──────ラテさん視点──────
「私がうぱさんをやります。神である私が適任ですから。」
めめさんがそう言いながら鎌を構え直す。その鋭利な刃は、うぱの首をきるくらい、造作もないことだろう。
───ただ、これに関しては譲れない。
「私にやらせてください。」
私は、めめさんに切り出す。めめさんは、少し戸惑った顔をして、こちらを見る。
しかし、相手はその判断を待ってはくれない。うぱは既に目の前に飛び込んできている。私は、すぐそばにいる、新しい雷神らしい神を炎で焼く。
「あ゛ッ」
炎に焼かれたことで、一瞬動きが鈍る。思いのほか簡単にひるむものだから少し拍子抜けしてしまう。が、そんな暇はなく、私は素早く、そいつをうぱの目の前に突き出す。
「ぇ?」
雷神が最後に残した言葉と共に、そいつは───うぱに丸呑みにされる。あっけなく、死体すら残らず飲み込まれる。その光景に、いえもんさんは顔色を変え、他のみんなは顔つきが険しくなる。
───まさか、仲間まで食べるとは。
「ん、ん〜✨️美味しい♪」
うぱは目を輝かせ、その味を堪能する。お行儀よく食べたらしく、血の跡すら残っていない。その目が、私を捕える。
「それにしても。よく知ってましたね〜私が丸呑みできること。」
「ハハッそりゃな。」
私は笑いながら返答する。丸呑みするのは、水神の特徴ではなく、ウーパールーパーの特徴である。本来ならば、自身の体長の二分の一程度しか丸呑みできないが、それは神の力で補っているのだろう。───と、言うことを昔、うぱから聞いた。
「めめさん、これで言うのは最後。───私に任せて。ケリをつけないといけないから。」
私がそう言うと、めめさんは呆れたような、しかし、どこか嬉しそうな表情を浮かべる。
「皆さん、ここはラテさんに任せて他の神をやりますよ!神は虫みたいにたっくさんいますから!さっさとやりますよ!」
そう言って、みんなはいっせいにバラバラの方に行き、いつの間にか周りにいた神に片っ端から喧嘩をふっかける。喧嘩どころでは無いが、なんてもう言わない。
「───さあ、やろう。『水神』」
「様、ですよ。」
私が、そう挑発すれば、水神は丁寧に訂正する。そのムカつくやり方は、昔と変わらない。変わったのは、記憶と人格だけだろうと信じている。
「フー…。先手必勝ッッ!!!」
私は、深い息を吐いてから、今度は打って変わって私から、水神に突っ込む。何故ならば、私は近接戦の方が得意だからだ。そもそも、うぱは普段は近接タイプでは無い。長距離からじわじわと攻め、最後に近接に切り替わるタイプだ。長距離で細々とやられるより、こっちの方が手っ取り早い。
私は、拳に炎を纏わせ、水神の頬に思いっきり殴り掛かる。
水神は避けようとせず、それをもろに食らう。あまりにも不自然な行動に少々驚く、が。すぐに納得する。
───ポチャンッ
水音が聞こえる。うぱの顔を貫通させた私の拳から聞こえたものだ。
───ボシュッ
私の炎が消えた音がする。呆気なく消えた炎。そう簡単に消えるものなのかと、目を疑う。が、それを考える暇はなく、すぐに私の腹にアッパーを食らわせてくる。重い一撃。水を圧縮させたのだろう。私の腹を、簡単に貫通してくる。しかし、私の体は、炎を吹き出しながら、再生していく。うぱの頬もいつの間にが再生。いや、満たされている。
「これを耐えるんですね。正直甘く見てました。」
水神は少しオーバーに目を見開き、驚きを顔に表す。これは長期戦になりそうだな、なんて思いながら私は次の一撃に思考をめぐらす。
水神は再生力と、回復特化の神だ。まず、間違いなく長期戦になる。私も、持久力や、再生はできる方だが、神と比べるとどうしても見劣りしてしまう。ただ、短期戦になれば、話は違うはず。さっさとケリをつけなければ。そのためには、水神の水を全て蒸発させる。そうすれば、水神は死ぬはずだ。そう、仮定を立て、実行する。
次は遠くから、火球を放つ。大小様々な火球が空を舞い、空を染める。それを、打ち消すかのように水神も正確に火球にあてる。それどころか、さらに手数を増やし、私が放つ以上の量を当ててくる。私も、それを防ぎつつも足に力を入れ、その場から離れないように踏ん張る。少しでも、力を込めなければ吹き飛ばされてしまうかもしれないほどの水圧だからだ。圧縮された水は、かなりの速度を持ちながらとぶ。
「馬鹿がよォッッ!!!」
私が、そう突然叫ぶ。ありがとう。バカ正直に撃ち合ってくれて。私は、足に力を込めて、準備したものを展開する。さすがに、この大技は時間をかけなければキツかった。
───突然、水神の頭が爆発する。立て続けに、腕、胴、太もも、足───あらゆる部位が爆発していく。バチバチッッと激しい音が立て続けに起こり、うぱの体から水分を奪う。
簡単である。最初に真正面に放つ火球と、地面に少しめり込んだ炎を放つ。真正面の方に注意を向けつつ、水神の背後に火球を集める。そして、程よく集まった時に、水神に食わせた雷神の雷とあわせ、大爆発を起こさせる。大爆発は水だけでは止められない。何故ならば水も電気を通すのだから、妨害はできない。それに、少しばかりの小細工もしたが…。それはまあいいだろう。
とりあえず、プランAは完了した。ここからは、推測だが───
「んー。これは舐めてましたね。脳筋馬鹿だと思ってましたが。作戦はたてるタイプの人でしたか。」
そう言って、水神はどこからともなく姿を現す。───推測が当たってしまったようだ。
「あぁ、あなたの予想通りですよ。私は寿命が尽きるか、水が無くなるまで生き続けますよ。まさか、ばらすことになるとは思いませんでしたが。」
───最悪だ。その一言しか、でてこなかった
ここで切ります!はい!お察しの通り、神界はラテさん編です!それプラスで誰かと誰かをやろうとは思っています。どーしよっかな〜。なんか、ここまで来るとみんな死ななそうでわかんなくなってきました。んー全滅エンドは回避できるのでしょうか?微妙ですね!正直自分でも分かりませんので!みなさんも、私も、ドキドキできる!素晴らしい(?)!
それでは!おつはる!