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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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kn「……えと…」

sh「馬鹿!だから離れろって!」

kr「本当に乱暴だなぁ。あ、えーとごめんね。誤解して欲しくないんだけど、匂いを嗅いでただけだから。」

kn「…匂い?」


knがますますわからないと眉を下げながらkrの話を聞いていた。


kr「てか、何か用があって来たんだよね?」

kn「あぁ、俺はshkに。」

kr「あれ、知り合い?」

sh「…kr。また来るわ。」


俺は荷物をまとめて部屋を出る。あまりknの近くには近寄らないように距離を空ける。


kn「…しばらく大学でみなかったから、心配してた。」

sh「…そっちこそ大丈夫だったのかよ。」

kn「俺は大丈夫。心配してくれて有難う。」


しばらく無言の時間になる。先に口を開いたのはknだった。


kn「shkは調べてるって言ったよね?」

sh「あぁ。」

kn「それってαの事?」

sh「いや、この属性の事。」

kn「なら、聞きたいんだけど…。αの事どう思ってる?」

sh「こんな所で話す事じゃないだろ。」

kn「ごめん。でも、二人っきりにはなりたくないでしょ?」


俺はその言葉に怖くなり後退りした。


kn「怖がらせるつもりはない…ただ、話がしたいだけ。」

sh「…なんでそんな事聞くんだよ。」

kn「俺はshkの事知りたいって思ってるからかな?」

sh「俺は別に思ってない。」


困ったなと頭をかくkn。俺は更に警戒して距離をあける。


kn「わかった…。一つだけいい?」

sh「…何だよ。」

kn「αとΩの関係性は…匂いだけじゃない。ちゃんとお互いの気持ちもあるって事、覚えてて欲しい。」

sh「え?」


knは振り返らずに歩いて行った。ホテルでもknは何か難しい事を話していた気がする。それに話してるknの顔はどこか寂しい表情のように見えた。





俺は家に着きknの言葉を思い出す。確かに“番”という形でお互いの意思で結ばれる事がある。その事を言いたかったのだろうか…。だとしてもあの表情にはまだ何かある気がした。


sh「合意…当事者…気持ち…?」


考えても何も思い浮かばない。俺は過去のα関連の記事を見直す。


“無理矢理”、“匂い”、“無抵抗”、“恐怖”


見る度に吐き気がする内容ばかりだが、なんだか引っかかるものがある。


sh「なんだ…でも、何かわかんねー。」


何度も読み返しているとホテルでのknの様子を思い出す。俺は怖くなり記事を読むのをやめた。

もし、あの時knが我慢していなければ俺はこの記事みたいに…。考えれば考える程αという存在が怖くなる。


sh「くそ…」


結局、引っかかるのが何かはわからないままだった。






あれからknの姿は見ていない。構内ですれ違う事もなかった。


na「そういえばそろそろあの時期?」

sh「そうだな。」

na「何かして欲しい事あったら連絡しろよ?」

sh「あぁ、有難う。」


naはああ言ってくれるが正直ヒート状態をnaに見せたくない。それにβとはいえ、ヒート状態であればまれに匂いを感知する事が出来るらしい。

そうなればnaもどうなるかわからない。後悔しない為にも俺はnaに心配させまいと振る舞った。





sh「ハァ…ッ…ハァッ…」


naと話をして数日後、ヒートを発症した。今回はあまり薬の効果が効かず、今まで以上に自分自身を貪る回数が増えた。

何度も何度も繰り返す行為…俺は力尽きるまで続けていた。


ふと、knの匂いを思い出す…何も考えれなくなるような…甘い、甘い匂い…


sh「くそ…な、んでっ…ハァッ…ァ…ほし…ぃ」


求めるように俺の手は止まらない。早く終わって欲しいと願う反面、快楽に溺れ続ける体は素直にただ欲望のまま欲していた。





sh「…なんで…なんで治んないんだよ…」


一週間が経ってもなお俺のヒート状態は続いていた。これ以上は大学も休めない、それにnaにも心配させてしまう…。

俺はかかりつけの病院に連絡をし薬を貰うことにした。





na「shk!!」

sh「お、おう。」

na 「体調悪かった?休み長かったから心配してた。」

sh「そうなんだよ。ちょっと体調崩しちゃって。」

na「もう、大丈夫なのかよ?」

sh「大丈夫、いつも有難うな。」


正直、普通に話せているか怪しい所だが、naの様子を見るに気づかれてはいない。俺はnaと分かれると即座にkrの所に向かった。



ガラガラ…

sh「ンッ…ハァッ…あれ、kr…いない?」


誰もいないのがわかり俺は我慢の限界が来てしまいソファに倒れ込んだ。


sh「ハァッ…くそっ…とま、れ…ハァ…ハァ」


俺は急いで鞄から薬を取り出そうとする。


sh「あ、ダメッだ…うまく、取れない…」


焦点が合わず薬を取り出せずにいると扉の開く音が聞こえる。俺は意識だけを扉に向ける…すると体がゾクゾクと震え、まるで求めるかのように下半身が疼きだした。


kn「shk!?」


knが俺のそばに駆け寄ってくる。俺はknにしがみつき自身をknに擦りつけた。


sh「ぁあ…ちが…み、んなッ…ぃやだッハァッ…」

kn「shk…っくそっ!」


knが薬を取り俺の口にいれる。鞄から水を取り出し口移しで俺の口に流し込んだ。


sh「ンンッ…ァッ…knッ!ンッ…ハァッ…」

kn「…ハァッ…ハァ…くそっ…」


knが自分の腕を出し、その腕に噛み付く。俺はそんなknなんて見えてなくてひたすらにknを求め呼び続けていた…




続く。

知り得る先は幸福のみ

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コメント

3

ユーザー

このストーリーめっちゃ好きです✨ ぶんぶんさんの作品はどれも丁寧で、流れがしっかりしていて、とても読みやすくて好きです!!! 次回楽しみに待ってます😊

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