テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
105
#とぅるりぷ
しらす☀️💛🎀🩵
1,506
活動休止から、さらに数週間。
いるまは病院での診察を続けながら、無理のない生活をしていた。
以前なら、少しでも練習しようとしていた。
でも今は違う。
医師「焦らず、体調を見ながら過ごしてくださいね」
「はい」
帰宅すると、グループの通話が入る。
らん『おー、いるま!』
「うるさ……」
なつ『聞こえてる?』
「今日は結構聞こえる」
すち『よかった』
みこと『じゃあ今日は雑談だけにしよ!』
「……それならいい」
画面の向こうで、みんなが笑う。
その声を聞きながら、いるまも少し笑った。
そして翌週。
医師「聴力、前回より少し改善しています」
「……ほんとですか?」
医師「はい。ただ、まだ無理は禁物です」
「……はい」
病院を出たいるまは、すぐにメンバーへ連絡した。
『少しだけ、良くなった』
すると数秒後。
らん『よかった!!』
なつ『焦らずいこうな』
すち『ちゃんと待ってる』
みこと『復帰祝い、何食べる?』
「……気が早すぎだろ」
久しぶりに、心から笑えた。
戻る日は、まだ決まっていない。
でも――
昨日より少しだけ、未来が近くなった。
コメント
3件
うわ、このエピソード、すごく好きです。いるまの聴力が「少しだけ」戻ってきたところとか、みんなの「復帰祝い、何食べる?」のノリの良さに思わず笑っちゃいました。活動休止からの数週間、焦らずに自分のペースを守るいるまの姿と、それを見守るメンバーたちの距離感がすごく丁寧に描かれていて。タイトルの「少しずつ」がじんわり沁みました。完治じゃなくて「昨日より少しだけ近くなった」っていう終わり方、めっちゃいいですね。