テラーノベル
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・前回の宇都見×貧ちゃんの続きです
・カンタロー×貧ちゃん
・貧ちゃんがトラウマ持ち
・「」←カンタロー 『』←貧ちゃん
・地雷の無い方のみどうぞ
(カンタロー視点)
あの野郎、俺の貧ちゃん傷つけやがって絶対許さねぇ…。貧ちゃんの傍に歩み寄り痛々しい殴られた跡を摩る。こんなに身も心もボロボロになるまで耐えて…本当に自分が情けなくなる。とりあえず看病をし、眠っているように気絶している貧ちゃんの隣に座る。
「俺がもっと早く駆けつけていれば…」
月明かりに照らされた薄暗い部屋の中、俺は1人ポツリと呟いた。少々散らかっている机の上には精神安定剤があった。「理想の薬剤師」なんて持ち上げられプレッシャーも半端なかっただろうに。元々貧ちゃんは、自ら注目を集めたがるタイプではなかった。だから大人になった今、精神をすり減らしながら仕事をしていたのかと思うと胸が痛くなる。それにしても、宇都見は何の目的で貧ちゃんを…また犯しに来るようなものなら俺があいつを……
「……何考えてんだ俺」
こんなことを考えていてもしょうがない、でもこのままじゃどうしようもない恨みも晴れない。貧ちゃんを俺だけのものにするにはどうすれば良いんだろう。策を考えているうちに貧ちゃんと添い寝同然のごとくベッドに入り眠りについていた。
翌朝…
『ん…』
貧ちゃんの目が覚めた、虚ろな目を擦り着替えを探す仕草にどことなく庇護欲をそそられた。今度新しい眼鏡を買ってやらないと。
「貧ちゃんおはよ」
俺の声に驚いたのか声にならない声を上げた。トラウマを植え付けられたのか、あまり声が出ていない。あぁ、俺が守ってやらないと。こいつを支えてやれるのは俺しかいないんだから。
『か、カンタ、ロー…?』
たどたどしく怯えたような声音で俺のあだ名を呼ぶ。「どうしてここに?」とでも言いたげだ。キョロキョロと辺りを見渡し何をすれば良いのか分からないと言った感じで俺を見つめてくる。そんな貧ちゃんも可愛いなぁ。
「着替えならそこにあるよ、あとここは俺の家」
『!?え…?』
そう、俺は朝早くに目覚め貧ちゃんの自宅のマンションから背負って連れ出したんだ。あのマンションに行くこと自体トラウマだろうから。
『な、なんでっ?俺、お、おれは…昨日…うぅっ…』
あぁ、トラウマが再発してしまう…俺は慌てて貧ちゃんの身体をゆっくり摩った。
「大丈夫、ここにいれば大丈夫だから」
『あ”あぁッ…あははっ…は、ヒュッ…』
過呼吸を起こす前に精神安定剤を飲ませ一旦落ち着かせる、このままじゃ余計に薬の量が増えてしまうだけだ。落ち着いたあと貧ちゃんは着替えなどを諸々終え、仕事の支度をし始めた。
「貧ちゃん、今日は休んだ方が…」
『いや…カンタローには悪いよ。薬も飲んだし俺がみんなの理想にならなきゃ』
そんな理想、無くてもいいのに。貧ちゃんはそのままでもいいのに。何が貧ちゃんをそうさせた?小学校の頃に便乗してしまったいじめ。あれには貧ちゃんも加わっていた、俺達は本当はこんなことしたくなかったはずなのに。ただそれがいじめだと分からなかっただけで、俺達はただの悪い子だと決めつけられて良いのだろうか…。
「……貧ちゃんは、自分を悪い子だと思う?」
『え、うーん…どうなんだろう』
答えがはっきりしないということはまだ自分の中の人格があやふやになっているということだ。今の貧ちゃんは所謂「良い子」、だけど小学生の頃の貧ちゃんは「悪い子」だった。ただ、本当にただの悪い子だったのか…?あの時…
小学六年生の頃…
『起立』
『礼』
『おはようございます』
朝礼の時、貧ちゃんは人前で発表をするのが苦手だったのか終わった後にはほっと胸を撫で下ろしていた。が、その時…
フラッ…
「(え…?)」
突然貧ちゃんがふらりとよろめいたかと思うと床に膝を打ち身体を身体を傾け倒れた。急にどうしたものかと教室中大騒ぎした。でも俺はいつも一緒にいたからすぐに分かった、これは貧血だ。しかも起きたのは1度や2度じゃない。何故「貧ちゃん」なんてあだ名を付けたのか俺には不思議で仕方なかった。そして許せなかった。
『…俺は、自分が良い子か悪い子なんて分からないよ。今だって自分が何なのかも分からない』
分からない、これが貧ちゃんの答えか。良い子か悪い子かなんて他人が決めていいものでもない気がする。
「…そっか」
「ま、難しい話はこれぐらいにして朝ご飯食おう
腕によりをかけて作ったからな」
『…うん』
もうこれ以上苦しんでいる貧ちゃんを見たくない、だから俺は精一杯貧ちゃんの支えになるようにするんだ。
コメント
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ありがとうございます!貧ちゃんのためにとことん尽くすカンタローが頼もしすぎて良きでした✨️献身的な攻め大好きです