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夜、大阪のホテルの駐車場。トオル、ユウジ、タクミ、ユウトはそれぞれの車を囲み、最終調整を行う。トオルは180SXのエンジンをチェックし、「ミスターKに勝てば、ケンジさんのパーツが手に入る」と気合を入れる。ユウジが「俺のシルビアもフル稼働だ。チームで戦おうぜ」と笑う。タクミとユウトはシビックとアコードのVTECを唸らせ、「環状は俺らの庭や。負けられへん」と意気込む。四人はミスターKとの勝負を翌夜に控え、結束を固める。
翌夜、大阪環状線のスタート地点。トオルたちはミスターKの車を改めて観察する。黒いボディに赤いラインが入った「ランサーエボリューションVI(CP9A)」だ。軽量ボディと4G63ターボエンジン、アクティブヨーコントロール(AYC)を備えた4WDの名車で、環状線のタイトなコーナーと短い直線に最適化されている。トオルが「ランエボVIか…やっぱ速そうだな」と呟くと、タクミが「こいつの4WDはコーナーで抜群のグリップや。直線もターボで伸びるから手強いで」と分析。ミスターKはサングラス越しに「準備はいいか、ガキども」と挑発。
勝負のルールは環状線1周のタイムアタックで、先にゴールした者が勝ち。ミスターKが「お前ら4人で来ても。俺一人で十分や」と豪語し、トオルが「俺がメインで走る。みんなは援護頼む」と決める。信号が青に変わり、ランエボVIが轟音と共にスタート。トオルの180SX、ユウジのシルビア、タクミのアコード、ユウトのシビックが一斉に続く。観衆が集まる中、夜の環状線が戦場と化す。
ランエボVIは序盤からリードを広げる。コーナーでAYCが効き、驚異的なグリップでインを攻める。トオルは「くそっ、コーナーが速すぎる!」と焦りつつ、サスペンションとマフラーを活かして追う。ユウジが「トオル、俺が直線でブロックする!」とシルビアで並び、ランエボの加速を一時的に抑える。タクミとユウトはVTECの高回転を活かし、交互にミスターKを撹乱。だが、ミスターKは冷静にラインを調整し、「お前らの連携も悪くないなぁ」と笑う。
中盤、トオルはマイに指摘された「コーナーの甘さ」を思い出し、「びびってる場合じゃねえ」と自分を奮い立たせる。ケンジのエンジンパーツが宿る180SXに全幅の信頼を置き、進入速度を上げてインを攻める。タイヤが悲鳴を上げつつもラインをキープし、ランエボとの差を縮める。ユウジが「トオル、すげえぞ!」と叫び、タクミが「これが東京の走りか!」と感嘆。最終コーナーでトオルはランエボVIの横に並び、直線で一気に加速。
ゴールラインをほぼ同時に通過し、観衆が息を呑む。僅差でミスターKが勝利。ミスターKが車から降り、「やるじゃねえか、ガキ。ケンジの車をここまで走らせるとはな」とサングラスを外す。トオルが「次勝ったらパーツ、ください!」と息を切らすと、ミスターKは「約束や。ターボとリアウィング、勝ったら明日の夜に渡したる。やが、次はお前一人で俺に勝ってみ」と新たな挑戦を突きつける。トオルは「分かりました」と頷く。
トオルたちはパーキング。ユウジが「やったな、トオル! これで勝てば、180SXがもっと強くなるぞ」と肩を叩き、タクミとユウトが「大阪の夏、忘れられへんな」と笑う。トオルは180SXに触れ、「ケンジさんの車がまた揃っていく…ありがとう、みんな」と呟く。遠くでランエボVIのエンジン音が響き、次の戦いへの予感を残して幕を閉じる。
**桜井トオル**:チームの援護を受けつつ、自身の成長でミスターKに勝利。ケンジの車への想いが実を結ぶ。
**三田ユウジ**:シルビアでトオルをサポートし、友情と連携の力を発揮。
**なにわのVTEC兄弟(タクミ&ユウト)**:地元環状線の知識で援護し、トオルたちとの絆を深める。
**ミスターK**:ランサーエボリューションVIを駆る強敵。トオルの実力を認めつつ、次なる勝負を予告。