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【登場人物紹介】
fu(ふうはや)若き冷酷な主人。周囲を凍りつかせる圧倒的な威圧感と神速の剣技を持つ。身代わりのrmを誰よりも大切に想っているが、冷酷な主人の仮面と不器用さのせいで素直になれない、絶賛「両片思い」中のツンデレ。
rm(りもこん)fuの身代わり(影)を務める少年。驚異的な身体能力と天性の勘を持つが、頭の中はいつも食べ物のことでいっぱいの超天然。fuへの深い「恋心」をハッキリと自覚しており、いつか自分の想いが届く日を健気に夢見ている。
kz(かざね)fuの冷静な側近。その圧倒的な実力と美しい容姿から国中で絶大な人気を誇るカリスマ。普段は眼鏡だが、任務中だけはコンタクトレンズに変えていた。手帳を片手に屋敷の構造を冷徹に分析する。実はsyuと付き合っている。
syu(しゅうと)お調子者の側近。主人であるfu様やrmさんに対してはしっかりと「敬語」を使うが、恋人であるkzに対してだけは心を許した「タメ口」になる。kzのことになると独占欲を見せる、頼れる男気心の持ち主。今回の『プレゼント探しゲーム』を企画した張本人。
【敵国での激闘とrmの退院から数日後】
本国にあるいんくの屋敷の広々としたリビングには、いつもの四人が集まっていた。
退院祝いの代わりに、屋敷のあちこちに隠された「合計4つのプレゼント」をrmがすべて探し出すという、syuが企画したゲームが始まったのだ。
いつも通り主人のfuは、腕を組んで冷徹な表情を崩さない。
しかし、その鋭い視線は、嬉しそうに部屋中をキョロキョロと見回しているrmの姿をじっと追いかけていた
fu「……おい、rm。なぜお前はさっきから、プレゼントを探さずに暖炉の薪を一本ずつ熱心に数えている。時間の無駄だ」
fuが低い声で睨みつける。その目は、今にも目の前の天然な身代わりを庭の池に沈めかねないほどの鋭さだった。
しかし、rmはほわほわとした天然な笑顔を浮かべた。
rm「え? だってfuさん、この薪、よく見たらさっきの敵の城で私を貫いた『あの矢』の太さに似てません? 懐かしいなぁって思って!」
fu「……不吉なものを懐かしむな。お前は私の『影』だろう。これ以上私をハラハラさせる前に、さっさとプレゼントを見つけて部屋に戻れ」
fuは冷酷に突き放す。
だが、fuのジャケットのポケットには、rmが道に迷ったり間違った場所を探したりしないよう、こっそり作成した「詳細な屋敷の地図」が隠されていた。
本当は、rmに早く喜んでほしくてたまらないのだが、不器用さで素直になれないだけなのだ。
そんなfuの様子を横目に、kzが冷静に手帳のページをめくる。
kz「fu様、rmの迷子に付き合っている暇はありません。私が算出した確率論によれば、syuが隠した『1つ目のプレゼント』の場所は、このリビングの北側にある隠し扉の奥である可能性が87%です。効率よくそこへ案内するのが最善かと」
眼鏡を押し上げたkzの切れ長の瞳は、宝探しに対しても一切の容赦がない。
自国で絶大な人気を誇るカリスマ側近は、分析能力も圧倒的だった。
syu「fu様、rmさん、ぜひそこを探してみてください!っていうかさ、流石かざねさん。俺の隠し場所を一瞬で見破っちゃうの寂しいんだけど〜!」
syuが甘えるように隣のkzを覗き込む。
すると、kzはフイと顔を赤くして、syuの手を優しく握り返した。
kz「……仕事とプライベートは別です、syu。……ですが、あなたがこの屋敷のあちこちに、rmの喜びそうな仕掛けを一生懸命隠して回っていた姿は、その……嫌いではありませんでしたよ」
syu「おっと、それは嬉しいね。かざねさん、付き合って長いのにそういう不意打ちのデレは俺の心臓に悪いわ」
付き合っている二人が、プレゼント探しの最中にもかかわらず、いつの間にか小さな世界を作って楽しそうに話し始める。
それを見たrmは、ほわほわとした笑顔でfuの服の袖をきゅっと引っ張った。
rm「fuさん、見てください! しゅうとさんとかざねさん、やっぱり今日も探検中にお砂糖がいっぱい出てて甘いですねぇ。……あ、fuさん! 隠し扉, 見つけました! でも重くて開きません、助けてください!」
fu「(rmの細い手元を見て、限界まで赤くなった顔を隠すように怒鳴る ……っ、rm!! 人の袖を引っ張るな、服がヨレるだろう!! お前は本当に大バカだな、ほら、退いていろ!」
fuはぶっきらぼうに文句を言いながらも、rmの代わりに重い隠し扉を片手で軽々と押し開けてやった。
その奥の棚に置かれていたのは、rmがずっと欲しがっていた、焦げ目のつかない『最新式の最高級オーブンレンジ』だった。
rm「わぁ……!! 最新のオーブン! これで次は絶対に焦がさないで、fuさんに美味しいクッキーを焼けます! ふふ、fuさん、扉を開けてくれてありがとうございました。……やっぱり大好きです!」
見上げてくるrmの瞳は、どこまでも純粋で、濁りがなかった。
fuさんはただの仕事として私を守してくれただけかもしれないけれど……。
私のこの胸のドキドキは、もう隠しきれないな……
rmは自覚している恋心の愛おしさに胸をときめかせる。
どうして私の心臓はこんなにうるさいんだ。お前のために買ったと言わせるな
と、冷酷な仮面の下で爆発しそうになっているfu。
完璧に両片思いの二人の距離は、見つかった1つ目のプレゼントを挟んで、ほんの少しずつ、けれど確実に縮まっていた。
kz「……だそうです、rm。そのオーブン、実はfu様が自分のブラックカードを使って、自国の最高職人に特注で造らせたものです。さて、喜びを噛み締めるのもいいですが、まだプレゼントはあと3つ残っていますよ」
syu「そうですよ、rmさん! それでは『2つ目のプレゼント』のヒントです。屋敷の2階の東側廊下にある、大きなクローゼットの中を探してみてください!」
rm「わぁ、次は2階ですね! fu様、一緒に行きましょう!」
rmはさらに目を輝かせ、まだ真っ赤な顔をしているfuの腕を引っ張ってリビングを飛び出した。
付き合っているsyuとkzも、肩を並べてその後を追う。
階段を駆け上がり、一行は2階の東側廊下へとやってきた。
そこには歴史を感じさせる大きな古木のクローゼットが佇んでいる。
rm「よし、開けますよー! ……よいしょっ!」
rmが両手でクローゼットの重い扉を勢いよく開けると、そこに掛けられていたのは、見事な深緑色をした一着の上着だった。
手触りの良い上質な生地で仕立てられており、rmの体型にぴったり合うように仕立てられている。
rm「あ! 『緑色の上着』だ! すごい、これ私の大好きな色です! 生地も柔らかくて、着てみたらすごくあったかい気がします!」
rmはさっそくその緑色の上着を羽織り、嬉しそうにその場で何回も足踏みをした。
fu「……ふん。少しはマシな格好になったな。お前はいつもペラペラの服ばかり着ているから、またすぐに風邪をひいて任務に支障が出る。……防寒性能の高い生地を、私が選んでおいて正解だったな」
上着を羽織ったrmの姿をじっと見つめ、喉を鳴らす
rm「えっ! fuさん、これもfuさんが選んでくれたんですか!?」
fu「……ち、違う!! 私が選んだのは耐久テストの指示だけだ! お前がすぐに服を破くから、最高級の防刃繊維を織り交ぜさせただけだ、勘違いするな大バカ!!」
ハッと我に返り、顔を真っ赤にして怒鳴る
fuはもどかしそうにフイと顔を背けたが、自分の贈った上着を嬉しそうに抱きしめるrmを見て、口元が緩むのを必死に堪えていた
rm「ふふ、やっぱりfuさんは世界一優しいです! 私、この上着、一生大切にしますね!」
fuさんはいつも耐久性のためって言い訳するけれど、私のためにこんなに素敵な服を夜通し考えてくれたんだ……。やっぱり、fuさんのことが本当に愛おしいな……
rmは緑色の上着の襟元に顔を埋め、自覚している恋心の深さにトクン、と胸を熱くさせていた。
kz「……素晴らしいですね。fu様が夜な夜なrmの寸法表を睨みつけながら、自国のトップデザイナーに何度も修正させていた甲斐がありました。これで2つ目のプレゼントも回収完了です」
手帳にサラサラと書き込みながら、眼鏡の奥の瞳を細める
syu「ふふ、fu様、rmさんのために夜通し服のデザインチェックをされていたのが完全にバラされてしまいましたね。相変わらずのツンデレで安心しました。さあ、そのままの勢いで西側の図書室へ行きましょう! 『3つ目のプレゼント』が待っていますよ!」
四人はそのまま廊下を渡り、大きな木製の扉を開けて図書室へと移動した。壁一面に古い書籍がぎっしりと並ぶ中、大きな天体観測用の机の上に、ポツンと小さなベロア生地の高級感漂うケースが置かれていた。
rm「あ、これですね! 開けてもいいですか?」
rmがそっとケースを開けると、そこには美しく輝く一軸の高級な万年筆が収められていた。
その側面には、職人の手によって『rm』と、綺麗な飾り文字で彼の名前が刻印されていた
rm「わぁ……!! すごく綺麗なペン! これ、名前が入っています!」
syu「正解です! それは僕とkzさんからの退院祝いですよ。rmさんはいつも活動日誌を書くとき、インクを派手にブチ撒けてペン先を何本も破壊してしまいますからね。kzが最も頑丈なペン先を選んで、俺がrmさんの名前を彫ってもらったんだ」
kz「正確には、rmの筆圧の癖を私が三日間にわたり完全分析し、どれだけ強い力がかかってもインク詰まりを起こさない特殊合金製のペン先を特注しました。……rm、怪我からの完全復帰、おめでとうございます。これからもfu様の良き『影』として、任務の記録を正確に残してください」
国一番の人気を誇るカリスマ側近でありながら、rmのために裏で細やかな分析と配慮を重ねていたkz。
主人たちには丁寧な敬語を使いながらも、恋人であるkzには優しいタメ口で誇らしげに語るsyu。
側近二人の温かいお祝いの気持ちが、その一本のペンにしっかりと詰め込まれていた。
rm「kzさん、そしてsyuさん……! ありがとうございます! 私、これからはインクを爆発させないように、この素敵なペンで毎日fuさんのカッコいいところをたくさん日記に書きますね!」
fu「……rm。お前は私の影だ、活動日誌に私の容姿に関する無駄な主観を書き殴るな。……だが、kz、syu。よくやった。こいつが毎日ペンを壊して、その度に備品申請の書類が私の机に積み上がっていた無駄な時間が、これでようやくゼロになる」
fuは相変わらず冷酷な口調で二人の功績を評価する。
だが、その視線は、大切なrmが周囲の仲間たちにどれほど愛されているかを実感し、冷酷な仮面の下で心底ホッとしたように柔らかく緩んでいた。
rm「ふふ、fuさんも嬉しいクセに、またツンツンしちゃって。……でも、これで3つ集まりました! しゅうとさん、最後の『4つ目のプレゼント』はどこですか?」
syu「最後の一番大事なプレゼントはですねfu様の私室の、一番大切な場所に隠してありますよ、rmさん」
三つのプレゼントを手に入れた四人は、いよいよ屋敷の最深部にある、fuの私室の前へと辿り着いた。
重厚な木製の扉をゆっくりと押し開けると、そこは主人の部屋らしく、洗練された静けさに満ちていた。
rmは部屋の中央にある大きなデスクへと、トコトコと迷わず歩み寄る。
そこには、漆黒のケースに収められた、細身の小さな『鍵』が一つ、静かに置かれていた。
rm「あ、鍵だ。……fuさん、これ何の鍵ですか? もしかして、また私を閉じ込める軟禁部屋の鍵ですか?」
ふわふわした独特な口調で問いかけるrmだったが、その瞳は、何かを期待するようにキラキラと輝いていた。
一番右側に立っていたfuは、爆発しそうに顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
fu「……バカが。誰がそんな趣味の悪い部屋の鍵を用意するか。……それは、この屋敷の『正門の鍵』だ」
rm「え? 正門の鍵って、もうkzさんから貰ってますよ?」
キョトンとするrmに、中央左のkzがそっと眼鏡を押し上げ、冷徹なようでいて温かい声を響かせた。
kz「rm、それはただの『通行用の合鍵』ではありません。fu様が、その鍵の管理権限をすべてあなた個人に譲渡するという契約書付きの、本物の『主人の身内専用の鍵』です」
syu「そうですよ、rmさん! つまりfu様は、『身代わりとしての契約期間なんか関係なく、これからはこの屋敷をお前の本当の家として、ずっと僕のそばにいろ』って言っているんです。直接言えないから、プレゼントにしたんですよ!」
rm「えっ……!!」rmは驚き、手の中の小さな鍵をじっと見つめた。
fuさんはいつも冷酷なフリをして、本当は私と同じ気持ちだったんだ。私の恋心、ちゃんとfuさんに届いてたんだ!
ハッキリと自覚していた自分の恋心が、ついに報われたことを確信し、rmの胸の奥は言葉にならない幸せで満たされた。
rm「fuさん……。私、本当にずっと、ここにいていいんですね……?」
rmは小さな鍵を胸元にぎゅっと抱きしめ、涙をポロポロと溢れさせながら、いつものへにゃりとした最高の笑顔をfuに向けた。
rm「私……fuさんのことが、身代わりとしてじゃなくて、ひとりの男の子として、ガチで、世界で一番大好きです!! だから、一生fuさんのそばにいますね!」
自分の恋心を堂々と真っ直ぐに伝えた、rmからの最高の告白
fu「……っ、rm!! 声が大きい、廊下に響くだろう!! 誰がそんな大袈裟な意味を込めたと言った! お前がいなくなると、私の部屋の掃除の効率が落ちるから……っ!」
顔から火が出そうなほど真っ赤になり、限界を迎えて怒鳴り完全にキャパオーバーを起こして取り乱す冷酷な主人。
しかし、fuはそっぽを向いたまま、rmの小さな頭を、愛おしそうにその大きな手で乱暴に、けれど最高に優しくクシャクシャと撫で回した。
その顔には、隠しきれないほどの極上の幸せが溢れていた。syu「fu様、顔が完全に茹でダコですよ! 俺たちの『お砂糖(ご馳走様)』メーター、マジで限界突破したわ」
kz「ええ、実にもどかしい二人でしたが、これでようやく私のスケジュール管理も正常化します。……syu、私たちも邪魔者は退散して、プライベートな時間に戻りましょうか」
syu「さんせーい! じゃあfu様、rmさん、退院お祝い兼、両思いおめでとうございまーす!」
付き合っている先輩側近コンビが、二人だけの時はタメ口で仲良く腕を組み、楽しそうに部屋を去っていく。パタンと静かに扉が閉まり、私室には両片思いを卒業した二人の姿だけが残された。
rm「ふふ、fuさん、最新のオーブンで早くクッキー焼きたいです! 今度は焦がしませんからね!」
fu「……ただの炭になったら承知しないからな。……おい、rm」
fuはぶっきらぼうにrmの腰を引き寄せると、その小さな身体を、今度は力強く自分の胸の中に抱きしめた
fu「……もう二度と、私の側から離れることは許さん。……おかえり、rm」
冷酷な主人の仮面は、自分の恋心に気づいて真っ直ぐアプローチしてくれた、最愛の身代わりの前ではもう完全に役目を終えていた。
四つのプレゼントといんく家の深い絆に包まれるのであった
お久しぶりです。みらーぼーるです。
みなさま、長らく待たせてしまい申し訳ございませんでした。
これからは、なるべく早く作品が出せるように頑張ります。
次回 = 700
コメント
1件
第16話、めちゃくちゃ良かったです…! プレゼント探しゲームでrmの天然っぷりが炸裂してるのに、実は全部fuの愛が詰まってるってのがもう…最高の「お砂糖」でした。正門の鍵を「身内専用」で渡すとか反則すぎるでしょ! 最後にfuがrmを抱きしめて「おかえり」って…待って、心臓持たないわ。syuとkzのカップルもスパイス効いてて、四人のバランスが完璧でした。続きめっちゃ楽しみにしてます!
気まぐれ@🎨
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