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ついにこの日がきてしまった。この日の放課後私はとある場所に向かっていた。放課後の廊下は生徒で溢れており、私は廊下を早歩きで通り過ぎた。歩いている途中に今まで感じたことの無い緊張感を覚えた。とはいえ初めて吹奏楽部に入るにせよ、体が震えるほど緊張しているのは自分でもかなりやばいのでは無いのか。そんなことを考えていたらいつの間にか音楽室の目の前に来ていた。鉄扉は閉まっている。中からは声がしない。緊張が高まる中勇気を出して鉄扉のドアノブに手をかけた。その瞬間、ドアノブに手をかけた同じタイミングで扉が開き人が出てきた。
「うわぁっ!」
あまりにも驚きすぎて尻もちをついてしまった。目線をあげると目の前にはロングヘアで黒の四角いフレームの眼鏡をかけた先輩がいた。
「あ、ごめんね。びっくりしちゃった?大丈夫?怪我してない?」
先輩が心配そうに声をかける。
「え、あ、はい。大丈夫です。どこも痛くありません。」
私はそう言い立ち上がるとスカートのひだが少し折れてることに気づき整えた。
「良かった。扉閉まってて入りにくかったよね。あれ?もしかして、見学しに来てくれた子?」
「あ、はい。そうです。初めてフルートを吹きました。」
「やっぱりそうだよね。あの時は来てくれてありがとう。もしかして吹奏楽部に入部してくれるの?」
「はい、入部することにしました。」
そう言うと先輩はとても嬉しそうな様子で
「えー!ありがとう!あっ、ようこそ吹奏楽部へ!」
と先輩は私を中に入れてくれた。
その頃中には何人かの先輩が座って待っていた。
「今日から吹奏楽部に入部してくれることになった後輩でーす!」
先輩が私のことを紹介すると座ってる先輩の全員の目線が私に向いた。
「あ、初めまして。吹奏楽部に入部することになりました。1年2組の我妻真由です!よろしくお願いします。 」
簡単な自己紹介をすると先輩から拍手がきた。
「あ、そういえば。吹奏楽部に入部してくれた子には名簿に名前をかいてもらってるんだ。」
と言うと先輩は私に1枚の紙を渡してきた。見ると1番上に吹奏楽部名簿表と書かれており下にはそれぞれの学年や名前、パートの楽器が書かれており、自分の学年、名前とパートの楽器を書くものらしい。どうやら今は17人の部員がいるという。名前を見ているといろいろな楽器や学年、名前が書かれていた。
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吹奏楽部 名簿表
フルート 3年 部長 小柴瑠夏
フルート 2年 白川葵衣
クラリネット 2年 堀真尋
クラリネット 3年 白崎香音
バスクラ 3年 藤原誠
アルトサックス 3年 副部長 藤田花楓
テナーサックス 3年 桐沢しずく
バリトンサックス 3年 石川慧
トランペット 2年 荒沢琴葉
トランペット 2年 夏川愛莉
ユーフォー 3年 副部長 木下佳織
チューバー 3年 古川颯吾
トローンボーン 3年 岸川真生
トローンボーン 2年 松山ひかる
ホルン 3年 中島里菜
ホルン 2年 岡柚姫
パーカス 3年 三上零央
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この名簿表を見て思ったのは、私が1人で入部しても大丈夫なのかということだ。これだけ人がいるというのに私1人がフルートをやったらほかの先輩たちが寂しがっているのでは無いのか。私はそのことで不安でいっぱいになった。
「大丈夫?書き終わった?」
私が名簿表をずっと見ていたせいか、先輩が心配そうな様子で声をかけてきた。
「あ、ごめんなさい、今書きます。」
そう言い、急いで名前と楽器を書いた。
フルート1年 我妻真由
名前を書き終わりふとひとつ疑問を感じた。確か、新入生歓迎会の時は部員が19人いると言っていたが、今は17人に減ってる。2人はどうしたのだろう。と名簿表を見てみると1番下に退部した人が2人書かれていた。どうやら先輩に聞いた話によると退部した2人は受験の関係や成績の事情で抜けてしまったようだ。受験や成績の事情で部活を抜けてしまうのはしょうがないかと思った。
「じゃあ、今日からよろしくね。真由ちゃん。」
突然先輩に名前で呼ばれて驚いてしまった。
「はい、よろしくお願いします。」
「うん!」
こうして、今日から吹奏楽部の活動が始まった。
ここまで見てくれてありがとうございます!続きは第4話で!