」
「…え?」