コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
6話 契約の代償
不穏な夢
みこは、暗闇の中に立っていた。
何もない——ただ無限に広がる闇。
みこ「……ここ、どこ?」
辺りを見回しても、何も見えない。
——ザッ……ザッ……。
遠くから、何かが近づいてくる足音が聞こえた。
みこ「誰……?」
声を出そうとするが、喉が詰まったように上手く言葉が出ない。
次の瞬間——。
ギャアアアアアア!!!
不気味な叫び声が響き、みこの体が一瞬で凍りついた。
みこ「な、なに……!?」
闇の奥から、無数の手が伸びてくる。
黒く、どこまでも深い影の手。
みこは本能的に後ずさった。
みこ「やめて……やめて……!」
——ズルッ。
足元が崩れ、みこは闇の中へと引きずり込まれていく——。
ドクン……ドクン……!
心臓の音だけが耳に響く。
そのとき、誰かの声が聞こえた。
???「お前もいずれ気づく。魔法少女の契約が、どれほどの呪いか——」
——ガバッ!!
みこは飛び起きた。
みこ「……はぁ、はぁ……」
額にはびっしょりと汗が滲んでいる。
みこ「夢……だったの?」
でも、妙にリアルだった。
心臓の鼓動が、まだうるさく鳴り響いている。
そのとき——。
らんま「おはよ、みこ!」
元気な声とともに、小さな影が飛び乗ってきた。
みこ「うわっ!? らんま!?」
らんま「朝から騒がしいなぁ! でも、みこが無事でよかったよ!」
みこの肩に乗った使い魔・らんまは、くるくると尻尾を回しながら嬉しそうにしていた。
みこ「なんか、嫌な夢見ちゃって……」
らんま「そっかぁ。でも、大丈夫だよ! みこは魔法少女なんだから、怖いものなし!」
らんまは無邪気に笑うが、みこは何となく胸の奥に残る不安を拭いきれなかった。
みこ「……そうだといいけど」
契約の真実
放課後。
みこは海とともに公園のベンチに座っていた。
海「みこ、顔色悪いけど大丈夫か?」
みこ「うん……ちょっと寝不足で」
海「ちゃんと寝ろよ」
海は呆れたように言いながら、ペットボトルの水を差し出した。
みこ「……ありがとう」
みこは受け取りながら、ふと考える。
(最近、アノマリーの出現頻度が増えてる気がする……)
そして、松下ときの言葉が頭をよぎる。
——「私たちは、ただ戦わされてるだけなのかもしれない」
みこ「ねえ、海……」
海「ん?」
みこ「私たちが戦う理由って、なんなんだろう?」
海「え?」
海は目を瞬かせる。
みこ「いや、ほら……私たちって、なんで魔法少女になったんだろう?」
海「なんでって……《Magica Order》をダウンロードしたからだろ?」
みこ「でも、それがどういう意味か、ちゃんと考えたことある?」
海はしばらく黙った後、真剣な表情になった。
海「……確かに、考えたことなかったな」
みこはスマホを取り出し、《Magica Order》の画面を開いた。
みこ「このアプリ……どこが運営してるのかもわからないし、何のために私たちを魔法少女にしたのかも不明……」
海「言われてみれば、変だよな」
海が腕を組んだそのとき——。
???「知りたいの?」
突然、後ろから声がした。
みこ&海「っ!?」
振り返ると、そこには松下ときが立っていた。
みこ「とき……!」
とき「《Magica Order》の秘密を、知りたいんでしょ?」
みこは思わず息を呑む。
とき「あなたたちは、まだ知らない。この契約が……どれほどの代償を伴うのか」
海
「代償……?」
とき「……ついてきて」
ときはそう言い残し、歩き出した。
みこは海と顔を見合わせた後、ときの後を追った——。
彼女が知る《Magica Order》の真実とは、一体——?