テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


何をされるのかもわからず、小刻みに震える私の身体に、つと彼の手が伸ばされ、クッと両手が掴み上げられる。


そうして政宗医師は、自らのスラックスのベルトを引き抜くと、私の手首を合わせて引き縛り、そのままベッドの頭にある柵に括り付けた。


「…痛っ……」


きゅっと固く縛り上げられ、手首が締まって鬱血しそうにもなる。


「……ふっ」


その様子を、彼は小さく微笑うと、


「……いい恰好ですね」


そう呟いて、乱れた私の髪を梳くように、滑らかな手の平でゆっくりと撫で下ろした。


ひとしきり髪を撫でると、彼はそれ以上は何もしないまま寝室を出て行き、程なくして手にトレイを持って戻って来た──。


トレイの上には、ウイスキーのボトルと氷の入ったグラスが一つ置かれていて、彼は、ベッドに横たえた私の傍らに悠然と腰かけると、無言でグラスにウイスキーを注いだ。


私の方を時折り見やりながら、相変わらず何も手を出してくることもなく、ウイスキーのロックをただ飲み続けるのに、


「……。……何を、してるんですか……」


と、訝しい思いで口を開いた。


「……何を?」


と、彼がこちらへ顔を向けて、


「アルコールを飲んでいるのです。見てわかりますよね?」


そう白々しく答えると、飲んでいたグラスをわざとらしく掲げて見せた。

loading

この作品はいかがでしたか?

65

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚