73日目
んー…いいメロディが思い浮かばないな…
スランプかな……
気分転換に何処か行こう…どこがいいかな
……とりあえず、どこか行こう
奏
(最近、寒くなってきたなぁ…)
空を見上げると快晴だった。
綺麗な水色の空に真っ白な雲が浮かんでる。
思わず見とれてしまうほど綺麗だった。
『ふぅ……でも寒いな、、』
そしてふと、昨日の日記を思い出す。
『ミステリーツアーで行った桜…もう一度みたいな…………時間もあるし、行ってみよう』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『あれ…ここ、かな?』
よくよく思えば今は冬だし桜なんて見れるわけが無い…と今になって気付いた。
……予想通り、というか…そもそも桜自体が無くなっていた。
『え…どうしてだろう……』
桜の木があったであろう場所に座る。
ただただ冷たい風が吹くだけだった。
『まぁ…今は冬だもんね……当たり前か、、』
1人寂しく空を見上げる。
さっきの空とは違って、あまり綺麗とは思えない天気になっていた。
『わ、何か雨が降りそうな……』
その嫌な予感は的中してしまった。
ザーッと大粒の雨が降り注ぐ。
『傘、持ってくれば良かった…』
急いで校舎内に入り雨宿りする事にした。
『ふぅ…寒い……』
濡れたジャージを脱ぎ、絞る。
心はどんどん寂しく、虚しくなって行くだけだった。
『……このまま私は一生ここに居ることになるのかな、、』
(そうだったらいいかもしれない)なんて事を内心思いながら雨が止むのを待つ。
『…』
ぼんやり外を眺めていると、足音がするのに気付く。
『……?何処から…』
足音はどんどん近付いてくる。
(もしかしてお化け…!?)
一気に背筋が凍る。
早く逃げなくては、と濡れたジャージを持って立ち上がる__次の瞬間
ガシッと腕を掴まれた。
『~~~~~~~~?!!!!?!』
声にもならない悲鳴を上げながら私は全力で走った。
雨に打たれてびしょびしょになっても構わず走った。
謎の人物は私を追いかける。
「待っ…」
聞き覚えのあるような声がしたが、怖さでそれどころでは無かった。
『こ、来ないで……ってひゃっ!?』
小石に躓き、勢いよく転倒した。
「奏…!」
「奏、大丈夫…」
『ま…ふゆ……?』
私の意識はそこで途切れた。
雨の中傘を差しながら桜の木があったであろう場所に立つ。
『…何で木がないんだろう……』
辺りを見回しても校舎しか無かった。
『久しぶりだし…入ってみようかな』
校舎に入ると、青ざめた顔でこちらを見ている奏に遭遇した。
『かな…』
声をかけようとしたものの、声にもならない悲鳴を上げながら奏は走っていった。
『待っ…』
急いで追いかける。
……それでも、追いついたのは奏が小石に躓き転倒した頃だった。
『ん……、、?』
目を覚ますと私はカーディガンを掛けられていた。
『あ、そうだ…転んじゃって……』
「奏…起きた?」
『まふゆ、!…その、さっきはごめん……迷惑も掛けちゃって…』
「ううん、大丈夫」
「…それより、体調は?大丈夫?」
『うん、大丈夫だよ』
「なら良かった…」
「……今日はもう夜遅いし、ここで泊まっていこうか 」
『えっ!?…衣食住無いよ……?』
「食べ物なら私がさっきコンビニで買ってきたから。もうバスも動いてないし…」
『そ、そっか……』
「服はさっき濡れたけどもう乾いたよ」
「寝具はカーディガンとかリュックで代用できそう。」
「あ、後……奥に暖炉があったから寒さは大丈夫そう。」
『完璧だね…なら泊まろうかな』
「うん……絵名と瑞希には後で連絡しておくから。…奏はゆっくり休んでて」
『え、でもまふゆは……』
「私は大丈夫。…明日学校は休みだし…お母さんとお父さんは今日いないから。」
『そっか……』
「…おやすみ、奏」
『あ、うん…おやすみまふゆ』
カーディガンやタオル、暖炉の暖かさに包まれながら私は眠りに落ちた。
「……」
コメント
2件
なんだ、ただのまふかなのてえてえだあ。不安が少し無くなったかもしれません😁