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9月13日。マジカルシークレットの隊員たちは、それぞれの位置についていた。
普通科は正面門をくぐった少し奥。誘惑科は裏門。魔法科は全体的に建物の中から遠距離防衛。殺人科は右門。掃除科は左門。拷問科は巡回。
それぞれ連絡用携帯を持ち、人数不足、あるいは…、になった時用。そして、生存確認のために。
トップである都月は一番上の階にひとり。護衛をつけた方がいいのでは…?という考えも出たが未来予知の力もあるためひとりで。
あたりはすっかり日が落ち、真っ暗だった。一応明かりはあるが、ほぼ真っ暗に近いのである。
「こういう雰囲気怖いよぉ〜…なぁ、凪野…」
遥人が蒼にしがみついていた。蒼はまあまあ…となだめるように声をかける。
「こんな真っ暗な時に、敵が上からでも攻撃してきたら…怖くてたまらない…」
「いや、上からの攻撃は多分大丈夫だと思うけどさ…結界も一応張ってるそうだし。でも俺たちは正面門、つまり一番入ってきやすいところにいるから…」
「敵が来やすいって言いたいのか…?」
「いや、まあ…そうですねー…」
「目を逸らすなっ!!」
「ちょーっと君たち静かに?今回の戦いは非常に危険だからね。下手すれば街全体を巻き込むことになるかも。ま、そうならないといいんだけど…」
教官が声のトーンを落として話す。
こちらの組織側としても、イポクリジーアの能力はあまり詳しくわかっていないため、油断は禁物だ。
「このまま何も起こらないといいんですけどねぇ〜…」
「だよねぇー…」
「あはは…でも都月さんは確かに予知したんですよね?だったら…」
「まぁ、来る方が確率は高いよ。私もあの人の能力は信頼してるし。きっと…もうすぐ…ドーンとか、バーンとか…くるはず…」
「なんだか俺がひらりさんに家の壁ぶっ壊されたことを思い出すのですが…」
「ンー?ナンノコトー?」
「声裏返ってますよ!?」
見事に声が裏返っていた。少し動揺しているようだ。
「それにしても暗いねぇ…この古風なライトで灯り足りるかな」
「俺それ生で初めて見ました…アニメとかでしか見たことない…」
「そう?」
「まあ、まだ提灯じゃないだけマシか…」
ひゅん
「え?」
たった一つの灯りー…ライトの火が消えた。
一気にあたりが暗くなり、冷や汗が出る。
「え…?」
ドンッ
「!?」
急に地震が起きたように地面が揺れ、月が隠れ、空が真っ暗にそまった。
上空からぼたぼたとどす黒い液体が漏れてきて、結界が張ってある場所以外にこぼれ落ちる。
「何…あれ…」
どす黒い液体がこぼれ落ちた場所は、影が実態となって人々を襲い始めた。
「まさか、イポクリジーアの…」
「そうかも。とりあえず、本部に連絡…」
ドンッ
「ぐっ…!」
「あ、あなたは…!」
「あのときの!」
ひらりと蒼が青髪の青年に指を指す。
「ビスメル!!」