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戦場は激しい異能の衝突で震え上がっていた。
乱歩の推理による破綻狙いの攻撃が敵の異能を次々に崩し、虚筆連盟の防衛線が崩壊し始める。
エリナ・ポーターの罠機巧も瓦解し、チャールズ・ディケンズの物語支配は形を失った。
大佛次郎の影絵は薄れ、虚筆連盟の結束は音を立てて崩れていく。
「撤退だ! 生き延びろ!」
エマニュエル・レヴィナスが叫ぶ。
数人の虚筆連盟メンバーが混乱の中で撤退を開始する。
有栖川は冷静に見極める。
「全員は無理でも、少数は逃がすしかないわね……。」
乱歩は険しい顔で答えた。
「だが、逃した者はまた戻ってくる。生かしておくわけにはいかない。」
ポオが拳を握りしめる。
「逃がすな、ここで叩き潰そう。」
末広鐵腸はまだ疲弊しきっていなかった。
「この戦いは終わっていない。最後まで斬り捨てる。」
撤退する虚筆連盟の一部を定番組が追撃。
それは次なる戦いの序章に過ぎなかった。
戦場の煙が晴れゆく中、国家機構は再編を余儀なくされ、定番組は正式に国家防衛組織として独立することが決定する。
乱歩と有栖川は静かな場所で次の事件の捜査に向かう。
有栖川が小さく囁いた。
「君とだから解けた事件だよ。」
乱歩は微笑むが、その横でポオが嫉妬に眉をひそめていた。
「……まだまだ、俺の出番は終わらないな。」
物語は、終焉を迎えながらも、新たな始まりを告げて幕を閉じる。