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うわぁぁぁぁぁエモいぃぃぃぃよしっ結婚しましょうそして同居しましょう!(すみませんでした)
??((メリークリスマスヒャッヒャッヒャッヒャッ✨
赤い服にフワフワの白髭。優しそうな目をしている皆にプレゼントを届ける人。居るかなんて分からない。信じてないわけじゃない。それでも僕の目の前にいるそいつはどう見ても子供の大好きなあの人には見えない。これは僕だけのサンタクロース。
僕だけのサンタクロース。
冬の夜風はとてつもなく寒い。今は8時過ぎ。町中夢の世界のようにキラキラしていて恋人たちの笑い声が響き渡る。そんな中僕は一人大好きなお酒が入ったビニール袋をもって家に帰っていた。子供の頃は大好きだったクリスマス。今となると虚しさが僕の心を逆撫でする。心も体も冷えて今にでも家に帰りたい。いや、帰ってるんだけどね。この時期には毎年「何貰おうかなぁ」と楽しそうに考えていたものだが大人になるともうあげる側。まぁあげる相手もいないんだけど。去年とかはメンバー皆でプレゼント交換でもしたけど今年は寒すぎて皆家から出たくないと言っている。だから今年は一人ぼっちのクリスマス。
そんな僕にも少しはクリスマスを楽しみたいという気持ちもあって。だからお酒を買って1パックに二つ入っているショートケーキを買った。本当は1つで良かったけれど2つ入りしかなかったので仕方がない。家につくと自分の手よりも数倍冷えているドアノブに震えながら手をかけ思いっきり引いた。手袋を持ってこなかった自分に今更ながら後悔をした。あ、手袋なんてもともと持っていなかったわ。確か去年、「来年新しいの買うし捨てちゃお!」つって捨てたんだったわ。こんな寒い冬こそ手袋が必要だというのに。
僕はすぐに手を洗いこたつの中に潜り込んだ。暖かすぎてもう離れたくなかった。冷えた体を暖めながら僕は買ってきたケーキとお酒を出し一人晩酌を始めた。11月のままのカレンダーに気がついたが直そうなんてことは1㎜も考えなかった。
頬をほんのり赤くし目の前がぼやけてくる。酔いが回ってきたと同時にピーンポーンという音が家の中に響く。宅配か、もしやサンタさん!?などと機能が停止した脳に追い討ちを掛けたのはこの男だった。
🐯「メリークリスマス、ジニヒョン!!」
とうとう自分がおかしくなってしまったと思った。居るはずのない好きな人が今、ドアの向こうに居る。夢ということがわかっていながらも肌恋しかった僕はバッとドアを開けた。寒そうに手を擦りながら小柄なショルダーバックを持ったテヒョナ顔を覗かした。目尻を赤くしながら僕になんの許可もなく家に上がり込んだテヒョナはあまりにも綺麗だった。いや、綺麗に見えた。
🐹「…やぁ…テヒョナ、どうしたんだよ、こんな夜に。」
僕は躊躇いもなくこたつの中に入ったテヒョナの横に腰を掛けそう問いかけた。
🐯「クリスマスだったので会いたくなりました!」
なんて無邪気に答える弟が可愛すぎて僕は無意識に口を緩めた。て言うかそれ、クリスマス関係あるか?とクスクス笑えば綺麗な歯を見せてテヒョナはにぃっと笑った。
🐯「もうクリスマスだなんてなんだか不思議ですねぇ。」
🐹「ん~確かにねぇ。」
🐯「ジニヒョンは何貰ってたんですか?」
問いかけられた質問に僕は首をかしげた。なんか貰ってたかなぁと考えるとあまり出てこなかった。忘れちゃったと答えるとテヒョナは少し悲しそうな顔をした。どうしてそんな顔をするんだ?と思うと僕は去年テヒョナから貰ったマフラーに目がいった。
🐹「ごっ、ごめんごめん!マフラー!貰ったよ!テヒョナに!」
🐯「そうですよぉ~!!忘れるだなんて酷いです!」
🐹「ごめんって!」
テヒョナとたくさんの話をした。テヒョナは戦隊物のフィギュアを貰っていたとかクリスマスは何食べていたとかクリスマスの話以外にも最近有ったこととかもういろいろ。寒くて凍えそうだったクリスマスがこんなにも温かく楽しく過ごせるのはきっと目の前にいるイケメンのせい。テヒョナは「ジニヒョンの家はこたつ在っていいなぁ!暖かいじゃん!」って言っていたけどこたつ以上にテヒョナと居ることの方が僕は暖かかった。
僕が優雅な時間に慕っているとテヒョナが思い出したようにバックの中を漁った。何を取り出したかと思えばそれは綺麗に梱包された箱。誰かから貰ったのだろうかと思えばそうではないと数秒後に教えてくれた。
僕の前に突き出された手のひら。そこに乗っているのはさっきの綺麗な箱。まさか僕へ!?と驚きつつ僕は有り難うと笑った。頬を赤くしながら俯くテヒョナは凄く珍しくてきっとタイミングを見計らっていたんだと思うと可愛すぎて僕はテヒョナの頭をくしゃくしゃっと撫でた。すると撫でていた手をテヒョナに捕まれそのまま固定されてしまった。離してと言えばテヒョナは目を細くして僕を見つめた。僕は何かを悟ると目を閉じた。
チュッと可愛らしい音をならしてテヒョナは僕に口付けをした。あまりにも柔らかくて甘いチューに僕はドンッと心臓をならした。ばっと紅くなる頬を暖かくなった手で隠すとテヒョナはニヤリと笑って僕を抱き締めた。体全体から感じるテヒョナの温もりに僕は嬉しくなってテヒョナの首にチュッと口付けをした。テヒョナだってやったんだもん。僕だってやりたい。僕が「お返し」とテヒョナの耳元で言うとビックリして固まっていたテヒョナは数分後に「……ほんとズルい…」と言っていたような気がしたが僕は無視することにした。
暗い暗いこの夜空を駆け巡るサンタのように君は僕のもとへ来たね。恥ずかしがりやのサンタさんは何よりも誰よりも大好きな王子様。来年も再来年も君とずっと一緒に過ごしたいよ。ありがとう、
僕だけのサンタクロース。
テヒョナから貰ったプレゼントの中には桃色の綺麗な手袋がしんっと眠っていた。
終わり