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この作品はnmnm、捏造小説です。
実在する方、キャラクターがいます。
ご本人様とは全くの無関係です。
晒し、荒らし、誹謗中傷はご遠慮下さい
苦手な方は自衛をお願いします。
もう一度言います。
この小説は捏造で、二次創作です。
ルールを守ってお読み下さい。
完全妄想です。ご注意を
「ゆきんこ、死んジャった。」
集められたメンバーに白井はいない。
疑問に思いながら安城はボスの言葉を待っていた。
そして出てきた言葉がこれだった。
そこに居たゆきんこを知る者は口を抑え、目を見開き掠れた声で小さく驚愕の声を漏らす。
それは安城も同じ。
彼も喉に詰まった何かに遮られ声が出ない。
開いた口が閉じない。
目を目いっぱい見開くが涙は流れない。
「はっ、いや、そんなわけ…」
ゆきんこを可愛がっていた千代田ヨウは瞳をゆらゆらと揺らしながら声を震わせて呟いた。
「帰ってくるってッ…言ってたのにッ」
椎花まほは口を抑え涙を流しその場にしゃがみ込んだ。 そんな椎花の背中を天草が同じようにしゃがんでさすっている。
ヘルアン、神保アボ、Sell uはなんとも言えない苦い顔をして、薬乃みみは顔を伏せて顔が見えない。
月見結はしっかりと前を向いているが仮面のしたからつぅっと静かに涙を流している。
ナリエルはキュッと口を結んでいて耐えているようで、 五十嵐えいむはぎゅっと拳を握って、ズズっと鼻水を吸って涙をこらえる。
「うそだ、うそだ、嘘だ!」
ボスのその一言でみんな信じたように苦い顔をして、涙を流して、ありえない。
嘘に決まってる。
いつものボスのイタズラ。
「そうですよね!?、ただのイタズラにしては度が過ぎてませんか!?」
ボスに向けて大きな声で発するがボスの表情は変わらない。
「なぁ、なぁ!!」
ボスに近づいて胸ぐらを掴んで殴ってやりたい。
冗談でも言っていいことと悪いことぐらいある。
嘘だったって言ってくれ、
「おい、落ち着け安城。」
無意識のうちにボスへ矛先を向けていたようで間にRBが割って入る
「邪魔しないでください!、そんなん、絶対に信じない!」
RBの顔を睨みながらそういえば何も返さないようでRBの肩 を押し退けてボスの方へ行こうとした。
「安城。」
しかし、ボスの圧のあるようなカタコトの声にピタッと動きが止まる。
「本当。」
ずっしりと何かが肩に乗っかる。心臓が痛い。
「っ、だ、だから、」
「本当ダヨ。」
言いかければ追い打ちをかけるようにボスは鋭い眼差しで安城を貫く。
納得したくない。信じたくない。夢だって、ただの虚言…だって、だって、だって…
「嫌だ。俺は、それでもッ
俺は、信じない…」
安城の顔はどんな顔だったのだろう多分泣きそうな顔がぐちゃぐちゃになった酷い顔なんだろう。
安城はそのまま外へ飛び出しゆきんこの飛び立った付近で立ち尽くす。
空は曇り。
いや、大雨。土砂降りの最悪の天気だ。
安城は傘もささずに雨に打たれながらその場に立つ。
信じられなかった。
信じたくない。
あの時、彼女は元気だったんだ。
いつも通りの笑顔といつも通りの喋り方で。
いつも通りの彼女だった。
だからいつか、いつも通りの彼女がいつも通り俺に挨拶しに来る日が来るって、いや、来るはずなんだ。
灰色のスーツは雨に濡れて鼠色へと色を変色させる。
くせ毛な髪は雨で目元を隠して安城の表情は見えない
ぽたぽたと髪の先から雨が滴る。耳からは雑音のように雨の音がとうるさいほどに聞こえてくる。
「嘘だ。嘘だ。嘘だ。」
小さくそう呟いて事実を見ないふりする。
淡い可能性を信じて。
「はっ、ボスも馬鹿だなぁ…そんな嘘、俺に、ッ、通用するわけねぇだろッ…」
もしかしたらが過ぎってでも違うはずだって頭の中から消して、でも、もしかしたらってずっと彼女の死がループする。
雨は次第に強くなって安城に目を覚ませと訴えているようだった。
雨天。気温は6度。冷たい寒さが安城の心さへも凍らせる。
ALLINのメンバーは傘を指して建物の影から彼を見ていた。
「白井さんは?」
椎花が同期である安城を苦しい表情で見つめながら呟いた。
「聞きたくねぇって言って出てった。」
RBは淡々とした声ではっきりとそう告げた。
「……そう。」
椎花はそれを聞いて何を思ったのかぎゅっと目を瞑って唇を噛む。
ここにいる誰も安城を慰めることなんて出来ない。
背中を擦ることさえも彼らには出来ない。
ただただじぃっと彼を見て、暗い顔をするしか無かった。
「ゆきんこ…」
千代田は激しく降る雨を見上げながら雲を見つめた。
そしてドアがガチャっと開いた。
ボスが出てきた。
傘を持たず、多分様子を見に来たんだろう。
「入る?」
RBがそう言って傘を少し傾けば
「ウン」
小さく呟きながら安城を見ていた。
安城は雨に打たれて少しは落ち着きを取り戻したのかふっと上から降り注ぐ雨を見上げる。
今日は雲は分厚い。彼女がこの街を去った時、空はどうだっただろうか。
彼女と一緒に過ごした日々に雨の強い日などあっただろうか。
安城の目には何も映らない。光も、こぼれ落ちてくる雨さえも。
ああ、死んだ。
ゆきんこが。
最愛の彼女が。
ああ、死んだ。
雪のように。
溶けて消えた。
ああ、死んでしまった。
俺を置いて。
仲間を置いて。
ずっとずっとこの言葉が安城の頭を駆け巡る。
幼い子供がカタコトで話すように、感情の乗っていない言葉の羅列が安城の頭を巡る。
そうしていくうちに彼も彼女の死を受け止てしまう。
否、受け止めるほかなかった。
あのボスの目、仲間の目。
それが全てを物語っているようだった
大泣きする椎花。
この場に居ない白井さん。
全てが嘘ではないことは明確。わかっている。
彼女はもう帰ってこない。
いや、でも……
受け止めても頭の中でその事実を咀嚼できなくてとてつもない絶望感と失望感で雨が酷く痛く感じる。
「ゆきんこ…」
ボソッと空に向かって小さく雨に打ち消されるほど小さく小さく呟いた。返ってくる筈もないのに。
全て諦めたい。そう思ったのは少し経ってから、
安城の体は強い雨に打たれて随分と冷えてしまった。
寒さのせいか口をカタカタと震えさで、寒さで手足が麻痺している感覚を覚える
あぁ、もう、全てが嫌だ…
せめて、もう一度、
彼女に会いたかった…
安城は静かに目を閉じて目を開ける
その時、ふわっと暖かい風が安城をその場にいたメンバーへ吹いた。
なんだろうと何人かが安城から目を離し、辺りを見回す。
そして、突然もう一度強く暖かい優しい風が下から上へと昇るように吹く。
自然と空を見上げれば
誰かが払ったかのように分厚い雲が円状に安城の上空で捌け、薄い水色の空をのぞかせる。
突然の眩しさと、先程よりも色鮮やかな空に目をチカチカさせながら傘をするのも忘れて上を見上げる。
さっきまで激しく音を鳴らしていた強い雨が気づけば止んでいて、代わりに白い綿が暖かい風に煽られながら静かに落ちてくる。
しんしんと降るその白い雪は透き通った空から暖かい日差しに照らされゆっくりと、安城の頬にふわっと触れた。
それは冷たい。なのに暖かい。
透き通った空が彼女の美しい髪のようで、白い雪たちが彼女のふわふわした暖かい心のよう。
「ぁッ……」
何故か心が、軽くなった。
そして、心臓が、締め付けられるように苦しくなった
「あ、あ、うわぁあああ”あ”あ”あ”ッッ!!」
受け止められなかった気持ちが、この瞬間何故か素直に受け止められる。
さっきまで出てこなかった涙が、叫びが止まることなく出てくる。
「あ”ッ、あ”ッ、あ”ぁあああ”あ”あ”!!」
安城は薄く積もった雪にドサッと膝を付き、地面に這いずるようにして泣き崩れる。
涙が白い雪を溶かして、白い雪が安城を抱きしめるように降り注ぐ。
そばに居たメンバーも手のひらで降る雪を受け止めながら 空を潤った目で眺めた。
ボスが市長からゆきんこの死を報告され、付き添いで来ていた白井は信じることが出来ずに市長の胸ぐらを掴んだ。しかし、市長の握っていた死亡報告書が全て物語り、この日までこのゆきんこを送り届けた場所に来れずに居た。
薄く積もった雪が誰かに踏まれて雪間草が顔を出す。
白井は泣き叫ぶ安城を見つけて足を止めた。
はぁ、はぁと息は荒く、肩で息をしている所を見るに走って来たのだろう。
膝をついて泣き叫ぶ安城はなんとも言えないほど心にきて、いっぱい泣いたはずなのにまた涙が込み上げて来てしまう。
「あんッ、安城っ…安城ッ!! 」
ひとりで泣く彼を見て白井は安城の元へ駆けた。
崩れ落ちていた安城と同じように膝をついてギュッと抱きしめる。
「し、白井さ”ん”ッ、白井さ”ん”ッ!、はァッ、ゆ、ゆきんこがッ、ゆきんこがッ!!」
安城も白井を抱きしめて既に枯れた声で泣きながら、嗚咽を繰り返しながら言葉を綴る。
「うん、うんッ…」
白井はそんな安城を慰めるように優しく声をかけながら涙を流す。
2人、雪の下で抱き合って涙を流した。
「ッ…!」
それを軒下から見ていた千代田ヨウ。
雪を妹のように可愛がっていた彼は2人の姿を見て、耐えられなかったのか傘を放り出して2人に飛びつくように向かい、2人に被せるようにハグを抱擁する。
それに一瞬2人は驚いたが
「ばっか!、お前たちだけじゃないんだよッ、、」
千代田は堪えられなかった涙を流しながら言った。
それを見て椎花も傘を投げて走る。天草は傘を壁に立てかけて椎花と安城をギュッと包み込む。
ナリエル、月見結、五十嵐、薬乃も2人の所へ向かい安城と白井を包み込むようにみんなで抱き合う。
ヘルアン、神保、sell uは安城やメンバーの頭を優しく撫でながら強く唇を噛んでいる。
RBはそっと彼らへ傘を傾けた。
冬野雪を思う家族が、雪の下で抱き合って彼女の死に涙を流した。
暖かい雪は風に煽られながらみんなに優しく降り注ぐ。
それは風とともに町中を駆け回った
街最大の銀行の扉が風のせいで簡単に小さく開く
雪は風に送られるままにパシフィック銀行の中までも駆け回る。
ひとつのサーバーがピピピピと鳴き、真っ赤に点滅をした。
雪の花がヒラヒラと宙をまう
カジノから白いスーツを着こなした叶と鳥羽咲夜がVIP客を見送るために外に出て見送りをする。
一言、二言交わして客は車に乗って去っていく。
「寒いな…」
白い息を吐いて白い空を見る。
「そうですね。さっきまで大雨だったんですけど…」
叶は空の見える所まで出て空から降る雪を眺めた。
鳥羽も同様に外に出て手のひらで雪を受け取る。
「不思議なこともあるもんだけねぇ…」
少しだけ2人、外を見上げた。
叶は手をサスサスとさすって「入ろっか。」と言って2人は後ろを向いた時、
一瞬少し冷たい風が2人の頬を掠めて流れていく。
「……?」
なにか懐かしい感じがして2人とも後ろを向くが誰もいない。
すると叶は空をもう一度ちらりと見てぼーっとしながら
「ああ、もう、1月が終わるのか…」
そう呟いた。
「そう、ですね…」
鳥羽もなにか感じたのか優しく静かにそう言って2人はカジノの中へと入ってゆく。
綿帽子が木々に乗っかり私たちを見る
「社長!うぇーい」
赤いつなぎを着た従業員が仕事場の上司である上田に石入りの雪玉を投げつける
「おおい!、痛いって!」
そう言って上田社長も従業員に向かって雪玉を投げる
大雨から急に一転して雪が降り始めて、みんなが喜んだように9055の中で雪合戦を始めた。
「やった〜!雪だァ!」
従業員はぴょんぴょんと跳ねて喜んでいる
それを見て上田は呆れたよ うに笑いながら彼らを見て、空を見た。
「もう、2月が始まりますね。」
ふと後ろから従業員のひとりである狐野承志が後ろから空を見上げながらやってきた。
「んん?あーそうだね、、もう1月が終わる…」
上田はそれに習うように上を見上げる。
その時ふわっと何か風を感じた。
「「!!」」
2人は驚いて顔を見合わせたがすぐにふっと2人笑い合った
雪は不香の花のように彼らの髪を飾る
「あれ?ウメさん、今署長留守ですよ?」
まるんは警察署の正面玄関に突っ立ているジャック・馬ウワーの妻、ウメさんを見つける。
「ん〜?いや、ただ空を見てただけなの」
くるっと緑の着物を来たウメさんがこちらを向けばウメさんはつぅーっと静かに涙を流していた。
「!、う、ウメさん??ど、どうしたんです?」
焦ったように近づけばウメさんはまた空を見た。
「嫌よね…歳をとればとるほど変に想像しちゃうのよ…」
さらっと小さな粉雪がウメさんの周りで飛び彼女の手のひらへと着地する。
「もう一度、会える日はあるかねぇ…」
ウメさんは手のひらで溶ける沫雪を見ながら涙を流す。
粉雪舞う。無邪気な子供のように
「ねぇ!外雪降ってる!!」
そう言ったのは店を開けようとドアへと向かっていた社長の超越々谷 にかり
「雪ですか?」
ろぎあはグラスを拭きながらキョトンとした表情で興奮している社長に目を向ける
「そうだよ!ちょっとおいで、」
手招きをされてしまえばロギアは仕方なくにかりの後に着いていく。
カフェのドアが開けられ、外の雪がサラサラと入り込んでくる。
「わぁ!」
それはそれは想像以上の真っ白さで雪明かりが少し眩しい。
「これは、、凄いですね。」
驚きながらロギアは外へと出て辺りを見渡す。
至る所雪でそぞろ寒な寒さで腕をさすさすと擦る。
「もう1月終わっちゃうのにね〜」
店長が何気なくそう言えばロギアは社長の言葉を繰り返してぼーっと空を見た。
ふわぁっ
なにか暖かい気を感じる。
「?」
ロギアが不思議に思ってふとそちらに向こうとしたとき
「もう入ろ〜、寒ーい!」
店長が手を振りながら大きな声で叫んでロギアは振り向くことをやめて
“はい!“元気よく返事をしてドアへ向かう
「ろぎあたん!」
しかし、懐かしい声にピタッと足が止まった
居るはずのない彼女の声にろぎあは耳を疑った。
振り返れない、それは本当に彼女なのだろうか
「ッ……、」
息を飲んでバっと後ろを向けばサラサラと雪が地面へ落ちていく。
「ッ、雪ちゃん…」
風が優しくろぎあの頬を撫でた。
静かに降る雪の果てに皆が足を止めた。
クルクル回った雪はまた彼の元へ戻る。
みんなで抱き合って泣いている、それを表情ひとつ変えずにじっと見つめるMon Dは瞳に彼らだけを映す
彼には分からない悲しさが、彼には理解しがたかった心の苦しさが、
でも、
「ボス!」ふと雪の声が聞こえる、ハッと我に返って前を見れば泣き合う彼らの近くに立つ冬野雪。
彼女は何も発さない。でも、彼女は静かに笑う
そして、
あ、り、が、と、
口がそう動いた途端、冬靄のようにそこにいた雪は雪の1部となって消えた。
今なら分かるかもしれない、少しだけ感じれた。
Mon Dはズサズサと雪の中を歩きみんなの元へと歩く。
そして泣きなが抱き合う彼らを上から見下ろすとように見つめる。
ふと影ができて上を見上げればRBが再び傘をMon Dに傾けている。
ふっとそちらに目を少し向けたがすぐに戻してMon Dはしゃがむ。
抱き合っているみんなの中に埋もれる安城を見つければ彼の頭に手を置いて
いつもよりも悲しいような、そんな笑みで安城を見つめた。
「大丈夫。まタ、冬二なれバ会えるヨ」
その言葉が彼にとってどれだけのものだったのだろう安城はまたみんなの腕の中で大きな声で泣いた。
雪は止むことを知らないように泣き合う彼らにずっと寄り添っていた。
雪のない冬、太陽のない春、そして仲間のいない幸せは存在しないように彼らは雪を忘れることはないだろう。