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段々と熱が引いてくるのがわかった。俺の思考も冷静になり、目の前のknの姿を見て声をあげた。
kn「フーッ…フーッ…」
sh「腕…おい、なにやって…」
俺は 辺りを見渡す。手当できるものが見つからず俺はknの手に触れようとするが、その手は払われてしまう。
kn「や、めろッ!…ハァッ…頼むから、離れててッ…」
必死で俺を襲わないようにしているのだろう…苦しそうにその場でうずくまるkn。
sh「…ごめん、kn。俺のせいで……」
kn「…ハァ、ハァ…ッあ゛ぁ…くそ…っ」
俺の声は届いていないみたいだ。必死で自身の体を抱きしめている。
αが怖い…?今のknを見てそう思えるか?そんな事はない。必死で抗うknを見て俺は自分の匂いの方が怖くなった…。
sh「kn…ッ!」
俺は止められていたにも関わらずknに近寄る。
kn「な…にしてッ…ハァッ…shk…?」
sh「ごめん、俺のせいで…これで楽になるなら…」
俺はknのズボンのチャックを下げる。
kn「やめッ…shkッ…ハァ…ど、なって…も、しらなッ…からなッ!」
knが俺を抱きしめる。俺はそのままゆっくりとknのを扱く。するとknの手が俺の股に触れる。
sh「…ハァ、ンッ…」
kn「ンッ…shkも、一緒に…っ」
お互い求め合うように手だけじゃなく腰も動き出す。ここからはただただ欲に溺れるだけだ。
kn「ハァッ…ごめ、shk…ごめ…ッん…」
謝るknに俺は首を横に振って答える。そっと俺を抱きしめていた手が頬に当たり、自身を擦り合う手はそのまま、俺たちは深いキスをする。
何度も何度も舌を出し入れしては口端からお互いの唾液が溢れる。それは自身に落ちクチュクチュといやらしい音を立てる。
kn「ァッ…ハァ…shk、い、く…ッ」
sh「ハァ…ハァ…ッ…ん、お、れもッ」
擦り合う手が速まる。どちらからともなく、キスをして俺たちは体を寄せ合いお互いの手の中で果てる。
果てながらもキスはやめなかった。俺もやめる気はなくて貪るようにknの口にすいつく。
sh「ハァ…kn…」
kn「ンッ…ハァ、ハァ…」
唇を放し、お互いに呼吸を整える。knは鞄からティッシュを取り出すと俺の手を取り体液を綺麗にしてくれた。俺は噛み跡の付いた腕が目について、そっと触れる。
sh「ごめん…kn。俺のせいで…ごめんッ…」
kn「何でshkが謝るんだよ…俺が我慢できてれば良かった話だろ。」
sh「違うっ!knは悪くないだろ!この噛み跡だって、俺を止めてくれたのもknだ。それに抗ったのは俺だ…。」
kn「……いい、俺のせいにすればいいから。」
綺麗に拭き取り終わるとknは立ち上がり鞄を手にして部屋を出て行く。俺の呼びかけにも答えず足早に去っていった。
sh「knは悪くない…全部、俺だっ…くそっ!Ωなんて…こんな、匂いさえなかったら…っ!」
ますます自分が嫌いになる。欲望のままに動く体…その欲望に勝てないのは俺の方だった。
俺も衣服を整え鞄を手に取り部屋を出る。すると出た先に座ってるkrがいた。krは何も言わず指を指す。おそらくknが向かった方向だろう。俺はお辞儀をし、指された方へと走った。
sh「kn…駄目だ、今話さないと…絶対に後悔する。」
俺は必死でknを探す。立ち止まり辺りを見渡すと、遠くに見覚えのある姿が目に映る。俺はすぐに走り出した。
sh「knっ!待って!」
kn「…話す事なんてないだろ。」
sh「kn…俺が言った事覚えてるか?」
kn「え?」
sh「欲望を抑える事はできないって…俺間違ってた。出来てないのは俺だ。」
knが苦しそうな表情をみせる。
sh「昨日αに関する記事読み返した…同じ内容ばっかなのに、なぜかひっかかってはいたんだ。」
kn「それが全てだろ。」
sh「違う。自分が体験してわかった…。本当の内容もあるかもしれないけど、俺はΩが誘ったんじゃないかって思ってる。」
その言葉を聞いたknは不安な表情から悲しい表情に変わる。揺らいだ瞳は真っ直ぐ俺を見つめていた。
kn「……その話の一つはきっと俺の事だと思う。」
sh「え?」
kn「仲の良かった友達だった。まぁ俺は片想いだったけど…この前のshkと同じ状況になったんだ。」
sh「あの、ホテルの事か?」
kn「そう。俺は必死に襲わないようにしてた…けど相手はもう欲に溺れてた。俺の名前を呼び縋りついて俺を求めた。」
先ほどの俺を思い出す…。まるで一緒だ…。
kn「俺は確認した。何度も。相手も受け入れてくれた。」
sh「……。」
kn「…起きた時、俺は責められたよ。泣きながら、まるで昨日の言葉は無かったことにして…やっぱりαは最低だって…」
sh「kn…」
kn「…shkが調べたって言った時に俺の中で火がついた。真実なんて述べられてない…そんな世の中の話を見て、聞いて、何を調べたんだろうって。」
sh「俺…」
kn「意地が悪い事したよな。でもそうじゃないって知って欲しかった。怖い思いさせてごめん…。」
何も言葉が出なかった。knが俺に伝えていた事がやっと理解できた。俺は自然と涙が溢れる。
kn「でも、証明できないな。俺は結局我慢出来なかった。」
sh「それは俺が誘ったからだろ!もう、自分のせいにすんな!」
kn「…俺、怖いんだよ。自分が…それにΩだって…怖い。」
sh「…同じだよ。俺だって…自分が怖い。ヒートの自分を見ていつもげんなりする。αだって怖いって思ってた。けど!」
俺はknの腕を掴む。びっくりしたknの目は揺らいでいた。
sh「お前を見て俺はαへの見方が変わった!全員がそうじゃないけど、knだけは違うって、怖くないってわかった。」
kn「shk…」
sh「…お前が証明してくれたんだ。kn、有難う。」
knは泣いていた。俺はknを優しく抱きしめる。knは俺の肩に顔を埋めて泣いていた。
今まで辛かったんだろう…俺とは違う苦悩に悩まされて…俺と同じ、いや俺以上に苦しかったと思う。
sh「…俺の事、怖い?」
kn「怖くないよ。」
sh「俺も。」
お互いの顔を見る。二人とも涙で顔がぐしゃぐしゃだった。それを見て同時に笑い出す。
kn「ははっ!shkの顔!」
sh「knだって!」
この日、俺達は世界が変わったように見えた。今までの不安や恐怖が和らいで少しでも自分らしくいられた気がした。
続く。