満月が輝き、街を照らしてる。
とても綺麗で、美しい。
深夜の廃ビルの屋上で、月を見ながら僕は一歩前に出る。
僕の腐れきった心とは大違いだ。
「はぁ…..もう終わりか…..」
そう呟き、下を見る。とても高くて、落ちたら即死するだろう。
これでいじめからも、虐待からも解放される。
「じゃぁ….この腐って汚れた世界に、さよなら」
飛び降りようと自殺防止のフェンスを越える。
もうすぐで解放される。救済は目の前にある。
不意にガチャリと、扉が開く音が響く
『待って!!!』
僕は目を見開いた。だって僕の前に現れたのは….
「…..奏羽さん….?」
そう。星加奏羽。僕達が通ってる学校の生徒会長であり、僕をいじめてたグループの主犯格。
『自殺なんてやめて….こっちに来て….?』
疲れ果てた声でそう言うが、僕には軽く聞こえてしまう。
何故ならば、彼女はいじめグループの主犯格であり、最初に僕をいじめてきた人間である。
そして彼女は生徒会長である。恐らくだが、実績が欲しいのだろう。
1人の生徒の自殺を止めたという実績が。
「これは貴女達が招いた結果です。自分を悔いてください。」
あぁ、何故だろう。
彼女を見てると、苛つきが抑えられない。
『もう悔いてる….!もういじめはしないから…..! 』
そう涙目で言ってくる。
しかしもう僕は退かない、退けない。
もう後戻りはできない。
「さようなら」
僕は飛び降りた。
コメント
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なんかこういうの描けるのすごい、自分百合の悲しい話しかかけないけど普通の恋愛話で少し悲しいの描けるの憧れる(??)