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由美子はあくびをしながら境内を掃除していた。
「コラ由美子巫女が谷間見せてだらしない!」母親が一喝する。
「きついんだもの襟が。」ふてぶてしい態度で胸元を治す。
「あんたはキャバ嬢じゃなくて巫女なのよ自覚しなさい。」
由美子はイライラしながら掃除をしていると不注意に祠を壊してしまった。
「ヤバ…。」母親にバレずに治そうとすると「やれやれ罰当たりめ…。」銀髪の青年が現れフサフサの尻尾を整え出した。
「誰!?」
「妾は左衛じゃ狗神じゃぞほっほ。」
現状が読み込めず目を擦る。
「其方祠を壊したせいで眠りから覚めたが中々の上玉じゃな。」
「どーも…。」左衛が嬉しそうに尻尾を振る。由美子は苦笑しつつその場を去ろうとすると
祠を壊したのは巫女としてご法度なので目を細め低い声で「待たれよ他に祠は無いのか?」尻尾のけを逆立てて威嚇する。
「あっちなら…。」
「ふむ良い祠じゃ其方の名は?」ゆっくり振り向いて「由美子。」と震えた声で自己紹介する。
「由美子か良い名じゃ妾に酒を持ってくれたもれ対価じゃよ。」由美子は少し傲慢な左衛にむっときたのか襟を緩めバッと胸を出して「これじゃいけないの?」挑発的な声で見せる。
「ほう肝がすわったおなごじゃな見事な丸みじゃな。」冷静を装いつつ食い入るように見る。
「発情してるなんて狗神の風上にもおけないわね。」由美子の嫌味に眉をあげて上品に笑う。
「其方は面白いのう雄の性《さが》じゃただし妾は今は酒が嗜みたいんじゃ。」
「持って来れば良いんでしょ。」左衛の我儘に腹立てながら蔵に向かう。
「彼奴が祠を壊してから悪気を感じるのう…鳥がざわめいておる。」扇子で口をおさえて眉をひめる。
「持って来たわよほら。」
「其方可愛くないのう巫女風情が偉そうに。」由美子はそっぽを向いて「狗神だからって自分で取りに行きなさいよ。」
流石に胸に突き刺さったのか口から火を吹きながら「其方妾に楯突く気か?愚かな巫女じゃこの妖気を感じぬかこの淫乱娘。」と叱る。
「生憎だけどあたし霊感とかないのよ。」
「ほほっならば説明せねばならぬな鵺と言う化け物が目覚め出したのじゃ酒を飲みたいが其方が鵺の祠も壊したせいでな。」左衛の警告に背筋が凍る。
「鵺ってあの?」
「左様じゃ妾の祠の隣にあったじゃろ。」鵺の鳴き声が山中に轟いている。
「お母さんが危ない。」
「妾の背中に乗れ人間の姿じゃ其方の母上に面目無いからな。」左衛は巨大な狗の姿に戻り促した。
「手網つけないと乗れないでしょ神馬が居なくなったから丁度良かった。」
「其方霊感ないって。」由美子は咳払いして「霊感とかないけどこれでも巫女の端くれよ変態狗。」少し誇らしげしかし先程の悪態とは違う真剣な顔だった。
「行くぞ由美子。」
「はいよ。」林を抜けると母親が火傷を負って倒れている。
「お母さん!」
「由美子…気をつけて。」声を絞って由美子を撫でる。
「喋るな母上妾達が必ず封印致す。」左衛が切ない壊しで誓いを言った。
「左衛お母さんを頼むわ私一人で行く。」
「ならぬ由美子其方で太刀打ち出来る奴じゃ。」ムッとしたのか左衛を木の裏まで連れて襟を緩め胸元を出して「舐めて。」と懇願する。「正気かこの状況で。」目を丸くして驚く。
「どうせあたしは淫乱娘よ舐めてくれたら元気出るから。」泣きそうな眼差しに断れずペロリと舐める。
「ぁ…。」
「元気出たか?如何しても行くのか?一人で。」由美子は頷く。「あたしは巫女よ勝ってやるわ」
「勝気なおなごじゃなこれを持っていけ妾の弓矢じゃ。」左衛は神々しい弓矢を託す。
「左衛感謝するわ。」
「帰って来い其方が居なくなると誰が妾の祠を治せる?」二人が唇を寄せ合っていると鵺の鳴き声が近くまで聞こえてくる。
「続きはまた後で。」
「其方が負けそうになったら援護致す其方の目は麗しい。」由美子は弓矢を背負って手を振り山を駆け上がる。
「クエー!」鵺が荒々しく突進してくる。
「大人しく眠りなさい!」弓を放つがかすめてしまう。
左衛は援護したい気持ちを我慢して見守る。
「クエー!」どんどん鵺が近くまで来る。
「由美子…頑張って。」
「お母さんを安全な場所へ。」式神を召喚し命じる。
「御意。」母親を小屋の中に入れて戸を閉めた。
「由美子妾が…。」
「お母さんをお願いね。」由美子は左衛の額にキスをして山の奥へと進んだ。
「人間のおなごは難しいのう…。」嘆きながら小屋へ入り母親を治癒する。
「クエー!」
「暴れるな!」苦戦しながらも弓を構える。
「由美子様上です。」式神が指を指す。
「サンキュー秋乃太夫。」由美子は感謝し矢を空へ向かって放つ。「クエーー!」鵺にヒットし崩れ落ちる。
「秋乃太夫出番よ。」
「御意。」式神は鵺に向かって飛びかかり光を放つ。
「鵺よ眠りなさい。」山の葉が祠に変わり鵺を封じ込めた。
「由美子!」
「お母さん!」親子の絆に左衛は目を潤ませる。
「お母さんね由美子と左衛にこの神社任せて下山して身を潜めるわ。」突然の宣言に二人は顔を見合せるが「お母さんが言うなら任せて。」「母上静養なされると良い。」手を握り合って母親を見送る。
「二人ともお願いね。」母親は荷物をまとめて下山した。
「左衛弓矢返すわ。」
「其方が持て妾は其方の味方じゃ。」二人は祠の中で晩酌する。「乾杯。」「乾杯。」至近距離で清酒をあおる。
「狗神に悪態つくなんて最低ねあたし。」
「其方は見習いじゃ仕方あるまい。」目をゆっくり閉じて唇を重ねる。月明かりが祠の隙間に差し込む。青い蝶がヒラヒラと戸に止まって羽を休める。
「左衛大好きだよ。」
「妾も会いたくならったらこの祠においで。」二人の汗が床に染み付く。
「其方は誠に美味じゃ。」
「あんたもね。」祠中に桃色の雰囲気が漂う。
「お母さんが居てたら怒られるかも…。」
「その母上が居らぬから良いではないか次は其方の後ろを攻めてやろう。」左衛の男根が由美子の尻の中に入る。
「…。」由美子がうっとりと目を閉じるとギュッと背中を抱きしめる。
「人間のおなごも良きかな…。」
「もうすぐ朝日が登るわ今度会う時に。」月が落ち太陽が上がってくる。
「何時かまた会う時は妾達のお子を宿すためにめいいっぱいしようぞ。」
「そうね。」二人は朝日を見つめた。