──────めめさん視点──────
Hello everyone
そう挨拶した彼女を、私は見た事があった。今も変わらぬ容姿。そして、彼女のオーラだけでこの空間を支配するかのような圧倒的カリスマ。
──────1億年以上前。私が、神界から逃げる前に、私はこの神と会ったことがある。その見た目は、まるで少女のように見えるが、彼女は、いや、彼は男である。なぜ、彼が少女のような姿を模しているのか。1度だけ、聞いたことがある。苦い顔をされた後、彼は自身の胸元を指さしながら───
過去にふけろうとする前に、彼はラテさんを見つめ、大きく目を見開く。まるで、心底驚いているかのような。
「…ッ!?ラ____。いや、ブラック・ドッグ…?どうして、あなたが。____い、いいえ。それよりも。帰ってきたの?」
酷く動揺したかのような声が彼から発せられた。
──────ラテさん視点──────
───その時、私は『全て』を思い出す。
私は、地獄の猟犬『ブラック・ドッグ』。1億年以上、いや、それよりも長い間、ケロベロスと共に、地獄の門を守り続けてきた、地獄の門番であった。地獄のマグマを、ホットラテかのように私がよく飲んでいたから、地獄の知り合いからは『ラテ』というあだ名でよばれていた。
地獄を管理していたのは、意外にも最高神様ではなく、炎神様であった。そのため、しょっちゅう炎神様が地獄を訪れ、何回も通い、地獄について、詳しく把握なさるように努力しておられた。
───炎神様は、しばらくして亡くなられた。寿命であった。約5億年、という短い生を閉じられた。神は魂が残ることはなく、それは、力として代々継承されていく、はずであった。
本来ならば、すぐに次の代の炎神が地獄の管理をしに来るのだが、なぜだか来なかった。聞けば、炎神の力に耐えられる器がないらしく、急ぎ、下界で探している、との事だった。天使を依代にすればいい、と言ってみたが、それではダメらしい。天使は、あくまで神の使いであり、それ以上にも、それ以下にもなれない、というものだ。変なルールである。
しかし、地獄の管理をしないというのもまずいので、代理が来た。
───それこそが、目の前にいる『水神』である。
最初は、耳を疑った。灼熱をうたう地獄にその正反対である水の神が来るなんて。到底信じられた内容ではない、腑抜けだったら追い出してやろう、とケロベロスと話していた。
が、実際に来たのは、お上品な神だった。尚更呆気にとられ、何もいえなかった。しかし、彼女は仕事に対して、誰よりもひたむきに頑張っていて、いつの間にか、仲良くなっていた。
───聞いてしまった。
彼女が、神になる前を。下界で過ごした話を。
あまりにもな内容だった。それが、神として報われても、その種族として報われない過去に、神となった今でも縛られている現実に。
だから、私は禁忌の提案をしてしまった。
『───下界に逃げよう。』
その瞬間の、彼の瞳の輝きようは忘れられなかった。希望に満ち溢れ、自身を幸福だと思ってくれた彼の表情が、いま、鮮明に思い出される。
───私みたいな種族のやつや、神は下界には行けない。けど、なぜだか行けた。理由は、思い出せない。けど、下界に落ちる時、私たちは全てを捨ててしまった。『種族』を。『記憶』を。『力』を。『──』を。全てを失って、まるで、深い海に落とされるかのように、私達は下界に落ちていった。
───あの時私確かに無くしたはずの記憶が取り戻される。数億年以上もの昔の話なのに、今は、鮮明に思い出せる。魂に刻まれた何かを呼び覚ませたのだろうか。
いや、そんなことを気にしている場合ではない。何故ならば、私は。目の前にいる水神、いや───
「ウパ?」
「…?何を言ってるの?私は『水神』よ。あなたの、親友の。」
そう、かつて、一緒に下界に飛び降りた水神は、『ウパパロン』のことである。神という種族が消えた彼は、ウーパールーパーとして、第三の人生を、私ラテと共に、生きたはずだ。その時に、めめ村にあって、それで───。
「思い出せない?心配したんですよ!突然、『一人』で下界に飛び降りた!って聞いて…。その様子じゃ、記憶を失ってるんですか?ひとまず!さぁ、こっちに戻ってきてください。さぁ、早く!!そいつらは危険です!!」
───確信する。
「…記憶が無いのはあなたの方じゃないの?『水神』。あなたは、もう、私が知ってるうぱじゃない…!!!」
私が、そう言い切れば、水神は、微笑浮かべた後、1回瞬きをした後、表情を変える。
───目は黒く塗りつぶされたかのように見えなくなり、その口に浮かぶのは『無』であった。
「あら。間違えちゃったかしら。演技は申し分ないし、情報は合ってるはずなのだけど。」
そう言って、『水神』はことん、と首をかしげる。最悪だ。私だけ、この記憶を取り戻しても、ウパがこの状態じゃ…!!
「改めまして。皆々様、御機嫌よう。新人の神々がご迷惑をお掛けしました。さぞ、退屈で、神とは思えないもの達ばかりでしょう?まだ、彼女達は神になりたてなんです。ご容赦を。私は、14代目『水神』と言います。皆様のお友達の『うぱ』?というものと同一人物らしいですよ。最高神様が仰るには。」
水神はふふっと笑って、また、微笑をうかべる。
「そう興奮なさらずに。それでは、本来の神の力。とくとご覧あれ。」
そう言って、水神は私たちを敵として、排除しようとしてくる。
ここで切ります!皆様、お待たせしました!うぱさんの復活です!まあ、正確には『水神』として、敵としての再登場ですが…。ちなみに、うぱさん水神設定は初期から存在していました。どうやって、水神として姿を現すかは悩んでいましたが…。こういう形で登場させよう!そう思ったのはウパさんを不意打ちで殺した時でしたねー。ラテさん活躍?かは怪しいですが、ラテウパメイン回になりそうですね。ちなみに、ここら辺でもっと人数を減らしたいです。どうしよっかな〜って感じですね。
14万♡ありがとうございます!今回のイラストは、私が描きたかったものです(?)!
どぞ⤵︎ ︎
いえめめです!髪の描き方と目をこだわってかけたので、個人的に満足✨️しわは…描きすぎましたね、特にいえもんさんの服や、ズボンに…。そこは、まあ。何とかしたいですね()
それでは!おつはる!