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#異世界転生
ひより
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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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臣桜
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あの夜から少し経った。
深夜のリビングは、静かだった。寝室のドアをわずかに開け、中を覗き込む。
聞こえてくるのは、ゆずの、規則正しく、安らかな寝息。
(……大丈夫そうだな)
静かにドアを閉め、リビングに戻る。そこには、ソファに座るひよりさんがいた。
目が合うと、彼女は微笑んだ。
「……今日、よく寝てるね」
「うん……嵐の前の静けさというか」
会話は、それだけだった。でも――。この沈黙は、あの日のように重くはなかった。
「……あのね」
俯く彼女の指先が、ぎゅっと自分のパジャマの裾を掴んでいる。
「……こういうことしたいって思うの」
消え入りそうな小さな声だった。
「もうお母さんなのに……変かな?」
「……おかしくなんかないよ」
「夫婦なんだから、自然なことだと思う」
彼女が、驚いたように顔を上げた。
「負担に……ならない?」
「なるわけないよ……」
目を逸らさずに、そう言った。
一瞬の沈黙のあと、どちらともなく笑いがこぼれた。
力が抜ける。あの夜からずっと張りつめていたものが、やっとほどけた気がした。
そっと肩に触れる。びくっと彼女は身体を震わせた。
顔を近づける。あの夜、1センチの距離で止まってしまった唇が――。
今度は、止まらなかった。
抱きしめた身体はやわらかくて、温かい。
そこにいることを、ただ確かめ合うみたいに。
パジャマをゆったりと羽織り、腕の中に収まった彼女が、ふふっと笑う。
「……なんか、あったかくて安心するね」
「うん」
細い肩を抱き寄せた。
子どもも大事だけれど、僕たちは夫婦だから。
その形を守るために、やさしい夜をこれからも重ねていく。
コメント
1件
第225話「やさしい夜」、めちゃくちゃじんわりきました…😭💕 静かなリビング、ゆずの寝息、あの夜から続いてた緊張がふっとほどける瞬間がたまらなくエモいです。「負担にならない?」って聞くひよりさんに「なるわけないよ」って返すところ、もう心臓ギュッてなった…! 最後の「やさしい夜を重ねていく」っていう締め、なんかもうずっとこの夫婦を見守りたくなります。あったかい夜をありがとうございます…!