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コメント
3件
悪化っ? やばい、好きすぎる。
𝐻𝑎𝑝𝑝𝑦𝑁𝑒𝑤𝑌𝑒𝑎𝑟!
今年もよろしくお願いします!
第17話「サイレンの中で」
いつものように楽しんだ帰り道。
夕方の空は、まだ明るかった。
「……っ」
らんが、急に立ち止まる。
「……らん?」
なつが振り返った、その瞬間。
らんは、胸を押さえて膝をついた。
「……あ……っ」
息が、浅くなる。
「……らんらん!?」
みことが駆け寄る。
「……だい……じょ……」
そう言おうとして、言葉が途切れた。
喉が、ひくりと動く。
「……っ、ぅ……」
らんは顔を伏せ、思わずえずく。
苦しそうに肩が揺れ、息が乱れる。
「……らん!」
いるまが、すぐ背中を支えた。
「無理して喋るな」
「……呼吸……浅い……」
すちが、震える声で言う。
「……らんくん……」
こさめが、ぎゅっと拳を握る。
「……大丈夫……ここ……いる……」
らんは答えようとするけど、
息がうまく入らない。
突然、急激な吐き気が込み上げてくる。
「..ぅ”っ…おぇッ.」
「ゴホッ…ヴ…ゲホッゴホッ」
「……ひ……っ」
過呼吸気味に、短い呼吸が続く。
「救急車呼ぶ!」
なつが即座にスマホを取り出す。
「今すぐ!」
サイレンの音が、遠くから近づいてくる。
らんは、担架に乗せられながら、
必死に目を開けていた。
「……みん……な……」
「いる」
なつが、すぐ答える。
「ここにいる」
「……らんらん……」
みことが、手を握る。
「置いてかない」
「……らんくん……」
こさめの声が、少し震える。
「ちゃんと戻ってきて」
「……っ」
らんの目尻から、涙がこぼれた。
「……ごめ……」
「謝るな」
いるまが、低く言う。
「今は、生きることだけ考えろ」
救急車のドアが閉まる。
サイレンが鳴り響く中、
らんは天井を見つめた。
(……さっきまで……楽しかった……)
その記憶が、胸に残っている。
「……は……」
浅く、でも確かに、息を吐く。
——楽しい思い出がある。
——だから、戻りたい。
その気持ちだけは、
途切れずに、らんの中にあった。
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