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何をされるのかもわからず、小刻みに震える私の身体に、つと彼の手が伸ばされ、クッと両手が掴み上げられる。
そうして政宗医師は、自らのスラックスのベルトを引き抜くと、私の手首を合わせて引き縛り、そのままベッドの頭にある柵に括り付けた。
「…痛っ……」
きゅっと固く縛り上げられ、手首が締まって鬱血しそうにもなる。
「……ふっ」
その様子を、彼は小さく微笑うと、
「……いい恰好ですね」
そう呟いて、乱れた私の髪を梳くように、滑らかな手の平でゆっくりと撫で下ろした。
ひとしきり髪を撫でると、彼はそれ以上は何もしないまま寝室を出て行き、程なくして手にトレイを持って戻って来た──。
トレイの上には、ウイスキーのボトルと氷の入ったグラスが一つ置かれていて、彼は、ベッドに横たえた私の傍らに悠然と腰かけると、無言でグラスにウイスキーを注いだ。
私の方を時折り見やりながら、相変わらず何も手を出してくることもなく、ウイスキーのロックをただ飲み続けるのに、
「……。……何を、してるんですか……」
と、訝しい思いで口を開いた。
「……何を?」
と、彼がこちらへ顔を向けて、
「アルコールを飲んでいるのです。見てわかりますよね?」
そう白々しく答えると、飲んでいたグラスをわざとらしく掲げて見せた。