テラーノベル
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彼の部屋へ向かいながら、(あんな男、もう二度と会いたくないかも)と、思う。
まぁ、どうせ会うこともないだろうけど……でも、あのイケメンて、どこかで見たことがあるような……人目を引く鋭い眼差しには、どことなく見覚えがある気もした。
ぶつぶつと考える内に部屋の前に着いて、インターホンを鳴らすけれど、彼氏は出ても来なかった。
「はぁ……」と、ため息をつき、合鍵でドアを開けて、中に入った。
「春樹、寝てんのー?」
声をかけながら、寝室に行くと、案の定ベッドには彼が寝ていた。
「ちょっと、なんで寝てんのよ?」
ベッドの縁に座って、身体を揺すると、
彼は、「うん……?」と、目を開けた。
「……今日、行くからって言ってあったでしょ?」
寝ぼけた顔に言うと、
「ああ、そうだっけか?」
春樹は、ベッドからのっそりと起き上がった。
「裸で寝るのやめなって、いつも言ってるじゃない」
起き出した彼の姿に、顔をしかめる。
前は、こんな風に裸で眠るのさえかっこよく見えてたのに、今じゃ嫌悪感しかなかった。
「うるせぇよ、おまえ」
春樹が、ぼそりと口にする。
「服着てよ、早く」
うるさいなんて言葉にも、もういちいち傷つかなくもなってしまった。
いつから、こんな風に冷めてしまったんだろうと感じる。
かつてはラブラブな関係だったのが、今では嘘のようにしか思えないくらいだった。
服を選ぶ気もないらしく、その辺に脱ぎ捨ててあったのを着るのを横目に見ながら、
これでも、私は買ったばかりの新しい服を着てきたのに……あなたのためにと思う。
「それで、今日はどうするの?」
半ば投げやりな気持ちで尋ねると、
「腹減った。居酒屋行こうぜ」
春樹は頭を掻きながら、めんどくさそうにしゃった。
起きるなり、お腹すいたで、居酒屋へ直行っていうのは、もうどれくらいおんなじパターンをくり返してるんだろう。
さっさと部屋を出て行こうとする彼を、仕方なく追いかけていく。
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ホクロの住民
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#学校
より
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「もう潮時なのかなぁ……」
そんな呟きが口から漏れるけれど、目の前の彼は気づいてもいないらしく、こちらを振り返りもしなかった。
コメント
1件
あおいです🤍 第3話、読ませていただきました。 主人公が彼氏・春樹に対して抱く「冷めていく感覚」が、動作や心の声でじわじわと伝わってきて、胸がぎゅっとなりました。特に「前は裸で寝る姿さえかっこよく見えてたのに」という一文、恋愛の終わりってこんな風に静かに訪れるんだなって実感しました。エレベーターのイケメンも気になる存在で、これからの展開が楽しみです。 蒼乃さん、引き続き応援しています🌷