──────いえもん視点──────
そこに現れたものはメテヲさんである。あんなにも壮大な”別れ”のようなものがあったというのに平然のように会いに来るとは多少なりとも調子が狂うものだ。いや、ヒナさんが出た時点で驚くべきだったのだろう。感覚が麻痺している。
普通ならば天使や天使まがいのものに会えるわけないというのに。
「何が起きたの?ヒナ。説明してくれない?」
メテヲさんは冷静にその場の状況の把握をしようとしている。ヒナさんが話始める前にめめさんが話し出す。
「我々は交渉がしたいんです。私たちを元の種族として、ではなくてめめ村として出たいです。それと、報酬は…。お察しの通りです。」
「んー?めめさんだけなら普通に連れていくよ。と、いうかついてきて欲しいな〜。」
「その交渉に応じるとでも?」
「んーダメか〜。」
なぜこんなにもめめさんを特別視するのか。ポーカーフェイスが困惑によって若干崩れかける。しかし、次の言葉でその場に緊張がはしる。
「応じた場合ここにいるものたち全員皆殺しにするつもりでしょう?」
その声に、瞳に、表情に、殺意と軽蔑がまじる。メテヲさんはきょとん、としたあと愉快そうな顔をして答える。
「当たり前でしょ?なんでめめ村チートキャラみたいなやつらを見逃すと思ったの。君たちは自身の実力を低く評価しすぎだ。」
メテヲさんは順に俺以外のめめ村の村民たちを見る。…ルカさんやガンマスがいないというのに疑問は無いのだろうか、それとも気にしていないのか…。俺には判断することが出来なかった。
「めめさんがいなければ大軍で潰しに来てるよ。めめさんは死神を召喚できるから非常に大変だしね。」
「私もあなた達と戦いたくありませんよ。いくら死神を呼び出せるからと言ってあいつに喧嘩を売るということは──────」
そこまで言いかけて、こほんとわざとらしく咳き込み、嘲笑を浮べる。
「あー!あいつは直接手を下せないんでしたっけw?いやー残念ですよ。だからあなた達みたいな下っ端が働いてるんですよね?」
煽るように言葉を紡ぎつつげるめめさんは相手の余裕を崩すかのように煽りを忘れない。俺は忘れていたのだ。普段のほんわかとした雰囲気に流されていたが。そう、対話は彼女ら──────めめ村が1番得意とする戦場なのだ。
「でも、実際ひとり仲間失ってるじゃん?めめさんが言うメテヲみたいな下っ端にw。」
メテヲさんも”元”とはいえめめ村の村民だったのだ。このくらいの煽りはお手の物のようだ。2人の間に火花が散る。
「不意打ちみたいな天使とは到底思えない行動をしたのはどちら…。いえ、この話はやめましょう。本題について、先程のことの了承をお願いします。」
「…いいよ。その方が面白そうだしね〜。か・わ・りに。」
メテヲさんはニヤリとあくどい笑みを浮かべる。その笑みはまるで悪魔のようだった。
「ほかの全ての種族を殺してね?そしたら生かしてあげるよ。」
「全てって言うと、天使もですか?」
「んーん。メテヲ達は審判。種族が全滅したりした時の放送係。それと、魂を消滅させたりする。だから対象外。」
「ふーん。あなた達は安全圏で見守るんですね?」
「…めめさんもでしょ?本当は。ね?」
メテヲさんは1泊開ける。…薄々察してはいたが、その現実はメテヲさんの言葉によって確信へと変わる。
「──────死神さん?」
その言葉にもめめさんは表情を変えず笑顔をうかべる。しかし、その表情は硬くなる。ギロリと青白い光をともした瞳をメテヲさんを射るように睨む。メテヲさんは気にしていないようで、その表情を満足気に見た後、背後にワープ路を作りだす。
「今回はその面白い表情を見られただけで十分だよ。いつでも、戻ってきてね?死神さん?」
メテヲさんはそう言ってヒナさんと共にここから去る。…しょっちゅう来る天使なことだ。…メテヲさんを天使と呼んでいいか定かではないが。
「…めめさんって死神だったんですね、。」
何となく、分かってはいたが。人間がこんなにも強いわけがないのだ。…ただ、もしかしたら。そんなことを思って、人間でも強くなれると思ってしまって。勝手に信じ込んでいただけだ。ひとりで勝手に舞い上がって。なかなかに滑稽だ。…これ以上追い込むのはやめよう。悪い癖だ。
「…すみません。人間の方が都合がいいって言うのと…。まあ、どうせバレてしまっているようだからいいです。もう、言いましょう。私は死神です。」
めめさんは案外あっさりと真実を言う。しかし、あまり驚く人は少ない。…人間が死神を召喚できるような強い能力を得ることが出来るわけないからだ。人間程度、そんな発言をすると、みぞれさんからちょっとした反論をくらう。
「人の真骨頂はその多種多様な考え方と統率性、数の多さですよ。人は非常に多いですからね。ほかの種族はあまり多いイメージはありませんね。特にドラゴンとか龍とかは。」
みぞれさんはちらりと八幡さんを見る。八幡さんはんま、と言ったあとみぞれさんからの話のパスに答える。
「そうだね、数十匹くらいいるんじゃない?」
「細かいところは気にしてないんですね。」
「私達は基本的単独行動だからね。自由奔放。まあ、人間の手で育てられた〜とか人工的は尚更分からない。龍とかドラゴン同士の会話の仕方なんて他種族が知るわけないからね。」
八幡さんはなんてことないように言う。自身の種族が人工的に、しかもその種族の仲間入りをするような立場になっているというのに気にしないとか、なんて思ってしまう。悪く言えば薄情に思えてしまった。
…そんなものなのだろうけど。
ここできります!昨日投稿サボってすみません。今日合唱祭だったんですよね。そのため、昨日早めに寝る必要があってそうすると小説を書く時間がなかった。というのが真相です。許してください。最近歌いすぎて喉痛いんですよね。だいぶキツイです。のど飴誰か持ってきて(?)ここから戦争パートが本格的に始まりますし、単独行動(めめ村内での)が増えると思います。…特に要望がなければカットしますし、もしかしたらその戦いの中で死亡するかもしれませんし、仲間割れが発生するかもしれませんし、イレギュラーが起こるかもしれません。まあ、コメントしてくれればそこの場面は書きます。言いたいことは分かりますね?モチベ用のハートとコメントください(切実)。
120話達成!てことで(?)記念イラストどぞ!
今回はルカさんです!私の絵柄ではかっこよく描くことはできませんでした…。許して。
それでは!おつはる〜!
コメント
24件
私めめさん推しなので、もしめめさんが単独行動するようだったら描写して欲しいです;;
うちに大量ののど飴余ってるんだけどいる?