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5話 夜の梵天本部。
マイキーSide
夜。 幹部室の明かりだけが、静かに廊下を照らしていた。
マイキーはソファに深く腰掛け、天井を見つめていた。
(……あいつ、)
佐藤莉々。
三途の部下。
異常なほどの戦闘センス、冷え切った目。
「……妙」
ぽつりと、独り言。
普通の育ち方をしていない。
それだけは、確信できた。
コ「何がだ」
隣で資料を確認していたココが顔を上げる。
マ「莉々。あいつ、何か抱えてる」
コ「今さらだろ。全身から“訳あり”が滲み出てる」
マ「……あの目」
一瞬、過去を見るような、遠い視線。
思い出す。
会議中、ほんの一瞬だけ揺れた表情。
廊下で見た、異常な反射神経。
(……戦場育ちじゃねぇ)
(あれは、もっと……歪んだ環境だ)
コン、と扉を叩く音。
マ「入れ」
扉が開き、姿を見せたのは、件の本人。
莉々「……資料の追加分です」
机に書類を置き、すぐに下がろうとする。
マ「待て」
莉々「……何でしょう」
マ「昨日、何があった」
一瞬、空気が止まる。
莉々「……業務に問題が?」
マ「違ぇ。お前自身だ」
沈黙。
莉々はわずかに視線を伏せる。
莉々「……何も、ありません。」
マ「嘘つけ」
短く、鋭い一言。
マ「お前、何を見て育った」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
莉々「……」
言葉が、出ない。
(どうすれば良いのだろう
あれには踏み込むな)
(ここには、持ち込むな。。。)
莉々「…答える義務はありません」
マイキーは数秒、莉々を見つめた後、ふっと小さく息を吐いた。
マ「……そうだな」
それ以上、追及はしなかった。
マ「だがな」
立ち上がり、目線を合わせる。
マ「無理して潰れるな。ここじゃ、お前は“駒”じゃねぇ」
その言葉に、胸の奥がわずかに揺れる。
莉々「……承知しました」
それだけ答え、静かに一礼。
部屋を出た瞬間、肩の力が抜けた。
(……危ない)
(踏み込まれたら、ーーー)
廊下を歩いていると、角からひょこっと顔。
蘭「お疲れさま♡」
竜「顔色、悪くない?」
莉々「……通常運転です」
蘭「ほんと可愛げない♡」
竜「でも、さっきの雰囲気、ちょっとヤバかったよ」
莉々「……気のせいです」
蘭「隠すの下手だよ♡」
莉々「……」
無言で通り過ぎる。
背中に、視線。
(……気づかれてる)
(でも、まだいい)
私は、過去を語らない。
語る時は――
もっと先。
もっと、覚悟ができた時。
(主です!見てくれてありがとうございます!🙇🏻♀️)
コメント
3件
まーじで文才ありすぎる