つーづきっ
大森「待って!」
振り返ると涼ちゃんはなぜか、僕が呼ぶのを待っていたかのようにこっちを向いていた。
藤澤「なぁに。」
ゆっくり近づいてくる。
大森「ごめん、どうしても伝えたいことがあって。」
藤澤「うん?」
心の中で覚悟を決め、涼ちゃんの瞳を真っ直ぐ見据える。
大森「涼ちゃん。」
震える声で想いを絞り出す。
大森「…好きです。」
大森「ずっと…僕はずっと、貴方のことが好きでした。」
さぁっ、と一気に周りの音が消えた気がした。
ぎゅっと締め付けられるような感覚の合間にドクドクと高速で跳ねる心臓。
じわじわと汗が溢れ、くらくらとしてくる。
藤澤「それ、ほんと…?」
大森「…うん、ほんと。」
僕がそう答えると、涼ちゃんは何かを考えるように黙ってしまった。
あぁ、もしかするとこの素晴らしい関係も今日で終わってしまうんだろうか。
…そんなのは嫌だなぁ、
涙が出そうになるのをどうにか堪えながら返事を待つ。
あぁ、どうか神様。
この関係を殺さないで。
お願いどうか愛していて。
不安になるから何回だって祈り続ける。
しばらく続いた沈黙の後、涼ちゃんが静かに言葉を零した。
藤澤「…はぁ。ずっと待ってたんだからね。」
え、?どういうこと…?
“ずっと、まってた”?
涼ちゃんは僕の手を取り、目を合わせてもう一度、ゆっくりと口にした。
藤澤「僕も、元貴のことが好きだよ。」
大森「ほ、ほんとに、?」
藤澤「うん、ほんと。嘘じゃないよ。」
その言葉を聞いた瞬間ずっと我慢していた涙が溢れてしまう。
信じられない。これは夢?
ほっぺたをつねってみると普通に痛い。
あぁ、これって現実なんだ。嬉しいなぁ…
藤澤「ごめんね、どうしても元貴に言って欲しくて。意地悪しすぎちゃったね。」
そう言いながら温かいハグをくれる。
あぁ、よかった。ほんとうによかった…
僕はしばらく涼ちゃんの腕の中で泣き続けた。
…
藤澤「そろそろ落ち着いた?」
大森「うん、ありがと、」
涼ちゃんの手を握るとだいぶ冷たくなっていて、かなりの時間泣いてしまっていたことに気付く。
大森「あ、ごめん、寒かったよね、!ど、どうしよ…」
悩んだ末、僕の太ももで手を挟んであげると、 涼ちゃんの肩が少しだけ震えた。
大森「これであったかいでしょ、?」
自信満々に涼ちゃんの顔を見つめると、すごく驚いた顔をしていた。
あれ、なんか変なことしちゃった?
藤澤「ほんとそーゆうとこ…///」
『無自覚なのずるいよ、』
そう小さく零してそのまま僕の胸に顔を埋めた。
藤澤「ねぇ、この後僕の家来ない?」
大森「え、行きたい!けど…なんで?」
涼ちゃんの家は落ち着くから誘われたら絶対行く。だけど突然?
藤澤「なんで、ってわかるでしょ。」
顔を上げて僕の顔を下から掬うように持ち上げる。
ちゅ。
控えめなリップ音が響き、唇にふわふわの何かが当たる感覚がした。
今…キスされた、?
固まっていると涼ちゃんが僕の目を優しく見つめながら、少し意地悪にこう言った。
藤澤「この続き、したくない…?」
長かったー、いやほんとくもりさんリクが最高すぎるんですよね…!!
これからもお願いしたいくらいです(?)
リクエストありがとうございました💖
今回ミセスの歌詞とか小ネタ多めなので見つけた方いらっしゃいましたらコメントに🙏
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お久