首筋にすっと腕が巻き付けられると、身体を動かすこともできなくなる。
「……欲しいのでしょう? 本当は……」
低く声を吐きかけられた耳が、熱を孕みじわりと火照るのを感じる。
「……言ってしまえばいいんです……」
責めてくる、その抑えられた声音に、抵抗もままならない。
「言うんです。さぁ私が、欲しいと……」
彼の薄い唇が触れ、しっとりと押しあてられると、
「……あなたが、欲しい……」
もう、言わずにはいられなかった……。
──彼の部屋に着くなり、
「あなたには、お仕置きが必要なようですね」
寝室に連れて行かれ、ベッドの上に身体が投げ出された。
「……お仕置きって……、」
上から覆い被さる彼の顔を、身じろぎもせずに見上げ、言葉を呑み込む。
「……この私から、逃げようなどとした罰を与えると、そう言っているんです……」
言いながら、氷のように冷えた眼差しで私を見下ろすと、
「さて、どんなお仕置きをしてほしいですか?」
政宗医師がそう口にして、く…っと喉の奥で短く笑った。
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