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「おーい、何つっ立ってんだよ」
玄関のドアが開き、亮が顔を出した。
ゲームのコントローラーを片手に持ったまま、にやりと笑う。
「……っ!」
慌てて鞄を抱きしめる咲。
「悠真と一緒に帰ってきたんだろ? へぇ〜、仲いいじゃん」
「ち、違う! たまたま一緒になっただけ!」
必死に否定すると、亮はますます口角を上げた。
「はいはい。……でもさ、妹が赤くなってんの見るの、ちょっと新鮮だな」
「~~~っ!!」
耳まで熱くなるのを感じながら、咲は無言で階段を駆け上がった。
背後で聞こえる兄の笑い声に、余計に心臓が騒いで止まらなかった。