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第0章 0話
全ての始まり
━━30XX年 3月 9日
この地球に一つの小さな小さな卵が落とされた
その小さな小さな卵はゆっくりと地球を蝕んでいく
一つひとつがゆっくりと孵化をするとその中からは可愛らしい新しい生命が入っていた
だが何かがおかしい、人の形をしているが人ではない
その日から地球は少しずつ変わってきていた
人を人類、人ではないものを他人類と世間一般に言うようになった
そしてとある場所ではその卵は遺伝子融合実験に使われ、その他には世間一般で言う地獄と言われる場所で落とされ
そして一つの城や小さな森の家屋にも人類と他人類での行為による子供も産まれ、その子供のDNAには異変が起きていた
容姿も何もかも完全に人間だが、何か一つだけがズバ抜けている
これだけ聞けば稀にいる人間じゃないかと思うかもしれないが、それは違う
これは時に人類を傷つけ、場合によれば人類を殺めてしまうという危険な能力
そんな4つの卵から生まれた他人類の彼にとって大きく、人類にとっては小さい小さい物語が今広げられようとしている
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他人類でも最初は人類と同じ、産声を上げ、笑い、泣き、怒り、全てが同じ
だがそんな他人類は必ずしもどこかで不幸な運命に会う
家族と引き剥がされる者、全てが壊される者、売られる者、殺される者
なぜ他人類はこれ程までに悲惨な目に会うのか
それは世界国家が他人類を危険対象とし、捕まえ、その繁殖を絶やすのならば何をしても良いという何とも無計画なルールを持ち出してきたのだ
これさえ無ければどれだけ幸せに暮らせていた事か
そしてこの無計画なルールを打ち破る為に立ち上がる卵が一人
地獄で孵化した一人の女の子、王が座るであろう席に座り、まじまじととても分厚い本を見つめる
どうやらその本にはほぼ全他人類のスペックなどが書かれているようだ
そういえば地獄にもこの世界国家の無計画なルールは適用されているそうで警官らしき人や逃げ回る他人類や罰を受けている人類がこの前まではいたらしいがもう今はいない
どうやらこの女の子は閻魔と言われる存在らしい
他人類として卵から孵化し、生まれ持った赤い瞳に真っ白な髪
背中に生えた黒い羽はまるで儚い蝶でも演出するかのような容姿でその子はどこか悲しげでどこか憂いを顔にまとっている
静まり返ったこの地獄と言われる世界で聞こえてくるのはマグマが気泡を作り割れる音と自身の呼吸音のみだった
手下も地獄で這い回る者も今では誰もいない
何かを決めたような顔をしては分厚い本をバタンという音を立てて本を閉めて組んでいた長い足を戻し、椅子から立ち上がり、ゆっくりと一歩、また一歩と歩き出し何も無い更地で立ち止まった
彼女が指を鳴らすと目の前に裂け目が突如として現れる
どうやらこの裂け目は現実世界と繋いでいる所謂テレポートゲートらしい
そこに彼女は一歩足を踏み込む
「まずは仲間を見つけなきゃ」