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#す
6 バン
16
「嫌な天気…。」
そんなことを隣で呟かれる。
眠い目をこすって、窓の外を見ると、雨が降るか降らないかくらいの暗い天気だった。
「あにき体調大丈夫〜?」
そう言って、起き上がらない俺の体にすり寄ってくるまろ。
「…だるい。」
ぼそっと呟くと、眉をへにょりと曲げて、頭を撫でてくれる。
寝起きだからか、まろの手は随分温かかった。
ベッドの隣に置かれているスマホに手を伸ばし、横になった状態でスマホを見る。
ゲームの通知やLINEなどの通知がたくさん。
その中にも、今日の天気〜だとか、今日の低気圧は〜とか、台風接近中〜だとか色々書
かれてあったが、中でも目を引いたのが、俺らのリーダーないこの裏垢の通知だった。
『おはないです🐾
低気圧やばすぎて普通に四度寝したwwww
ボイシングスタッフに顔色クソ悪いって言われたけど、今日も元気にお仕事します💻️
低気圧やばいけど今日も頑張ろうね🍣🍣🐾』
文面はいつもの元気そうなないこだけど、多分低気圧で死んでんだろーな。
そんなことを思いながらおはついをしようと自分の裏垢を開く。
『おはようございます』
そんないつも通りのシンプルな挨拶。
たったの9文字だけど、それを入力するのも一苦労。
頭かち割れそう。体押しつぶされそう。
そんなことを思いながら、ぽいっとベッドにスマホを投げた。
そうするとまろがはいはいともとの位置に戻す。
今日は幸いにもなにもない…から、適当に歌でも撮ろっかな…あ、ないこに頼まれてた
音源も撮らないと…でも、昨日買ってきた漫画読みたい…2〜3日前に頼んだ機材来る
のって今日だっけ。受け取らないと…明日の個人配信の準備もして…企画の撮影って今
日、だったような気がする。遅刻したら怒られるなー…
次のメン限歌みたもいい加減用意しないとな…
イラストも発注して…あー、その前に歌う曲決めないと…
「今日は事務所で、VOISING全体で会議兼ミーティングやるんでしょ。」
地獄のような言葉にベッドの上でぐーっと伸びをしていた体が固まる。
こんな天気に外、いくの?
「こんな天気に…?!」
「天気なんて考えて日程設定してへんよ」
ケラケラ笑いながらまろが着替える。
今日の服は、前にペアルックで買った黒に青色の線が入ったパーカー。
スタイル抜群なまろがダボッとしたゆるいパーカーを着ているのもあり。
寝転がりながら横目で見ていると、目がバッチリあった。
「どーしたん なんか変?」
「んー、別に」
ふいっと顔を背けると、まろはしょうがないな、と言わんばかりにふわっと笑う。
「はいはい、あにきも着替えるよー
11時からなんだから!」
ベッドから引きずられ、ペッっと俺の服を出される。
まろとペアルックのパーカーだ。
正直誰かに見せるとなると、少し嫌だ。
「…まろ、ちがうやつ…」
「今日ちょっと寒いからパーカーでいいよね?」
笑顔で言われる。 顔には『着ろ。』と書いてある。
「うん…」
いつもよりゆっくり着替えている間にまろはパジャマを片付け、ベッドを整えている。
そして、着替え終わるのを待って、また、引きずられていく。
鏡の前まで連れて行かれ、寝癖を直され、髪を梳かされ、ゆるーく一つの束ねられる。
まろの癖のない猫っ毛は、羨ましいほどサラサラで寝癖一つもない。
から、俺の髪を結ったあと、そのままリビングに出た。ソファーにぽとっと倒れるよう
に寝転がると、思ったより眠気が来て、そのまま寝落ちしてしまった。
「あーにき ごはんできたよー」
目が覚めると、まろがあまりにも至近距離にいたので少し後ずさってしまった。
「そんなにまろのこと、や?」
年下特有のキラキラ感が謎に出る。
「嫌やないけど。近いわ。」
ふーんと先程まであったキラキラ感は完全に消滅して、いつもの俺の彼氏に戻った。
「まあいいや、早く食べないと冷めちゃうよ」
キッチンの方から漂ってくる甘いくていい香り。
覗くと、お皿の上に積まれたフレンチトースト。
いい感じの焦げが食欲をそそる。
コトッとマグカップが置かれ、その中を覗くとカフェラテが入っていた。
「ええ匂い〜…」
ぼそっと呟くとまろは嬉しそうに微笑む。
そのまま、2人で向かい合って座り、いただきます、と言ってフレンチトーストを口に
頬張った。
「あにき、ハムスター。」
それは褒め言葉か?悪口か?
ケラケラと俺の顔を見て、笑うまろ。
「うるさい。」
ごくんと飲み込んでから言うと、まろの長い腕が俺の顔まで、伸びてきた。
びくっと肩が跳ねる。
そのまま固まっていると、口元を少しこすってまろがペロっと自分の指を舐める。
俺の口元に着いてたんだろう。
「かわいっw」
そんなことを笑いながら言う。
子供扱いすんな。
そして、その後ぱくぱくと食べている俺を見て、ずーっと微笑む。
こいつ一生笑ってんな。人生楽しそう。
ずっと食べているとすぐなくなった。
少し、寂しかったりするけど、満足だ。
ごちそーさま、と二人で手を合わせ、言うとまろが動き出す。
「あ、俺やるで?」
そしたら、まろは、ふわっと王子様みたいに微笑む。
「俺やるよ。 あにきは安静にしてなさい」
そう言って、ソファの上に寝転がらされた。
皿がぶつかり合う甲高い音が耳に届く。
ぼけーっとしながらそれを聞いているうちに俺は眠りに落ちていった。
「ね、ゆーすけ 起きれる?」
そう優しく声をかけてくれる甘い低音ボイス。
「ん…、」
くあぁ、口を開けて、あくびをすると、まろがニコッと笑う。
「体調大丈夫? 歩けそう?」
そう、くぅーんと大型犬が心配するような感じで、垂れた耳が見える。いや、まろだか
ら、メインクーンの猫? 大きい飼い猫?甘え上手な猫さんかな?
「んー、多分。」
ぼけーっとしてると、まろは、苦笑して、荷物をくれる。
荷物と言っても、先程放り投げたスマホと財布くらいの軽装備だが。
一応折りたたみの傘も入れて。
上着も持って行く。
「じゃあ、行こか」
まろはエスコートするように、車に乗せてくれた。
まろの運転する車は安定して、乗れるから好きだ。
事務所まで、距離があって途中まろがコンビニでコーヒーを2つ買った。
なにも入れないまろのブラックと、俺のミルクと砂糖を2こずつ入れたあまあまなラテ
みたいなコーヒー。
カフェインって、偏頭痛に良いんだって。
そのまま車に揺られて、数十分、事務所に着く。
カフェインを取って、薬を飲んで、少し落ち着いてきたくらい。
よたよたと、事務所に入っていく。
そうすると、スタッフの人から、低気圧やばいっすね、とか顔色ドやばいけど大丈夫そ
う?とか言われる。 それらを適当にあしらって、会議室に入っていく。
そうすると、死んだようにぼーっと天井を眺めているないこが一人いた。
手元には、ないこ愛用のノートパソコン。
入ってきた俺らに気づいて、ないこは、あぁ、と声を漏らす。
「あにきぃ〜… 頭いたぁーい」
今この部屋の中でないこは一番年下。
弟みたいに甘える彼の顔は見た人全員を心配させるほどの顔色。
「ないこ大丈夫か〜? コーヒー飲む?」
そう言うと、机で茹だってたないこは、顔を横に振る。
「3本飲んだ。」
そう言って、人差し指と中指と薬指を立てて、こちらにアピールする。
「そんなにやばいんやったら明日とかにして休めばよかったんのに、」
あぁ、あにきも偏頭痛もってたっけ、とでも言いたそうな顔をしている。
このやろう。
「まぁ、今日は流石に定時で上がるわ。がちやばい。」
早退しろ、とまろと一緒に思う。
そして、ないこは頭を抑えながら、パソコンいじり、まろは、そんな二人を心配しなが
ら、スマホいじり。その内容もしっかり、仕事の内容だ。そしてなにもしないで、
ぼーっとする俺。
流石仕事人ないふ。 一生仕事してるやん。こわ。
しばらくこの社畜達を横目で見ながら、ぼーっとしていると、スタッフが何人か集まっ
てきて、VOISINGメンバーも少しずつ集まってきた。
そして、全員集まった時にないこが立ち上がり、会議を始めた。
しばらくたったぐらいだ。
外は風が強く、雨が今にも降りそうな暗い天気。
メンバーやスタッフは平気な顔をしているが、ないこがやばい。
まろもそれに気づいているのか、少し焦っている。
そして、俺もやばい。
もう、ないこの話も頭に入ってこない。
とくに、高音担当〜とかショタボ担当〜とか謳ってるやつらがの声とにかく頭に響く。
こいつら、声変わりって知ってる???
そして、椅子に座っていたないこがたった瞬間。
ないこがよろめいた。
なんとか、机に手をついて、倒れるのを防いだが、VOISINGスタッフもVOISINGメン
バーも心配する。
「低気圧ですか?」
もう、メンバーかスタッフか、どちらかもわからない。
そして、意識が朦朧とし始めたな、と思った後くらいからなにも覚えていない。
「ゆーすけ、おきた?」
朧げに聞こえた低い声がまろだということに気づくのにしばらくかかった。
外は雨が降っているのか、暗くなってて、うるさかった。
「んー、おきたぁー」
ふふっっとまろが笑い、頭を撫でられる。
部屋の景色もベッドの匂いも全部が違うこの部屋。
この匂いは…
「ここ、ないこの?」
「そー、ないこの家近いから貸してもらった。
ないこも体調悪そうだったから、今寝かせてるけど。」
呆れたようにするまろをぼーっと眺めると、目がバッチリ合って微笑んでくれる。
「悠佑も、寝てていいからね〜」
あの時、ないこがよろめいて、その後しばらく会議続けたんだって。
でも、俺の名前を呼んでも、意見聞いても、うんとかしか答えなくって、そのまま寝た
らしい。
全く記憶ないけど。
まろが、頭を優しく撫でて、そのまま、また眠りに落ちた。
今、何時?
カーテンが閉められていて、外は見えないが雨の音はない。
起き上がると先ほどまであった倦怠感はすっかりなくなっていた。
そのままベッドから出てみる。
やはり立ち眩みがない。
カーテンから外を覗いてみると、雨上がりの夕焼けで、空はオレンジに染まっていた。
夢中で空を見ていると、ドアが開いた。
「あ、ゆーくん起きたー?」
白髪の、初兎がひょこっと顔を出す。
ぎゅーっと抱きしめられて、一緒に窓の外を眺める。
「すっかり晴れたな 体調大丈夫なん?」
初兎が眉を下げて、心配するような顔で目が合う。
「ましなった」
安心したように、ほわっと笑う初兎。
「せや! まろちゃんがごはん作ってくれたで! 食べ行こーや!!」
クイッと、服の裾を軽く引っ張られる。
ご飯の話をすると、急にお腹が空いてきた。
そのまま、初兎がドアを開けると、廊下からすごくいい匂いが漂ってきた。
もうめまいなんてしないのに、階段を降りる時は、俺の右側にしがみつくようにべった
り張り付いている。
リビングに行くと、まろが机に6人分の皿を並べている途中だった。
それを眺めていると、バチッと目が会いふわりと微笑んでくれた。
「おはよあにき、調子どう?」
手を休めることなく、聞かれる。
「さっきよりまし」
そっか、とふんわり微笑んで、また作業に戻るまろ。
リビングを見渡すと、ソファの上で、肩を寄せ合いながらスマホを眺める天才組と、
アームを枕に寝ているないこがいた。
狭そう、と思いながら席につく。
角に座ったから、隣は一つ。
その一つに初兎が座る。
最後の一皿をコトッと机においたまろが俺の方をみて、声を上げる。
「しょにだなんであにきの隣とるねん!」
「早いもの勝ちやもーん!」
ぎゃいぎゃいと騒ぎ始めたのがわかったのか、りうらがこちらを向く。
「あ、ごはん?」
その声にほとけが反応する
「僕お腹すいたー!」
またその甲高い声に反応してないこがむくっと起きる。
「ぁ゙…?」
かすれた声が面白いが、いい加減隣がうるさい。
「俺が真ん中に座りゃええんやろ?」
そう言って椅子を立ち上がり、真ん中の席に座り変えると、俺が座ってたところに、初
兎がきて、もう片方の隣にまろが来る。
そして、りうらが、俺の前、真ん中に座り、ほとけが初兎の前、ないこがまろの前に座
る。
メニューは、サバのアルミホイル焼きと、豚汁とシンプルなアーモンド和え。
手を合わせて、いただきます、と言い、箸を持って食べ始める。
「ごちそうさまでした。」
手を合わせて言うと、まろがにっこり笑う。
食器をシンクに持っていこうとすると、まろが止めてきた。
「俺やるから安静にしててや」
「でも、作ってもらったし…」
「ええの、ええの。 いっつもあにき作ってるやん。 たまにはまろにもやらせてや」
イケメンすぎる言葉にキュンとしてしまう。
「えー!じゃあいふくんおねがいねー!」
面白そうな顔をしてそのままゲームをやろうとするほとけ。
「あ゙?! ないこならまだしも、お前は自分でやれよ!!てか、作ってやったんやからお前
らが片付けしろや!!」
怒鳴るように言うが、しゃーないな。と言わんばかりに全員分の片付けを初めた。
ないこは、いつもより食べてる量が少ないが、満足そうにもくもくと口に残ったご飯を
一生懸命噛んでいる。
「ないこかわいいー」
キッチンの方からまろの言葉が飛んでくる。
その言葉にないこが反応。
「は? 何いってん??」
顔をしかめて、引いているような顔をするないこの頬をにやにやしながらつっつくりう
ら。
初兎は、すごく面白そうにその状況を眺めている。他人事のように。
「んじゃ、僕もいむくんとゲームでもしようかな。」
そう言ってすぐ席を立って、ぴゅーとほとけのところでゲームを初めた。
「あ、りうらもやるー!」
ないこから手を離し、三人並んで、仲良くゲームを始めた。
「そーいや、まろ今日配信あったよね?」
ないこが気だるそうに机に突っ伏しながらまろのほうを見る。
「一応もう配信するばっかに整えてるからあとは帰って調整するだけやで」
俺なんてなんも準備してないのに、優等生は違うな。
「いま、6時くらいやろ?もうそろ帰る?」
「んー、あにきは?」
急に話を振ってくるまろ。
まじでできる彼氏。あげへんで。
「まろが帰れるんやったら…」
「そか。じゃあ、帰る準備しよか」
にっこり笑って手を拭くまろ。
その後は、少ない荷物を自分のポケットに突っ込んで、俺の散らかっている荷物を渡し
てくれる。
「ありがと」
椅子から立ち上がろうと、机にてをつこうとした時、手を差し伸べてくれた。
「へへっ、ありがと」
ついつい、笑みが溢れてしまう。
まろも笑い返してくれて、なんとも幸せ。
「んじゃ、ないこありがとな〜」
「お邪魔しましたー」
そのままないこの家の目の前の駐車場に停めてあるまろの車に乗り込んで、家に向か
う。
「ただいまー」
家の中で叫ぶが、返事は帰ってこない。
「んじゃ、俺配信の準備してくるから、なんかあったら呼んでな。8時から配信やから
その後はLINEでお願い。」
心配そうにまろの配信部屋に入っていた。
やることは何個か溜まってるのに、やる気が起きない。
どーしよっかなーと考えると、スマホにLINEの通知が入った。
LINEを開くと、こったろからエペやりましょ、と来ていた。
丁度暇してたところ、やろ と返事を返し、エーペックスを開く。
そのままこったろの部屋に入ってエペを始めた。
ちゃす
らくちゃんですわん
久しぶりの浮上
低気圧いいなって思っちゃうよね((
コメント
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ちゃす〜!みぅです🥀🤍 「青黒同棲してる」読んだよ…! もう冒頭からまろの甘やかしが尊すぎてやばかった…「だるい」って呟いたら頭撫でてくれて、さらにペアルックのパーカー強制着用させられるの、完全に“愛”じゃん🥺💙 口元のフレンチトーストの跡をペロッて♡♡♡シーン、心臓に悪かった…「かわいっ」って笑うまろの余裕、ずるすぎる〜! 低気圧で体調ボロボロなのに、まろが全部フォローしてくれて、なおかつBLとしての甘さがちゃんとあるの、本当に好き。みんなでご飯食べるシーンのあたたかさもよかったし、日常のやわらかさがじわじわ沁みるお話だったよ〜 続きすごく気になる…!🌙