テラーノベル
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「今年もお世話になりました。来年もどうかご贔屓にお願いします」
「こちらこそお世話になりました。お陰様であのプロジェクトも‥‥‥‥」
遠目で叶とどこかのお偉いさんの話を聞いている
何が楽しくてこんな大晦日にパーティなんか出なきゃいけないんだ?
俺は親父に出席しろと言われるパーティだけ、嫌々出席している
いずれか会社を継がせる為だろう
俺は会社勤めなんか向いてないのに‥‥
その点、叶は適任だろう
叶が社長にでもなればいいのに
チラッと叶を見る
また新しい男が叶に挨拶しに来た
親父の秘書ともなれば仕事欲しさに顔を売り込みたくもなるか
「叶さん、休日は何してらっしゃるんですか?」
「僕ですか?まぁ休みと言っても次の仕事の準備とかしてますね。あまり休まなくても苦にならない性分で」
「休まないとダメですよ。息抜きに観劇鑑賞などいかがですか?この前有名な物語のチケット手に入ったんですよ」
は?
なんだそれ‥‥
まるでデートに誘ってるみたいじゃん
よく見ればニヤニヤしやがって
アイツ絶対叶の事狙ってるだろ
「葛葉君?」
「あ‥‥はい」
「いつもお父様にはお世話になっております」
「いえ‥‥こちらこそ‥‥」
‥‥面倒くさい
俺に声かけられても困るって
「葛葉君はこういう席は苦手ですか?」
「ハハっ‥‥そうですね」
30代後半位の優しげな男性が俺に声をかけた
「俺も苦手で‥‥よかったら上にあるラウンジに行きませんか?」
「え?いえ‥‥俺は‥‥」
「まだ時間には早いですけど、0時に上がる花火が綺麗に見えますよ」
「花火上がるんですか?」
「知りませんでしたか?新年と共に打ち上げるんですよ」
それは見たいかも
‥‥叶と
「行きませんか?俺と」
その男が俺の手に触れた
「ちょっ‥‥すいませ‥‥」
「失礼します葛葉さん、社長がお呼びになられてますが‥‥」
「あ、叶‥‥」
叶が現れるとその男は軽く会釈してその場を立ち去った
「親父が呼んでんの?」
「呼んでないよ。でもこっち来て」
「え?おい、どこに行くんだよ?」
スタスタと歩く叶の後を急いで追いかけた
会場を抜けエレベーターに乗る
「叶?」
「‥‥‥‥‥‥」
無言のまま上階にある部屋まで連れてこられた
「なんだよ、どうしたんだ?」
「もっと立ち振る舞いに気を付けないと」
「え‥‥?」
「社長の息子らしく堂々と、どんな人にも笑顔で、そして何を言われても軽く遇らわないと」
「‥‥説教かよ」
「あと‥‥他の男に触れさせるなよ」
もしかしてさっきの事‥‥嫉妬してる?
そんなこと言ったらお前だって‥‥
「‥‥叶だってデートに誘われてたじゃん」
「え?俺誘われてないよ」
「さっき誘われてたろ?観劇に‥‥」
「あんなの社交辞令だよ。断ったしね」
「‥‥‥‥フン」
俺はネクタイを緩めながら乱暴にベッドに座った
叶も続けて俺の隣に座った
「ごめん、言い方が悪かった。これからこんな事いっぱいあると思うから、葛葉には気を付けていてもらいたいんだ。葛葉素直だから着いて行きそうで怖いよ」
「着いて行くわけないだろ?俺をなんだと思ってんだよお前」
「世間知らずの御坊ちゃまだろ。いつも僕が着いて回るわけにはいかないんだからな」
「‥‥だからこういう所嫌いだ」
「葛葉が会社に入ったら僕葛葉の秘書にしてもらおうかな」
「俺の側にいてもやる事ないだろ」
「だって心配なんだもん」
「なんだよ‥‥頼りないって言いたいのかよ」
「フフッ違うよ。僕はずっと葛葉の心配をしていたいだけ」
その瞬間窓に大きな花火が咲いた
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コメント
2件
お互い嫉妬してるの可愛いです!かなかな 葛葉から男を遠ざけるの得意そう(圧で)二人の空間てぇてぇすぎます!