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日本さんの愛するイギリスさん視点です

⚠️後半がとても適当(懺悔)
















「おはようございます、イギリスさん!」

「…おはようございます…」

あぁ、また朝が来てしまった。

シャッとカーテンを開かれ、いつもと同じ声に起こされ、イギリスの1日が始まる。

今は何時だろうと少し時計を探しては、見つからずに諦めて、 シーツの上に身を投げ出した。

日本のダルマのように醜く四肢の切り取られた体では、起き上がるという簡単な動作ひとつままならない。

「イギリスさん、まだ眠いんですか?ふふ、お寝坊さんなんですから」

ぼんやりと日本を見つめ、形骸化した恨みの念を送る。

イカれポンチには無論通じず、汚らしい手で頰を撫でられた。

大人しくしていることしかできず、イギリスは不快感と無力感に打ちひしがれる。

軟禁された当初は四肢がないなりに暴れて抵抗していたのだが、子供の駄々を嗜めるようにされ、自尊心をパッキリ折られてしまった。

この生活がいつ終わるのか考えたくもないが、ただ言えるのは、己を殺し続けることしかできないということ。

「ご飯作りましたから、もう起きてくださいね。運んであげるので。あぁ、お着替えもしなくちゃ」

「はい、わかりました…」

全てを見通すような濁った赤い目に見つめられ、ルーティンをこなす。

きちんと返事をしたことに満足したのか、日本は もぞもぞと蠢き起きようとする 自分を抱き上げた。

「相変わらず軽いですね、お腹の中身入ってるんですか?」

「入ってますよ…」

軽いのはあなたのせい。

その言葉を紡げば、自分はきっと床に叩きつけられる。

無難で怒らせないような返事を考えて、毎日このサイコパスから生き延びているのだ。

サイドテーブルに置かれた洗面器とタオルで顔を拭かれ、鏡の前に。

(…なんて醜い、まるで虫ではありませんか)

鏡は、好きだった。

日本に軟禁され、手足を奪われる前まで。

自分の美しい容姿をありのまま写し出してくれるから。

でも、でも日本が自分のこの容姿を自分のものにしたがったから、だから自分の姿なんて、もう嫌いだ。

大っ嫌いだ。

「今日はどんなお召し物が良いでしょうか?僕のお姫様」

日本は異常者だった。

四肢がなく甲虫のような自分を着せ替えさせて、似合う似合うと言い続ける。

普通の衣服だけじゃなく、女物のドレスなどのスカートやアクセサリー、コスプレのようなものさえ着せられた。

「今日は少し肌寒いですから…ニット素材のベストも着ましょうか」

「…はい」

気持ち悪い。

自分から何もかも全て奪った手で触れられる。

気持ち悪くて、でも逃げることはできない。やたらと大きなクローゼットの中から、ある程度好みの服装が出てくる。

よかった、今日は男ものだ。

女ものを着せられるより、苦しくない。

服を着せ替えられ、また抱えられる。

彼は自分のことを恋人だと認識しているようだけれど、言葉ひとつ間違えたら、彼が好きな顔を傷つけたら、自分に似合う服を汚したら、そうしたら大怪我をさせられるなんて、恐怖でしかない。

昔は普通の良い関係を築いていたのに、いつからこう狂ってしまったのか。

何の変哲もない廊下を抱えられて移動し、軟禁部屋から見慣れてしまった食卓へ。

毎朝毎朝同じように繰り返され、まるで映画の世界にいるようだった。

フィルムを巻かれて同じ日々を繰り返しても、苦しみだけは増幅している。

あぁ、どうしたら良いというのだろうか。

これは日本が脚本した日本にとって都合の良い日本のためだけのストーリー。

自分演者のことなんてまるで考えていない、独りよがりの寂しい劇だ。

日本監督がお気に召さないなら撮り直しされ、狂言よりも滑稽に演ずることを求められる。

どれだけ頑張ったところで、自己満足の映画は他者へ公開されることはなく、ただ彼が楽しいだけだ。

頭のおかしい監督は、演者にとって我慢ならないストレスである。

我慢できなければ、クビにされるのだけれど。








「ほら、ちゃんと座ってください」

「…」

女児が好む人形のように関節を好き勝手触られ、クッションが敷かれたバランスの悪い椅子へ着席させられる。

「まだ拗ねてるんですか?今日はイギリスさんの好きなもの作ったので許してくださいよ」

確かに良い香りが鼻を掠め、空っぽの胃が食べ物をくれと主張し始めた。

「じゃじゃーん!エッグベネディクトです!」

「…美味しそうですね」

「ふふん、そうでしょう?あーんしてあげますから、一口食べてみてください!」

食べてみて、と言いながら無理矢理口を開かせられ、切り分けられたエッグベネディクトを詰め込まれる。

「ん…」

何が入っているかわからないものを食べたくはないのだが…吐いたら怒られるじゃ済まない。

フォークの先を引き抜かれ、少し咀嚼するとまた次が来る。

段々と口の中がいっぱいになってきて慌てるイギリスを見て、日本は幸せそうに微笑んだ。

朝起きて、眠って、寝ている間も彼の好きなようにされる。

「はい、どーぞ♡」

この生活をしている限り、イギリスは日本のものだ。

きっと世界中の誰よりも歪んでいて、世界中の誰よりも不幸になる2人。

解放の時は、まだこない。






朝食を食べ、食器を片付けられた後、口周りを綺麗に拭かれ、また抱っこされる。

日本はイギリスを軟禁するためだけに切り替えた在宅の仕事のため、部屋に戻る必要があった。

日本は常にイギリスを側に置きたがる。

理由を聞くと、愛しい人は近くにいてほしいから、としか返ってこない。

真意は不明だが、おそらくは嘘でもないのである。

「それじゃあイギリスさん、今日も膝の上で大人しくしていてくださいね。すぐ終わらせますので」

「…はい」

テディベアの如く日本の膝の上に座らされると、落ちたり逃げたりしないようにベルトで繋がれた。

ただぼーっとしているだけなのに、日本がいるだけでこんなに恐ろしい。

にこにことご機嫌な日本はパソコンを開き、やがて仕事を始めた。

かつて自分もしていた退屈な仕事だが、今となってはあの忙しい日々に戻りたくてしょうがない。

会社で上司と部下という関係だった2人は、日本の一方的で熱烈な愛によって壊れ、恋人という名の飼い主とペットと化した。

カタカタ、ポチポチ。

日本の息が微かに当たる時、イギリスはいつも気味の悪い暖かさに顔を顰める。

静かだった。

天気も良いし、ただぼーっとしているだけでいい。

でも言いようのない不快感が腹の底に渦巻いている。

窓際で小鳥がさえずった。

鳥が羨ましい。

自分にも翼があったら、腕がなくたって自由な空を飛び回れるのに。

今この瞬間イギリスにあるのは、日本のためだけに生きる義務だけだ。

狂うことも、誰かを愛することも、死ぬことすら許してくれない。


君のためならなんだってできる。


日本のその言葉は真であり、イギリスを長く苦しい牢獄へ閉じ込めた。

















「ねえイギリスさん、僕とお話ししましょう?」

「…」

なんだかもうとても疲れてしまった。

返事をする気も起きなくて、日本の胸に身を預けてみる。

すると日本からも体重がかけられ、支え合うような形になり、また少し不快になった。

仕事を終えてイギリスを愛でながら、返事もないままに日本は話を進める。

「昨日ね、アメリカさんに会ったんです。相変わらず大層女性にモテていまして…あ、もちろん私はイギリスさん一筋ですよ」

アメリカ。

自分の息子の名を聞き、イギリスはあの太陽よりもやかましい綺麗な笑顔をする男を思い出した。

早く助けにきてくれと願っていたが、イギリスはきっと死んだことになったらしい。

誰も来てくれやしない。

何年経ったかわからないが、日本以外誰もこの家を訪れないのだもの。

あぁ、なんだか本当に疲れてしまった。

考えることはもうやめにしよう。

自分が助からない。

そのことをずっと考えていたら疲れて疲れて仕方ない。

睡魔がイギリスに囁く。

このまま永眠してしまえたら…なんて楽なんだろう。

ぼんやりと船を漕ぎ、イギリスは意識を薄めさせる。

「イギリスさん、ベッドへ行きますか?」

「ん…いや…です…」

本当は今すぐ眠ってしまいたい。

けれどそうしたら、日本はイギリスを手酷く抱くだろうから。

仕事に疲れた日本は、性欲発散のためにイギリスをレイプすることが多かった。

「ですがもう限界でしょう。ほら、そのように眠そうなまま過ごしては紳士らしくありませんよ」

「いやです…」

眠気を無くすためと理由をつけて、身を貫かれる。

それだけは嫌だ。

夜になったら、どちにしろ抱かれるとしても。

あぁ、本当に眠気がひどい。

首を振っても嫌と言っても、あぁ、あぁ、このままではいけない。

「そういうところも好きです…♡」

甘く甘く、蜂蜜より、砂糖より、甘い声が耳を突き抜ける。

こんな目に遭うくらいなら、狂ってしまいたい。


その日、砂糖の中に沈められたイギリスは、末長くしあわせにくらしました。

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