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口元に1本の煙草を加えながら、彼は雪で埋まった地面を一歩一歩踏みしめながら目的地へと向かっている。
この季節になると、ここ一帯にはかなりの雪が降り積る。
エデン中枢から少し離れたここは少し心残りのある場所で、今回は上の司令で行く事となった。
🗝 「うわ、さっみぃぃぃぃ」
「こんな季節に業務とか終わってるわ」
今回の司令は俺指名で来たらしい。
今まで指名での司令など来たことがなく、本部からも異例の事だと驚いていた。
かといって司令は簡易なもので、とある貿易港の現状調査であった。
今でも鮮明に覚えている。
この貿易港は俺が警備隊に所属するずっと前に。
唯一の相棒と2人で隠れて特訓していた場所。
港内を歩いていくと、奥に今はもう使われていない壮大な飛行機のレプリカがあった。
🗝 「 懐かしー。
ここによく隠れてたけど結局上官に見つかって2人で反省させられたっけ笑 」
あれは、
今日みたいに雪がかなり降り積っていた日
🐈⬛ 「ローレンは大きくなったら何になりたい?」
🗝「大きくなったら…」
「やっぱカッコいいやつっしょ!」
🐈⬛ 「カッコいいやつって笑 」
「..ローレンなら警備隊とか良さそう。」
🗝 「 なんかかっけぇ!!俺それ!!」
「 …てか、アクシアは何なるの」
🐈⬛ 「 オレはね〜 」
🗝「 パイロット… (ボソッ) 」
大きくなって俺は警備隊に所属、
あいつはパイロットになった。
それでも訓練生のころから変わらず俺らは何をやるにも一緒だった。
しばらくして、俺達は同期としてそれぞれ配信活動を始めた。
配信者仲間も増え、ファンだと言ってくれる人もできた。もちろんあいつとのコラボは欠かさなかった。しかし、とある問題を起こしてしまい俺は活動を一時離れた。
そんな中でも、あいつは俺を見捨てず、待っていてくれた。
それなのに、俺はあいつが抱えている事に気づいてやれなかった。あいつの活動休止を知るまで。
そのままあいつは卒業という形で配信活動を終えた。
それ以来俺は何となく関わらないようにしていた。あいつを見ると責めてしまいそうだったからだ。「何故俺に助けを求めなかったのかと。」
「何故俺は気づいてやれなかったのかと。」
この場所にはもう来るべきでは無い。
せかせかと必須業務を終わらせ、その場を後にしようとすると、先程のレプリカの辺りに人が立っていた。
何故かその人の後ろ姿が記憶のあいつと重なった。咄嗟に一歩踏み出していた。声をかけようとした寸前、振り返ったその人は似ても似つかない。人違いだった。
🗝 「ここにいる訳..ねーか..」
「 やべー、俺疲れてんのかな ..」
来た道を引き返そうと踵を返し、
俯きながら歩いていると、自分より少し大きな体とぶつかった。
🗝 「あ、すんませ、、、、、!?」
顔を上にあげると、鮮明に記憶に残っている見飽きるほど見たくしゃっと笑ったあの顔があった。
そいつはあの日みたいに握り拳を突き出し
🐈⬛ 「 よっ ! 相棒 (ローレン)!! 」
って当たり前のように言いやがった。
勿論俺は握り拳を突き出し
🗝 「 よ! 馬鹿相棒 (バカシア)! 」 って言ってやった。