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契り あなたさえいれば

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契り あなたさえいれば

22 - 第22話 カンジュ王からの命令

2025年12月30日

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「殿!

王より急ぎの伝達が参りました。

ジーファとの激戦地へ、直ちに出陣せよとのことです!」


「わかった。

全員、早急に支度せよ!」


「はっ!」


命が下ると同時に、城内は一気に慌ただしさを帯びた。

セイカとユイの私室でも、出陣の準備が進められていた。


二人は黙々と鎧を纏う。


「兄様……どうか、俺の傍を離れないでね」


不安を隠しきれない声で、ユイが言う。

その様子に、セイカは一度手を止め、ユイを静かに抱き寄せた。

そして頬に触れ、優しく撫でながら語りかける。


「よいか、ユイ。

本当は、お前を戦場へ連れて行きたくはない。

だが……お前のことだ。止めても聞かぬだろう」


ユイは小さく息を呑む。


「だから約束しろ。

決して、無理だけはするな。

何があっても、生きて帰ることを最優先にしろ。いいな?」


ユイは黙って、強く頷いた。


「では、参るぞ」


「は!」


凛とした声で命じるセイカの後に、ユイが続く。

その姿は、細身ながらも凛々しく、

一見すれば女武将と見間違うほどであった。


やがて全員が騎馬に跨る。


城内に残る者たちは、

城主と兵たちの無事な帰還を、ただ祈るしかなかった。


「セイカ軍ーー出陣!」


号令とともに、騎馬隊は一斉に地を蹴り、走り出す。


だがこの出陣は、

先の見合いによってカンジュ王の怒りを買ったセイカへの

明確な仕打ちでもあった。


向かう先は、

カンジュ軍が壊滅寸前に追い込まれている、

最も苛烈な激戦地——ジーファ。


それは、

生きて帰れる保証など、どこにもない戦場だった。

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