テラーノベル
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肉の味を覚えた時
今までにないほどの絶品を食べている気分になった
親友だった鹿の友人の右腕を食べて
物足りなくなってしまった
「ブチッ…ゴクンッ…」
「……足りない…足りないよ…ギュッ…」
「あぁ…肉食動物主義の社会になればいいのに…」
狼の性質は
どれだけ離れたくても
本能に逆らえない
肉食動物全員そうだ
「……夜が明けちゃう…スク」
「食べきれなかった…どうしよ…」
肉食動物が草食動物を食すことは
重罪なことだ
肉食動物は草食動物に牙を見せるだけでも
牢屋で1年は収容される
殺したとなれば
そのまま死刑だろう
「袋に詰めなきゃ…スタスタ」
心地が良い
自由に縛られずに生きることは
どうせいつかは皆仲良く死ぬんだ
それなら…
「好きなことくらい…させてよ…ボソ」
__「ジッ…」
「バッ!」
「だッ、誰か居るのッ?!」
「(ここらへんは排気ガスが多くて匂いがわからないッ…まずいッ…」
「そッ、草食動物ッ…なのッ?」
__「いやぁ?お前と同じ肉食動物やで」
「にッ!」
「(まずいッ…大型肉食動物だったら対処できないッ…」
「(クマ科かッ?クマはもう懲り懲りなんだけどッ…」
__「なぁ…その袋に詰めてんの、余ってるんやろ?」
__「俺に少しくれへんか?」
「ッ!!」
「これはッ!僕のだッ!」
「欲しいなら自分で取りに行きなよッ!」
「はぁ゙ッ…はぁ゙ッ…!」
__「お−お−wまあそんな怒んなやw」
__「”灰色狼”」
「なんで僕の族をッ…!」
__「最近…ここで喰殺事件が相次いでんの…お前やろ?w」
「ッ…グッ……」
「だったらなにッ…」
__「交渉せいへん?」
__「俺が見たことは誰にも言わへん」
__「代わりに…」
「……」
「へッ?」
__「どうや?ニコ」
「いやいやいやいやッ!何がですかッ!」
「絶対に嫌ですよッ!!」
「それ僕に何の得がッ!!!」
__「ほんじゃあ…言ってええの?」
「別にッ…言えばいいじゃないですかッ…」
「僕はもう失礼しますッ!!バッ!」
__「あ」
夜明けの朝に消える狼
__「あぁ~…逃げられてもうた…ショゲ」
__「ま、ええか」
__「ショッピ君にまた頼も~スタスタ」
「……フキフキ」
__「今日何かやつれてる~?」
「…まあ…少し朝から面倒臭い人に絡まれまして…はは…」
__「え!ソーア君珍しいね~www」
ソーア「辞めてください…ただですら残りのお肉おいてきちゃってショックなんですから…」
__「うわぁ~…それはきついね~w」
ソーア「ベルトルさんは良いですよね~…肉普通に輸入できるし…ムスッ」
ベルトル「まあまあwでも新鮮じゃないからまずいぞ~?」
ソーア「僕だって不味い草食動物が当たることなんてよくありますよ…」
ベルトル「カッカッ!w」
ベルトル「にしても…ソーア最近薬多くないか?」
ソーア「あ~…落ち着かないんですよ…これがないと…ガサッ」
ベルトル「うわぁ゙~…強いやつ使ってんね~w」
ベルトル「俺とヤッて金集めてまでそれほし~の?w」
ソーア「……貴方には…関係ないでしょッ…グッ…」
ソーア「僕は僕が思うままに生きるッ…例えそれでッ…」
カランコロン
ベルトル「お、いらっしゃ~い」
__「ペペロンチーノのバジル添えで195幡」
ベルトル「へいへ~い、ちょっとまっといね~」
ソーア「……」
__「……」
ソーア「(うわぁ゙…気まずい…ベルトルさんに着いていけばよかった…」
__「……見ない顔だね」
ソーア「えッ、あ…いつもは…裏役なんで…w」
ちゃんと笑えているか
とても不安になる
__「君名前は?」
ソーア「…アルフォンソ・リートといいます……ニコ」
__「珍しい名だね、アルフォンソ…愛の神かw」
ソーア「はは…ネーミングセンスのない親だったもので…」
全部ウソだ
親の顔も僕は知らない
この名前はベルトルさんが僕に与えた名だ
本当の名前も知らない
無戸籍児だったから
何もわからない
__「じゃあ俺も教えるね、」
rd「俺はらっだぁ、黒柴の犬科w」
rd「君は見たところ~…犬科?」
ソーア「僕は狼科です…w灰色狼はご存知でしょ?」
rd「あ~!灰色狼とはまた珍しいw」
ソーア「そう…ですかね…」
rd「……君は…」
ソーア「ゾワッ!」
rd「あ!ごめん!言うつもりはなかったんだけど…」
ソーア「……だったら何ですかッ…ガリッ…」
無意識に腕を搔いてしまう
無性にイライラする
この質問はあまり好きじゃない
肉を食べることで
僕達肉食動物は力をつけられる
草食動物との共存?
ふざけるな
そんなのこちらも願い下げだ
ベルトル「は~い!195幡だよ~ん!」
rd「あれ?何か軽くなった?」
ベルトル「分かるぅ~?!」
ベルトル「最新技術を入れつつ軽くなるようにしたんだよね~w」
rd「めっちゃ助かるわ~w」
rd「んじゃまたw」
ベルトル「ばいば~いニコ」
バタン
ソーア「……あのお客さん…常連さん?」
ベルトル「俺の幼馴染だよ~w」
ソーア「ベルトルさん…トモダチいたんだ…ボソ」
ベルトル「なんだと~?💢ニコ」
ソーア「あ、僕買い出し行ってきますねタッタッ」
ベルトル「あ!こら待て~!」
世界が綺麗であってはならない
世界は汚れているから
幸せに暮らしている人だっている
そもそも
平和の概念なんてない
快楽を求めて
体を委ね
薬を飲んで
好きなものを食べる
それが一番の…
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