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ようやくクラスに慣れ始めた私はこの日体育館に移動するときがあった。この日は新入生歓迎会が行われた。新入生歓迎会では本学一松高校の部活動紹介や先生の紹介などがあった。部活動紹介では少しでも部員を入れるためにそれぞれの部活も熱心に発表していた。その中で私はとある部活に入る予定があった。吹奏楽部だ。部員19名という少人数ながらも迫力のある演奏だった。私は一松高校の吹奏楽部の演奏を静かに聞いていた。と言っても私は吹奏楽部に入りたいと思った訳では無い。じゃあなんで吹奏楽部に入るのか。それは親にある楽器をやりなさいと言われたからだ。
約9年前私が7歳だった時、親の知り合いにフルートを習ってる子がいた。名前は園田美音(そのだみお)。彼女のお母さんがピアノをやっていたらしく自身のような美しい音を彼女にも演奏して欲しいという思いでつけたらしい。 その子はフルートがとても上手く一時期は知り合いの家でフルートの演奏会を開くほどだった。そこで見る彼女の衣装は驚くほどのものでどうやら衣装は買わず、材料のみ買い一から手作りすることだった。そのため彼女の衣装はいつ見ても鮮やかで美しく見えるのだ。一方フルートができない私にとっては手も小さく、何事にもあまり興味が湧かないためずっと彼女を見ていることしか出来なかった。
「真由もフルートやらないの?」
彼女の演奏後突然親に言われた。
当然私はできないので首を横に振ることしかできなかった。
「私はできないからいいよ」
「そう…」
当然だ。彼女と私は違う。
「でも少しでもやらなきゃダメよ。フルートをやってみなさい」
「分かった…」
これ以外の言葉が出なかった。親の言ったことについて反対出来なかった。私はフルートをやらなければいけない。そう思っていた。どうやらネットで調べてみるとフルートは吹奏楽部の木管楽器らしい。ネットにはその解説と同画面にフルートの画像が表示されてるのが見える。見た目は銀色でボタンがいくつもある。いかにも高級そうな楽器だ。壊れたらいくらするのだろう。考えるだけでも何桁もいきそうな額だろう。彼女はフルートで演奏してるのを何回か見たがこんな綺麗でキラキラな楽器を演奏できるのはすごいと感じた。
ふと昔を思い浮かべていると、突然生徒たちが立ち上がってるのが見えた。慌てて立ち上がると、目の前で生徒会が新入生のためにゲームの準備をしているところだった。学校に関する2択クイズだった。楽しかった。周りではゲームで全問正解したのか盛り上がる生徒が多い。
新入生歓迎会が終わり、ホームルームになると担任の先生に今日から部活動見学をしてもらうと言われた。この高校は部活動は原則必ず全員が入部しなくてはならないということだった。全学年の生徒の数が少ないのだろう。部活動に入らないのはありえないと言う先生もほとんどだ。
ところで私の友達はというと私は吹奏楽部に入るのに対して彼女は絵を描くのが好きという理由から美術部に入りたいらしい。私が吹奏楽部に入りたいと言うと彼女は
「楽器できる人ってすごいよね。私なんかできないよ。」と言う。
楽器はできないけれど親を喜ばせるためだ。
ホームルームも終わり帰る時間になったころ友達は用事があって先に帰ると言った。廊下には楽しそうな声が飛び交っていてあちこちは寄り道をしようと約束してる人もいる。教室を出て私はある場所に向かった。
音楽室だ。目の前に行くと鉄扉が開いていた。中を見ていると楽器がいくつか並んでいるのが見えた。あんなに楽器があるのに少人数なのは人数が足りないのだろう。
「あの、もしかして見学に来たんですか?」
突然背後から声がしてびっくりして振り返ると、ロングヘアで四角い黒のフレームの眼鏡をかけた人がいた。
「え、あ、はい。」
「え、嬉しー!!ありがとう!」
「どうぞ中に入って、なんかやりたい楽器ある?」
「フルートがいいです。 」
私は迷わず答えた。
「フルートね!おっけー!ちなみにやったことはある?」
「いえ、初めてです。」
「名前は知っていたの? 」
「あ、はい。私のお母さんの知り合いにお子さんがいてその子がフルートを習っていて。」
「え、すご!」
はい彼女はすごいんです。
会話のあとフルートを見せてくれた。これがフルートだよと先輩が言う。その時私が見たのはネットで見たようにキラキラしてて綺麗な銀色の楽器だった。
とここで先輩はとある人を呼んだ。
フルートを担当している人だ。少し低めのハーフアップにリボンの飾りをつけていてとても可愛らしい。私はその人にフルートを教わることになった。
見学が終わり私は学校を出た。とても疲れた。先輩の教え方は分かりやすかったものの、肺活量が多く、音が出ず何度か苦労してしまった。こんな肺活量やばやばなフルートを知り合いがやっているとなると相当鍛えているんだなと実感できる。明日はいよいよ部活動入部届けを出す日だ。私は吹奏楽部に入ろうと思った。
ここまで見てくれてありがとうございます!!第2話では真由が吹奏楽部に入るきっかけとなった真由の過去が書かれています。
続きは第3話に書かれてるので良かったら見てくださいねー!ではまた*˙︶˙*)ノ”
制作者 るい